満開になってからジベレリン処理をしようとすると、シャインマスカットは粒が落ちて収量が2〜3割減ることがあります。
ジベレリン処理の1回目は、主に「種なし化(無核化)」と「着粒の安定」を目的とした作業です。 ジベレリンは植物体内にもともと存在するホルモンで、これを人工的に外から与えることで、受粉・結実のプロセスに介入します。store.tanaka-grape+1
つまり、種なし果実を作るための核心作業がこの1回目です。
2回目の処理は主に「果粒の肥大促進」が目的ですが、1回目の時期を外すと種が残ったり、着粒が不安定になったりといった問題が起きます。 1回目は2回目と比べてタイミングが厳しく、少しのズレが仕上がりに大きく影響します。
参考)種無しぶどうを作る『ジベレリン処理』とは?ジベレリン処理の基…
実際、タイミングが早すぎると棘状の枝(トゲ果)が発生し、遅すぎると種なしにならないリスクがあります。 「なんとなく花が咲いたから処理した」という感覚的な判断は、一房あたりの商品価値を著しく下げる原因になります。
参考)種なしぶどうを作るジベレリン処理とは?時期や天気などを解説!…
品種によって、1回目の適期はまったく異なります。これが原則です。
主要品種の1回目処理タイミングをまとめると以下のとおりです。farm.sr2+2
| 品種 | 1回目タイミング | ジベレリン濃度 |
|---|---|---|
| デラウェア | 満開12〜14日前(開花前処理) | 100ppm |
| 巨峰・ピオーネ | 満開〜満開3日後 | 25ppm |
| シャインマスカット | 満開前〜満開時(満開待ち厳禁) | 25ppm |
| ナガノパープル | 満開〜満開3日後のなるべく遅いタイミング | 25ppm |
デラウェアだけは「満開前」に処理する特殊な品種です。 他の品種と同じ感覚で「花が咲いてから処理すれば良い」と考えていると、完全に適期を外すことになります。
参考)ぶどう|果樹管理一覧|生産者のみなさまへ|JA全農ふくれん
シャインマスカットも注意が必要で、満開まで待つと落蕾が起きることがあります。 花房の状態を毎日確認し、「開花が始まったら即対応」の体制を整えておくことが重要です。
参考)動画のまとめノート:1回目のジベレリン処理(ぶどうの栽培入門…
処理の前日に済ませておきたい作業があります。これは使えそうな知識です。
特に重要なのが「花カス(花冠)落とし」です。 花冠が残ったままジベレリン液を浸漬すると、液が花冠の内側に溜まります。これが原因でサビ症状や裂果につながるリスクがあります。
前日までに済ませておきたい4つの作業は以下のとおりです。
前日に道具を準備しておけば、当日は「適期を見極めて素早く処理する」ことだけに集中できます。
一点注意が必要なのは、調製したジベレリン液は当日中に使い切ることです。余ったジベレリン液を翌日以降に再利用すると、濃度や活性が変化しており効果が保証されません。 使う分だけ都度作るのが基本です。
溶液の作り方は品種・目的によって変わります。巨峰系やシャインマスカットでの標準的な1回目の液は以下のとおりです。
アグレプトを加えることで、無種子化の確率が安定するというメリットがあります。 ただし3倍体品種(BKシードレスなど)はアグレプト未使用が推奨されることもあるため、品種ごとの登録内容と普及指導員の指示に従ってください。
フルメットを加えると処理適期の幅が広がるため、農繁期でスケジュールを合わせにくい場合に有効です。 「2日後が雨だから今日やるしかない」という状況でも、フルメット入りの液であれば若干のズレをカバーできます。
住友ジベレリン水溶剤の製品情報・使用基準は以下の公式ページで確認できます。処理濃度と浸漬時間の登録内容も掲載されています。
処理当日の天気・気温の選び方を間違えると、同じ適期でも効果が下がります。
処理に適した気象条件は以下のとおりです。www1.pref.shimane.lg+1
30℃を超えた高温管理の状態では新梢の生育が過旺盛になり、結実や無核果の形成に悪影響を及ぼすことが島根県農業技術センターの指針でも示されています。 高温の日に「今日しか時間がない」と強行するより、翌朝の涼しい時間帯を狙う判断のほうが賢明です。
参考)島根県:ジベレリン処理の留意事項(トップ / 農業技術センタ…
処理後は、浸漬した房をよく振り落とすことが重要です。 液が溜まったままだとサビ・裂果の原因になります。
品種ごとの適期幅や、フルメット添加による適期拡大など、現地の栽培指導員に確認しながら自園の品種に合ったプロトコルを確立することが、長期的な品質安定につながります。
島根県農業技術センターのジベレリン処理留意事項(温度管理・浸漬適期など)はこちらから確認できます。
「2回やらなくても1回で効果は変わらなかった」という事例が農業専門誌『現代農業』で紹介されています。 これを「ジベレリン一発処理」といい、作業工程の省力化として注目されています。
ただし一発処理はすべての品種・栽培環境で推奨されるものではありません。これが条件です。
一発処理が試みられている条件の例は以下のとおりです。
一発処理では、満開時に種なし化と粒肥大の両方を兼ねた濃度で処理します。通常の1回目(25ppm)とは液の設計が変わる場合があります。
導入を検討する場合は、まず一部の房だけで試験的に実施し、通常2回処理の房と収穫時に比較することが重要です。 全面切り替えは、複数年のデータを積み上げてから判断するのが安全です。
ジベレリン一発処理の詳細事例や他の農家の取り組みはこちらのサイトが参考になります。
種なしぶどうを作るジベレリン処理とは?時期や天気などを解説(のちくじょーにー)

ジベレリン 処理器 噴霧器 らくらくカップ2 【特大】(直径約13cm×深さ約24.3cm) ぶどうの ジベ処理 に 巨峰 デラウェア 【特大】 タ種DPZZ