夜冷処理 イチゴ 収量と品質を左右する温度管理の極意

イチゴの夜冷処理で「長く冷やすほど良い」と思っていませんか?実は逆効果になることもあるのです。なぜでしょうか?

夜冷処理 イチゴ 技術と成功のポイント


あなたの夜冷処理、3℃以下にしていませんか?それで苗が“凍み果”を起こしているかもしれません。

イチゴ夜冷処理の基本3ポイント
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設定温度より冷やしすぎに注意

3℃以下では花芽分化が遅れ、芽焼けのリスクも上昇します。

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夜冷期間は50日が目安

70日を超えると苗が弱り、収量が15%低下します。

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品種ごとの設定を守る

章姫と紅ほっぺは同じ温度条件では成果が逆になります。

夜冷処理 イチゴ の正しい温度設定と管理


夜冷処理の基本温度は「5~8℃」が適温です。ところが、冷えすぎを良しとする現場が多く、実際には3℃以下まで下げている農家も少なくありません。その結果、根の代謝が落ち、花芽形成が大幅に遅れてしまいます。冷やしすぎは品質低下を招きます。
たとえば福岡県苺研究会の調査では、夜冷3℃区と6℃区を比較した結果、3℃区の苗は花数が20%減少し、収穫果実の平均重量も約12gから9.8gへ低下しました。結論は、冷やしすぎを避け、日中との温度差を10℃以内に保つことです。
つまり“冷やすほど良い”ではなく、“冷えすぎ禁止”が原則です。
参考: 福岡県農林水産技術協会「イチゴ夜冷処理の温度管理指針」
福岡県農林水産技術協会 夜冷処理指針

夜冷処理 イチゴ の適切な期間とその理由


夜冷期間の最適値は「45~55日」です。長ければ良いというわけではありません。実際、70日以上処理を続けると苗の生育が鈍化し、葉面積が15%以上減少することが報告されています。期間を見誤ると苗が「疲労」します。
「夜冷処理」とは眠っている芽をゆっくり目覚めさせる技術です。いわば“仮眠”です。仮眠を長く取り過ぎると作業意欲(生育力)が戻らないのと同じ理屈です。50日前後が標準です。
結論は、60日を超えたら「冷却休止」を挟むことが安全です。つまり50日前後が基本です。
参考: 熊本県農業研究センター「イチゴ苗の夜冷処理期間と開花時期」
熊本県農業研究センター 夜冷処理期間データ

夜冷処理 イチゴ 品種別の最適条件


品種によって最適温度が異なります。「章姫」は6℃前後、「紅ほっぺ」は7~8℃で最も安定します。これを誤ると収穫タイミングが1週間ずれ、生産調整に影響が出ます。
たとえば静岡県農試のデータでは、章姫を7.5℃で処理した場合、芽出しは4日遅延し、収量が13%減少しました。一方、紅ほっぺを6℃で処理した場合、反対に果実の奇形率が上昇しました。つまり、品種で夜冷条件を分けるのが必須です。
これを把握している農家はまだ2割しかいません。つまりデータ管理が鍵です。
参考: 静岡県農林技術研究所「章姫・紅ほっぺの夜冷処理比較」
静岡県農林技術研究所 夜冷比較データ

夜冷処理 イチゴ 苗管理の盲点と失敗例


盲点は「湿度管理」です。夜冷庫内の湿度が60%以下になると、葉先枯れが発生し、苗の成長点がダメージを受けやすくなります。苗は呼吸しています。結露リスクを恐れて乾かしすぎると逆効果です。
2024年のJA全農調査によると、湿度を60~70%に維持した農家の方が、そうでない農家よりも初期収量が約18%多かったとの報告もあります。湿度を保つには保湿資材(湿度制御フィルムなど)の使用がおすすめです。
つまり“冷やすだけ”では不十分です。湿度管理が条件です。
参考: JA全農「夜冷処理と湿度制御によるイチゴ苗品質比較」
JA全農 夜冷湿度研究2024

夜冷処理 イチゴ における独自視点:電気代と省エネ制御


夜冷庫の電気代は1シーズンで平均12万円(容量3坪クラス)です。処理期間が60日を超えると電力消費が1.4倍に跳ね上がります。そのため、省エネ運転は大きな経営テーマです。
最近注目されているのが「AI温調制御ユニット」です。センサーで庫内外温度を解析し、夜間のみ必要分だけ稼働させる制御方式で、2025年導入農家では電気代を平均28%削減したデータがあります。
費用対効果は高く、初期導入費用は約9万円。2年以内で回収できる例もあります。省エネと品質を両立できます。つまり経営改善の手段です。
参考: 日本施設園芸協会「夜冷処理向けAI温度制御ユニット導入事例」
日本施設園芸協会 AI制御事例