チシマザサ見分け方と農地での正しい除去対策

チシマザサ(ネマガリダケ)の正確な見分け方を知っていますか?クマザサやチマキザサとの違いから、農地での除去適期まで、農業従事者が知っておくべき知識を徹底解説します。

チシマザサの見分け方と農地での正しい除去対策

葉に白い縁取りが出ているササは、チシマザサではなくクマザサです。


参考)東北森林管理局/チシマザサ


チシマザサの見分け方 3つのポイント
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茎の根元が弓状に曲がる

チシマザサの稈(かん)は根元付近で弓なりに曲がり、その後上方に立ち上がります。この特徴が「ネマガリダケ(根曲竹)」の名の由来です。

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葉に白い縁取りがない

クマザサと最も混同されますが、チシマザサは越冬しても葉の縁が白く枯れません。 葉は両面無毛でつやがあります。

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草高は最大3mに達する大型種

ササ類の中では最大級で、草高1.5〜3mになります。葉は長さ18〜22cm、幅3〜5cmの狭長楕円形。同じ農地で見かけるクマザサ(草高1〜2m)より明らかに大きくなります。

チシマザサの基本的な見分け方と形態的特徴



チシマザサ(学名:Sasa kurilensis)は、イネ科ササ属の中でも最大級の大型種です。 草高は0.5〜3mに達し、稈の直径は1〜2cmになります。


ここが基本です。


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葉は長さ18〜22cm、幅3〜5cmの狭長楕円形で、質が厚く革質。 表面はなめらかで光沢があり、裏面はやや灰白色を帯びます。両面ともに毛がないことも重要な識別ポイントです。つまり、さわってみてザラつきがなければチシマザサの可能性が高いです。


参考)https://love-evergreen.com/zukan/plant/7337.html


稈の最大の特徴は根元が弓状に曲がること。 これがネマガリダケ(根曲竹)という別名の由来です。農地周辺でこの曲がりのある大型のササを見かけたら、チシマザサを疑ってください。


これだけ覚えておけばOKです。



参考)ササ類


分枝のパターンも手がかりになります。1年生の稈ではほとんど分枝せず、2年目の稈の頂部で3〜5本の枝を出します。 上部だけに枝が密集しているのも目安の一つです。


参考)https://gkzplant.sakura.ne.jp/souhon2/shousai2/ta-gyou/ti/chisimazasa/chisimazasa.html


チシマザサとクマザサ・チマキザサの見分け方の違い

農地周辺で最も混同されるのがクマザサとチシマザサです。クマザサは草高1〜2m、葉幅4〜5cmと広く、葉の長さは20cmを超えますが、越冬した葉の縁が枯れて白い隈取り模様になるのが最大の特徴です。


チシマザサにはこの白い縁取りが出ません。



特徴 チシマザサ クマザサ
草高 1.5〜3m 1〜2m
葉の縁取り なし 越冬後に白くなる
茎の根元 弓状に曲がる まっすぐ
葉の質感 厚い革質・両面無毛 やや薄め
分布 日本海側・東北・北海道 全国的

チマキザサとの見分け方は、花序(かじょ)の位置が決め手になります。チシマザサは稈の上部から花序が出るのに対し、チマキザサ節は稈の根元付近から出ます。 葉に肩毛(かたげ)がよく発達しているのもチシマザサの識別点です。


参考)このササは何?『山地のササ』すべてクマザサではありません


意外ですね。農地でよく見る背の高いササが「クマザサだと思っていた」という農業従事者は少なくありません。秋冬に葉の縁をチェックするのが一番確実な確認方法です。


チシマザサの生育環境と農地への侵入パターン

チシマザサは北海道・東北地方から山陰地方の日本海側にかけて自生します。 特に積雪の多い地帯に適応しており、山地帯から高山帯の林内や林縁に大群落を形成します。 農地に隣接した山林や沢地が主な発生源です。botanica-media+1
根茎が網の目状に伸びる点が厄介です。 地下茎は密に分枝しながら横方向に広がり、農地の周囲から少しずつ侵入してきます。


刈り取っても根が残っていれば再生します。


これが条件です。


参考)チシマザサ(イネ科)|素人植物図鑑


地下茎による繁殖力が非常に高いため、早期発見・早期対処が損失を最小化するカギになります。農地縁部に高さ50cm以上の大型ザサを見つけたら、茎の根元の曲がりを確認してください。根元が弓状に曲がっていれば、チシマザサと判断して対処を検討する段階です。


参考:林野庁東北森林管理局によるチシマザサの生態情報(標準和名・分布・特徴を確認できます)
林野庁 東北森林管理局 - チシマザサ図鑑ページ

農業従事者が見落としやすいチシマザサ除去の適期と注意点

チシマザサの除去に最も適した時期は春の芽吹き直後(4〜5月)です。 この時期は地下茎の養分が新芽の成長に使われているため、地上部を刈り取ると地下茎へのダメージが大きくなります。


参考)(3)雑草害と防除適期


逆に、夏以降に刈り取るだけでは地下茎に十分な栄養が蓄積されてしまい、翌春の再生が旺盛になります。


痛いですね。


刈り取りのタイミングを誤ると、翌年の侵食範囲がむしろ広がるリスクがあります。


農地への侵入初期であれば、芽吹き直後の繰り返し刈り取り(年2〜3回)で徐々に弱らせることが可能です。 ただし、群落が大きくなっている場合は根ごとの除去が必要になります。根ごとの掘り取りには、ユンボ等の重機が必要なケースもあります。作業コストが1反あたり数万円規模になることも念頭に置いてください。


除草剤を使用する場合は、葉面から吸収されて根まで枯らすグリホサート系除草剤が有効です。ただし、農地周辺での使用は近隣農作物への影響がないよう、使用場所・時期・希釈濃度を農薬ラベルで必ず確認してください。


チシマザサのタケノコ(ネマガリダケ)を農業資源として活用する視点

チシマザサは農地害草である一方、タケノコ(ネマガリダケ)としての経済価値も持ちます。 東北地方では「タケノコといえばネマガリダケ」と呼ばれるほどの山菜で、5〜6月の最盛期には地元産直市場で安定した需要があります。


タケノコの部位は直径1〜1.5cm、長さ20cm程度。 油性マジックペンと同じくらいの太さで細長く、根本は赤紫色、皮は黒緑色をしています。


これは使えそうです。


食味はタケノコに近く、コリコリした食感で歯ざわりがよいのが特徴です。


参考)ネマガリダケとは?味はタケノコ?山菜としての特徴や食べ方を紹…


農地に隣接した山林にチシマザサが群生している場合、適切に管理しながらタケノコを収穫・販売するという活用策もあります。稈は農作物の支柱や竹細工の材料にもなります。 一方、農地本体への侵入は収量低下につながるため、境界の管理は定期的に行うことが原則です。


参考)チシマザサ - Wikipedia


なお、チシマザサの花は60年に一度しか咲かないといわれています。 群落全体が一斉に開花・結実したあと枯死するため、大規模群落が突然消えることもあります。ただし、これは極めてまれなケースなので、通常の管理・防除対策を怠らないようにしましょう。


参考:ネマガリダケの食べ方・特徴・採取方法についての詳細解説
Botanica - ネマガリダケ(チシマザサ)の特徴と食べ方
参考:農業害草としてのササ類の防除情報(除草適期・薬剤情報を確認できます)
農業害虫・病害防除情報 - ササ類の防除ガイド






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