農業現場で多い「交換したのに送れない」トラブルの大半は、ラベルの通し方(ルート)か、送りピンとのズレで起きます。SATO SPの取扱説明書では、ラベルケース(右)を開け、ラベル先端から15枚程度引き出し、カット目で先端をきれいに切る手順が明示されています。さらにラベルルート図どおりに通し、ラベルおさえの内側へ通す点が重要です。
次に、プラテンを閉じた状態でグリップ操作を2~3回行い、ラベルが送り出されることを確認します。送り出されない場合は「⑤からやり直し」とされているため、無理に握り続けず、一度戻ってルートを作り直す方が結果的に早いです。最後に、ハンドラベラーを逆さにしてラベルをプラテン先端から折り返し、ラベルのスリットを送りピンに合わせたうえで下蓋を確実に閉じる、という流れが基本動作になります。
農産物の出荷・選果では、ラベル台紙の静電気や粉じんで先端が丸まりやすいので、先端は「まっすぐ+カット目で切る」を徹底すると通りが安定します(力任せに押し込むと、送りピンとの噛み合いが一段ズレて、途中で斜行しやすくなります)。また、後部にはみ出した余分な台紙は、本体のカッターに「しっかり押し付けながら切り取る」とされており、台紙が長く残るほど引っ掛かり原因になるので、交換直後に切っておくと事故が減ります。
参考:ラベルのセット手順(①~⑨)と、送りピン合わせ/台紙カット方法の根拠
https://www.sato.co.jp/products/handlabeler/sp/pdf/sp_instruction.pdf
印字が薄くなったら、インクロールを「補充」ではなく、交換式ローラーとして交換するのがメーカー前提です。SATO SPの取扱説明書では、グリップを握ってインキローラーホルダーを前に出し、つまんだ後、インキローラー枠ごと矢印方向にずらして外し交換する、と説明されています。さらに「表示がないインキローラーを使用すると故障の原因」と明記されているため、互換ローラーや染み込ませ系の運用は避けた方が安全です。
現場運用のコツとしては、ラベル交換とインクロール交換を同じタイミングに寄せないことです。両方同時に触ると「薄いのはローラーか?通し方か?」の切り分けが遅れ、出荷直前の焦りにつながります。おすすめは、印字が少しでも甘くなった段階でインクロールだけ先に交換し、ラベルは残量が少なくなったタイミングで交換する、という分離運用です。
また、インクロール交換後は、いきなり本番ラベルを貼らずに「2~3回握って捨てラベルを出す」運用が安定します。理由は、交換直後はローラーと印字ゴム(印字ツマミ側)の接触状態が馴染んでいない場合があり、最初の数枚が薄かったりムラが出たりすることがあるためです(特に寒い作業場で顕著です)。
「印字がラベルのロゴにかかる」「日付が枠からはみ出す」といったズレは、ラベル通しを直しても解決しないケースがあります。SATO SPの取扱説明書では、印字の位置がロゴなどにかかる場合、左右の印字固定ネジを+ドライバーで緩めると、長穴の範囲で印字位置の調整が可能とされています。ここは“交換やり方”の盲点で、交換作業ではなく調整作業で直る代表例です。
農業用途では、同じラベルサイズでも「仕入れロット違い」「糊の強さ違い」「台紙の硬さ違い」で送り量がわずかに変わり、結果として印字位置が気になり始めることがあります。ズレが出たら、まずは印字固定ネジの調整範囲(長穴)で中心に戻し、その後にラベルの通りを再確認すると、手戻りが少ないです。
注意点として、ネジを緩めすぎると作業中の振動で位置が動く可能性があります。調整後は、数枚テストして「同じ位置で連続して出る」ことを確認し、最後にネジを確実に締め戻してください(締め戻し忘れは、現場で地味に多い再発原因です)。
交換を正しくやっても「送りが重い」「印字が汚い」「貼付時に変な抵抗がある」場合、原因が糊とほこりの蓄積にあることが少なくありません。SATO SPの取扱説明書でも、長期間使用するとラベルの糊やほこりが付着して故障原因になるため定期清掃が必要、とされています。さらに清掃時は、シンナーやトロール等の樹脂を溶かす薬品は絶対に使用せず、アルコールを使用するよう明記されています。
清掃の実務ポイントは「糊が柔らかいうちに取る」ことです。出荷の繁忙期に一気に貼ると、プラテン周辺に糊が薄く広がり、乾くとホコリを抱き込んで固着しやすくなります。休憩タイミングで、アルコールを含ませた布や綿棒で、ラベルが擦れる部位(プラテン周辺、ラベルルートの接触点、下蓋付近)を軽く拭くだけでも、翌日の送り不良が減ります。
意外な盲点は「保管場所」です。ハンドラベラーは軽量化のためプラスチックを多用しており、高温にさらすことを避ける注意があるので、直射日光の当たるハウス内や車内放置は避け、日陰の定位置に戻す方がトラブルが減ります。農場の作業場は粉じんが多いので、保管時に簡単な袋やケースに入れるだけでも、糊+ほこりの固着ペースが落ちます。
検索上位は交換手順の解説が中心ですが、農業では「交換の正しさ」より「貼り間違いが出ない流れ」を作る方が、実害(クレーム・再選別・再包装)を抑えられます。具体的には、ラベル交換直後は設定ミス(品目、日付、等級)と印字ムラが同時に起きやすいため、最初の5枚は“検品用”として捨て貼り(段ボールや台紙に貼る)に回し、目視確認してから本番に入る運用が効きます。これだけで、出荷場での「貼った後に気づく」を減らせます。
また、作業者が複数いる現場では、ラベラー本体ごとに用途を固定すると事故が減ります。たとえば「日付用」「価格用」「等級用」を分け、交換(ラベル・インクロール)のタイミングも用途ごとに管理すると、交換時に設定を触る回数が減り、設定ミスの確率が下がります。取扱説明書にも“指定サプライの使用”が求められているため、用途固定は「ラベル種類の取り違え防止」にもつながります。
最後に、印字が商品へ転写する注意も見落としがちです。取扱説明書では、軟質塩ビ製品や木製品に直接貼るとインキが転写する場合がある、また貼付直後にインキが乾ききっていない場合は触れると付着することがある、と注意されています。収穫物の袋や資材によっては転写しやすい素材があるので、乾燥時間を見込んで「貼ったらすぐ重ねない」「擦れやすい面は避ける」など、貼付後の扱いまで含めて手順化すると、交換作業の価値が最後まで活きます。

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