青年等就農計画記入例と認定要件から支援制度まで

新規就農を目指す方にとって必須の青年等就農計画。記入例を参考に作成ポイントや認定要件、利用できる支援制度まで詳しく解説します。あなたも認定新規就農者として農業経営を始めてみませんか?

青年等就農計画記入例と作成ポイント

📋 青年等就農計画のポイント
認定要件

5年後の農業所得250万円以上、年間労働時間1,800~2,000時間が目標

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支援制度

無利子融資や経営開始資金、機械導入支援など充実した支援が受けられる

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記入項目

就農地、営農類型、経営規模、生産方式、資金計画を具体的に記載

青年等就農計画の基本的な記入例と構成

 

青年等就農計画認定申請書は、新規就農者が将来の農業経営ビジョンを示す重要な書類です。申請書には、申請者の氏名・住所・生年月日、就農地の所在地、就農形態(新規開始、新部門開始、経営継承)を記載します。就農地の欄には「出雲市(○○)」のように地域名を加え、就農予定地の場合は(予定)と明記する必要があります。

 

参考)https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/attach/pdf/nintei_syunou-11.pdf

計画書の中核となるのが「将来の農業経営の構想」欄で、この部分は認定において最も重視される箇所となっています。どのようにして目標所得を目指すのか、販売方法、技術向上、農地の集積計画など、ご自身の農業経営の構想を細かく記載することが求められます。記入例としては「農業技術の向上のために○○○○等を行うとともに、×××を行う。また施設・機械の導入により効率的で、健全な経営を目指す」といった具体的な表現が効果的です。

 

参考)https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1507094360260/files/kinyuurei_sinnseisyo.pdf

農林水産省の青年等就農計画認定申請書の記入イメージ(基本的な申請書の様式と記入方法の参考資料)

青年等就農計画における目標所得と労働時間の記入方法

年間農業所得と年間労働時間の設定は、認定を受けるための重要な基準となります。5年後の目標として、主たる従事者1人当たりの年間農業所得は概ね250万円以上であることが必要です。夫婦による共同経営の場合は330万円以上の設定が求められます。所得金額の算出根拠資料として、別途「事業計画書」の添付が必要となる点に注意しましょう。

 

参考)https://www.city.gojo.lg.jp/material/files/group/27/syuunoukeikakunintei_shinseisyo_kinyuurei.pdf

年間労働時間については、主たる従事者1人分を記入し、概ね1,800時間から2,000時間の範囲内で設定します。現状欄には、経営を開始していない場合は就農1年目の見込みを記載し、既に経営開始している場合は計画作成時点の前年の状況を記載します。目標欄は経営開始後概ね5年後に達成すべき農業経営の目標を記載することになっており、実現可能性を考慮した現実的な数値設定が重要です。

 

参考)青年等就農計画の作成 - 農なび青森

青年等就農計画の農業経営規模と生産方式の具体的記入内容

経営規模に関する目標では、作付面積や飼養頭数、作業受託面積を作目別に明記する必要があります。現状と目標を比較できるよう、表形式で整理します。例えば、所有地と借入地を分けて「畑 出雲市(○○)○○a」のように記載し、面積は「a」または「ha」、生産量は「kg」または「t」で表記します。

 

参考)青年等就農計画の認定申請について

生産方式に関する目標では、機械・施設の型式、性能、規模ごとに台数を記載します。ハウスの場合は「○a(△m×△m)3棟 平成●年●月」といった具体的な記載が求められます。賃借、リース、レンタル、共同利用等による場合は、その旨を必ず記載してください。また、補助事業の利用や青年等就農資金の活用予定がある場合も、資金調達方法として明記することで計画の実現可能性を示すことができます。

 

参考)https://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/024/534/R3kinyurei2.pdf

青年等就農計画の認定審査と市町村への申請手続き

青年等就農計画の認定は、就農予定の市町村に申請書類を提出することから始まります。申請前には、必ず市町村や都道府県の普及指導センター、農業大学校などの指導機関に相談することが重要です。要件等の確認があるため、申請様式の作成前に必ず市町村等に御相談ください。

 

参考)認定新規就農者制度について:農林水産省

市町村は提出された計画を審査し、認定審査会を開催します。審査では、計画が市町村の基本構想に照らして適切であること、計画達成の見込みが確実であることが確認されます。認定後は、市町村から申請者に通知され、認定新規就農者として経営指標に基づく自己チェックを毎年行い、チェック結果を市町村へ提出する必要があります。市町村は報告を踏まえ、計画達成のためのフォローアップを必要に応じて行います。

 

参考)青年等就農計画認定制度(認定新規就農者制度) - 群馬県ホー…

糸島市役所の青年等就農計画認定制度のページ(申請書の様式と記入例がダウンロード可能)

青年等就農計画作成時の資金計画と機械導入の記載ポイント

資金計画の記載は、農業経営を始めるにあたって非常に重要な部分です。施設・機械の導入計画では、ハウスや農業機械の種類、規模、導入時期、資金調達方法を具体的に記載します。例えば「ハウス ○a(△m×△m)2棟 平成●年●月 補助事業希望、青年等就農資金」といった形式で記入します。

 

参考)農業の「青年等就農資金」の手続き | 農業の申請手続き安心代…

青年等就農資金は、認定新規就農者が利用できる無利子融資制度で、農業生産用の施設・機械のほか、農産物の処理加工施設や販売施設、家畜の購入費、果樹や茶などの新植・改植費も対象となります。運転資金も借入対象となるため、計画書には「運転資金 平成●年●月 青年等就農資金」と記載することができます。就農の初期段階は経営開始に多額の経費がかかることや技術がまだ十分でないことから、一般的な農家の収量や販売単価をそのまま使うのではなく、現実的な数値でゆとりのある計画を作成することが大切です。

 

参考)青年等就農資金|日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の青年等就農資金のページ(融資対象となる施設・機械の詳細情報)

 

 


農業は計画が9割: 農業経営セミナー実況中継 入門編