1kWh/㎡=3.6MJ/㎡です。kWh/㎡からMJ/㎡は3.6倍、逆は3.6で割ります。W/㎡からは測定期間が必要で、区間平均W/㎡×秒数÷1000000がMJ/㎡です。気象庁の平均日量は月合計とは異なり、日照時間hも日射量に置き換えません。積算量の意味気象庁の集計・単位の定義
以下では、まず単位計算を示し、次に測定値の時間集計、気象庁データの期間、ハウス内への適用条件を分けます。日射の積算量は、単位面積が受けた放射エネルギーを表します。気象庁の日射・積算量の説明
| 単位 | 何を表すか | 確認する条件 |
|---|---|---|
| W/㎡ | 日射の強さ。1W/㎡=1J/(s・㎡) | 瞬時値か、1分・10分・1時間などの区間平均か |
| MJ/㎡ | 単位面積当たりの放射エネルギー | 1時間積算、日積算、平均日量などの対象期間 |
| kWh/㎡ | MJ/㎡と同じく単位面積当たりのエネルギー | 比較するMJ/㎡と同じ期間・測定面か |
MJとkWhは『熱専用』『電気専用』という区別ではありません。日射エネルギーをどちらでも表せます。ただし、日射エネルギーのkWh/㎡と、太陽光発電設備が発電した電力量kWhは別の量です。面積や変換効率を無視して置き換えません。
測る向きも確認します。気象庁の全天日射は、水平面に入る直達日射の水平成分と散乱日射の合計です。傾斜したパネル面の日射や、太陽に正対した面の直達日射とは、同じMJ/㎡でも測定対象が違います。全天日射・直達日射・散乱日射の違い
関連用語・資料:https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/attach/pdf/index-64.pdf
3.6は、1時間=3600秒から導けます。1kWh=1000W×3600s=3600000J=3.6MJです。したがって面積当たりでも、1kWh/㎡=3.6MJ/㎡となります。
| 変換 | 式 | 例 |
|---|---|---|
| kWh/㎡からMJ/㎡ | kWh/㎡×3.6 | 2.5×3.6=9MJ/㎡ |
| MJ/㎡からkWh/㎡ | MJ/㎡÷3.6 | 18÷3.6=5kWh/㎡ |
| 区間平均W/㎡からMJ/㎡ | 平均W/㎡×区間の秒数÷1000000 | 500W/㎡が1時間の平均なら1.8MJ/㎡ |
| 区間平均W/㎡からkWh/㎡ | 平均W/㎡×区間の時間数÷1000 | 500W/㎡が1時間の平均なら0.5kWh/㎡ |
一定値の仮例として、500W/㎡が2時間ずっと続く場合は、500×7200÷1000000=3.6MJ/㎡=1kWh/㎡です。実際の日射は変動するため、『正午に500W/㎡だった』『日照時間が2時間だった』という情報だけでは、この計算はできません。単位関係と時間積算の考え方は同じですが、入力に使う平均値が必要です。気象庁の積算量の説明
関連用語・資料:https://www.lucis-sensor.com/technical/unit-conversion.html
変動する日射を積算するには、各区間の平均日射強度にその区間の秒数を掛けて合計し、1000000で割ります。区間ごとの平均値をI、区間秒数をΔtと書けば、MJ/㎡=Σ(I×Δt)÷1000000です。
| 計算方法を示す仮の記録 | 区間平均 | 時間 | 区間エネルギー |
|---|---|---|---|
| 第1区間 | 200W/㎡ | 10分=600秒 | 0.12MJ/㎡ |
| 第2区間 | 800W/㎡ | 10分=600秒 | 0.48MJ/㎡ |
| 第3区間 | 500W/㎡ | 10分=600秒 | 0.30MJ/㎡ |
| 30分の合計 | 等時間なので平均500W/㎡ | 1800秒 | 0.90MJ/㎡=0.25kWh/㎡ |
この表は実測データではなく、区間平均を使う計算例です。もし200・800・500が各時刻の単発の瞬時測定値なら、区間中を代表する平均値とは限りません。隣接する点の平均に時間差を掛ける台形近似などを使う場合も、測定点の間の変化を近似していると明記します。
実在する変動測定の例では、農研機構が2010年に愛媛県久万高原町・山口県萩市・広島県神石高原町の温室内外の日射を1秒間隔で測り、10分平均値を解析に使っています。『10分ごとに瞬時値を1個読む』のではなく、『細かく測った値を10分単位に平均する』方法です。2013年公表資料・14頁の計測方法とデータ処理
同研究の2010年7月1~21日の屋外日積算日射量の期間平均は、久万高原町10.8MJ/㎡、萩市15.2MJ/㎡、神石高原町14.7MJ/㎡でした。換算すると1日当たり平均3.00、約4.22、約4.08kWh/㎡です。これは実測された変動日射を集計した比較で、21日間の総量でも、全国共通の標準日量でもありません。同資料・16頁
正しい1時間平均値が得られていれば、雲で日射が変わっていても『平均W/㎡×3600秒』で、その1時間のエネルギーを求められます。失敗するのは、単発の値を1時間平均と思い込む、欠測をゼロにする、区間の重複や時刻のずれを放置する場合です。確認順序は、列の単位、瞬時か区間平均か、区間長、時刻の意味、欠測・品質情報です。
