実は、枝吊りの紐を強く引きすぎると翌年の収量が約3割落ちることがあります。
枝吊りとは、果樹の主枝・側枝を狙いの角度に固定して誘引する作業です。 枝を水平に近い角度に引き下げると、枝内の栄養の流れ(養分の偏り)が変わり、花芽の着生が促されます。 つまり、結び方・固定の強さ・角度の3つがセットで収量を左右するということですね。agri.mynavi+1
結び方が緩すぎると枝が元に戻り、誘引の意味がなくなります。逆にきつく縛りすぎると樹皮を傷め、そこから病害が入ることがあります。 樹皮を潰さない程度にしっかり固定するのが原則です。
参考)https://www.pref.iwate.jp/agri/_res/projects/project_agri/_page_/002/010/730/yuz.pdf
枝吊りに使う主な資材には以下のものがあります。
参考)https://blog.goo.ne.jp/nekogatame/e/c708c8194ce5ee12af5e33266cefc065
まず見落とされがちなのが、枝の分岐部(股の部分)の固定です。 分岐部は枝を引っ張ったときに最も裂けやすく、誘引前にマイカ線を「8の字」に巻いて固定するのが正しい順序です。これが条件です。
8の字固定の手順は以下の通りです。
次に枝への紐の結び方ですが、「とっくり結び(徳利結び)」が冬囲いや太枝の吊りでよく使われます。 とっくり結びは1回輪を通した後に輪っかを残して半固定することで、後から長さ調整ができる点がメリットです。
細い枝にはマイカ線を引っ掛けて固定するだけでも十分なケースがあります。これは使えそうです。
誘引角度は樹種によって異なります。角度が目的です。 同じ「枝吊り」でも、リンゴとブドウでは適切な主枝の角度がまったく違うため注意が必要です。agri.mynavi+1
| 樹種 | 推奨誘引角度 | 主な目的 |
|---|---|---|
| リンゴ | 45〜60度(水平寄り) |
花芽形成の促進・着果数の増加 |
| サクランボ | 分岐部は水平〜やや下向き | 側枝の確保・品質向上 |
| ブドウ | 結果母枝をワイヤーに沿って水平固定 |
棚面への均一配置 |
| マンゴー | 花軸を上方に吊り上げ | 日光確保・花軸倒れ防止 |
リンゴでは、主枝の先端が切り詰められることで横に伸びる側枝の角度が広がり、生産性の高い結果枝が育ちます。 その後、適切な角度に誘引固定することで収量が安定します。
角度が急すぎる(垂直に近い)と徒長気味になり花芽が少なくなります。水平に近くしすぎると先端部が下がりすぎて枝の勢いが落ちすぎるリスクもあります。45〜60度が条件です。
最も多い失敗が「紐が細すぎて枝に食い込む」パターンです。生育期間中に枝は太くなるため、誘引した直後は余裕があっても秋には食い込んでいるケースがあります。厳しいところですね。
具体的なチェックポイントは以下の通りです。
雪害・強風での枝折れ対策として、折れた場合は「ボルトや縄で固定してシルバー系ビニールで保護する」方法が長野県農業試験場で推奨されています。 修復作業は複数人で行うこと。これは必須です。
サクランボの枝分岐部マイカ線固定について詳しく解説されています。
菱沼農園:マイカ線の結び方をしっかり取り付けて、おいしいさくらんぼ!
プロの農家の間で実践されているのが「ほどかずに長さ調整できる結び」です。 これは、花軸や枝が伸長するたびに結び直す手間を省くための工夫で、特にマンゴー栽培での頭上作業を大幅に減らせます。
手順は次のとおりです。
この方法の最大のメリットは、頭上での「結ぶ・ほどく」作業が最小限になること。これは使えそうです。特に果房・花軸が伸びる5〜6月に何度も吊り直す必要があるマンゴーや桃では、作業時間が体感で3〜4割短縮されると報告されています。
同様に、冬囲い(雪吊り)の枝結びでは「輪っかを残したとっくり結び」が解きやすく再利用しやすい点で現場のプロに支持されています。 縄が伸びたときも輪の部分を少しほどいて縛り直せるため、シーズン中のメンテナンスが容易です。
通常のひと結びやふた結びと比べて少し覚えるまでに時間がかかりますが、一度身につければ毎年の作業効率が変わります。結論は「長さ調整式の結び」一択です。
雪吊り・冬囲いでの枝の縛り方(とっくり結びの実演)はこちらで確認できます。
冬囲い 本吊り(雪吊り)の枝の縛り方【YouTube】
マンゴーの枝(花)吊り紐の結び方と長さ調整の工夫について詳しく解説されています。

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