屋外の日射量をハウス内へ適用するには、単位換算とは別に透過率が必要です。同じ期間・同じ向きで測った内外の積算値なら、『期間透過率=屋内積算量÷屋外積算量』で求められます。屋外18MJ/㎡に期間透過率0.70を仮定する計算は、屋内12.6MJ/㎡=3.5kWh/㎡です。0.70は計算用の仮定で、すべての施設に使える定数ではありません。
実測例では、農研機構は屋外の日射計を地表1.0~1.5m、屋内を床上2.0~2.5mの作物群落より上に置き、水平面全天日射を測りました。葉の下や通路など別の位置の値は、同じ『ハウス内』でも異なる対象です。被覆材を通過する光を調べるのか、群落内で葉が受ける光を調べるのかを決めて、センサーの高さと位置を記録します。計測位置と測器・14頁
透過率を固定すると、遮光材の状態変化を見落とします。同研究の広島県神石高原町の温室Cでは、2010年6月29日にReduSol5kgを水16Lで希釈して屋根に吹き付けました。メーカー想定では20週間相当の条件でしたが、日射透過率は約0.6から約3週間で元の約0.8へ戻りました。研究者は資材が流れ落ちたためと考察していますが、近隣アメダスの日降水量との明確な因果関係は確認していません。処理条件・14頁、経過と考察・16~17頁
この約0.6・0.8は、11~13時の値から一時的な骨材の影などを避けるため最大透過率を抽出して評価した数値で、日積算透過率ではありません。日量を推定したい場合は日積算の内外比を測り直します。屋根材の公称透過率、正午付近の透過率、群落上の日積算透過率を混用しないことが対処になります。論文にない再塗布や回復操作の後日談は付け加えません。透過率の抽出条件・14頁
PAR、PPFD、DLIも分けます。従来のPARは400~700nmの光合成有効放射を指し、その範囲の光子数を単位面積・単位時間当たりで表すのがPPFDです。400~750nmを対象とするePARとは測定範囲が違います。Apogeeの測定範囲の説明
全天日射W/㎡からPPFDへの換算には、全日射のうちPARが占める割合と、そのスペクトルに応じたエネルギーから光子数への換算が必要です。自然光か補光LEDか、被覆材や遮光材を通った後かを特定しないまま、一律に2.0や2.1を掛ける処方にはしません。赤青LEDなどではセンサーの分光応答による誤差も変わるため、必要な測定範囲と光源に対応した光量子センサーで確認します。光源とセンサーの分光応答
PPFDの区間平均が得られた後の時間積算は明確です。DLI[mol/㎡/日]=Σ(平均PPFD[µmol/(㎡・s)]×区間秒数)÷1000000で求めます。例えばPPFD400µmol/(㎡・s)が12時間一定という仮例なら17.28mol/㎡/日です。これは全天日射からの推定係数とは別の、測定済みPPFDを積算する計算です。

レインボー薬品 除草剤 ネコソギトップF粒剤 3kg 長期間持続表計算では数値だけでなく、地点、対象面、要素名、期間、単位、瞬時値か区間平均か、欠測・品質情報を列として残します。気象庁の『全天日射量』も、日別値なのか月の平均日量なのかを表題と解説で確認します。
| データの種類 | 意味 | 換算・比較時の扱い |
|---|---|---|
| ある日の全天日射量 | その日1日の積算エネルギー | MJ/㎡÷3.6で、その日のkWh/㎡ |
| ある月の平均日量 | その月の日積算量を平均した値 | 3.6で割った後も平均日量。月合計ではない |
| 月積算量 | 対象月の各日の日積算量の合計 | 欠測がなければ平均日量×日数。欠測時は観測日数と品質条件を確認 |
| メッシュ平年値2020の全天日射量 | 1991~2020年を統計期間とする平年値で、日積算量の月・年平均 | 特定年・特定日の実測値と区別する。年平均日量も年間総量ではない。要素の定義統計期間 |
| 日照時間 | 時間hで表される別要素 | MJ/㎡やkWh/㎡に単純換算しない。日照時間と全天日射量の区別 |
例えば、欠測のない30日間について平均日量が15MJ/㎡だったという仮例なら、平均日量は約4.17kWh/㎡、30日間の合計は450MJ/㎡=125kWh/㎡です。平均日量をそのまま月の総量として記録しないでください。
気象庁の専用の日射・赤外放射TXT月表を使う場合は、その資料専用の形式にも注意します。2024年4月以降の形式は、日本標準時の正時までの1時間積算値を使い、数値の小数点が省略されます。月平均は、欠測・資料不足日を除いた日積算量の合計を観測日数Nで割ります。ただし、この月表の対象要素は直達日射・散乱日射・下向き赤外放射であり、別の全天日射表へ同じファイル仕様を当てはめません。気象庁のデータフォーマット
前年と比較するときは、同じ地点・測定面・対象月日・集計方法・欠測条件をそろえます。日射量の差だけから灌水量を同率で変更するのではなく、単位計算の結果と栽培上の判断を分けて記録します。