食品加工機器の種類と選び方の完全ガイド
この記事でわかること
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6次産業化の加速
食品加工がもたらす収益向上、販路拡大、ブランド化の具体的なメリットを解説します。
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最適な機器の選定
野菜や果物など、加工したい農産物に合わせた最適な機器の種類と選び方がわかります。
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お得な導入方法
国や自治体の補助金制度を活用し、初期投資を抑えて機器を導入する具体的な方法を学びます。
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中古という選択肢
意外と知らない中古市場の現状と、賢く利用するためのメリット・デメリットを比較検討します。
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安全と信頼の確保
HACCPに対応した衛生管理の重要性と、対応機器がもたらす信頼性について理解を深めます。
食品加工機器の導入メリットと6次産業化への活用
農業従事者が食品加工機器を導入することは、単に作物を加工する以上の大きな可能性を秘めています。最大のメリットは、生産(1次産業)、加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)を一体的に行う「
6次産業化 」を加速させ、農業経営の収益性を飛躍的に向上させる点にあります。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
収益性の向上 : 生の農産物 として出荷するよりも、ジャム、ジュース、ドライフルーツ、漬物などに加工することで、付加価値が付き、販売単価を大幅に上げることができます。例えば、市場価格が低い規格外の野菜や果物も、加工品にすることで新たな価値を持つ商品に生まれ変わります。
販路の拡大 : 加工品は日持ちがするため、遠隔地への出荷や、ECサイトでの全国販売など、新たな販路を開拓しやすくなります。地域の特産品としてブランド化に成功すれば、道の駅や観光施設、さらには海外への輸出も視野に入ってきます。
雇用の創出 : 加工場の運営や商品の販売には人手が必要となるため、地域に新たな雇用を生み出し、地域の活性化にも貢献できます。
ブランド力の強化 : オリジナルの加工品は、生産者の顔が見える商品として消費者に安心感と信頼を与えます。SNSなどで商品のストーリーを発信することでファンを増やし、強力なブランドを構築することが可能です。
実際に、ミニ
トマト を生産する農家が乾燥機を導入し、ドライトマトとして販売したところ、収益が2倍になったという事例や、規格外のリンゴを使ってシードルを醸造し、国内外で高い評価を得ている事例など、成功例は枚挙にいとまがありません。食品加工機器は、天候や市場価格に左右されやすい農業経営を安定させ、より攻撃的な経営戦略を可能にするための強力な武器となるのです。
農林水産 省が推進する6次産業化の全体像や支援策については、以下の公式サイトで詳しく解説されています。
農林水産省:6次産業化とは
食品加工機器の野菜や果物向け種類と選び方のポイント
野菜や果物向けの食品加工機器は多岐にわたります。どの機器を選ぶかによって、作れる商品や事業のス
ケール が大きく変わるため、目的を明確にしてから選定することが極めて重要です。ここでは、代表的な機器の種類と選び方のポイントを解説します。
代表的な食品加工機器の種類
まずは、どのような加工をしたいのかによって、必要な機器の種類を把握しましょう。
機器の種類
主な用途
作れる商品例
スライサー・カッター
野菜や果物を一定の厚さや形に切る
カット野菜、サラダ、チップス
乾燥機(ドライヤー)
熱風や冷風で水分を飛ばし、長期保存を可能にする
ドライフルーツ、乾燥野菜、干し芋
ペースト加工機
野菜や果物をすり潰して滑らかなペースト状にする
ジャム、ソース、ピューレ、スムージー
ジューサー・搾汁機
果物や野菜から水分を絞り出す
フレッシュジュース、ストレートジュース
真空包装機
食品を真空パックし、酸化や菌の増殖を防ぐ
カット野菜、漬物、ソース類の長期保存
殺菌機
加熱や紫外線などで食品を殺菌し、安全性を高める
瓶詰、レトルト食品
失敗しないための選び方のポイント
高価な投資を無駄にしないために、以下のポイントを必ず確認しましょう。
✅ 処理能力 : 1日に加工したい原料の量(kg/日)や、1時間に処理したい量(kg/時)を明確にし、それに見合った能力を持つ機器を選びましょう。将来の事業拡大を見越して、少し余裕のあるスペックを選ぶのも一つの手です。
✅ サイズと設置場所 : 機器本体のサイズはもちろん、原料の搬入・搬出経路や作業スペース、清掃スペースを考慮して、設置場所に収まるかを確認します。電源の種類(100Vか200Vか)や給排水設備が必要かどうかも重要なチェック項目です。
✅ メンテナンス性 : 食品を扱う以上、衛生管理は絶対です。部品の分解や洗浄がしやすい構造になっているか、消耗品の交換は容易かなどを確認しましょう。特に複雑な構造の機器は、清掃に時間がかかり、生産効率を落とす原因にもなりかねません。
✅ アフターサービス : 故障した際の修理対応や、操作方法に関するサポート体制が充実しているメーカーや販売店を選びましょう。特に中古品の場合は、保証の有無が大きなポイントになります。
✅ テスト運用の可否 : 可能であれば、実際に加工したい農産物を持ち込んでテスト運用させてもらいましょう。仕上がりの品質や、実際の作業効率を確認することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
食品加工機器の導入に使える補助金と申請の注意点
食品加工機器の導入には多額の初期投資が必要となりますが、国や地方自治体が提供する補助金制度をうまく活用することで、負担を大幅に軽減することが可能です。これらの制度は、
農業 の競争力強化や地域の活性化を目的としており、積極的に活用すべきです。
代表的な補助金制度
農業従事者が食品加工機器の導入に利用できる可能性のある、代表的な国の補助金を紹介します。
ものづくり補助金 (ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金) : 中小企業や小規模事業者が、革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に取り組む際の設備投資などを支援する補助金です。食品加工による新商品開発は、この補助金の対象となりやすい代表的な例です。補助率や上限額は申請枠によって異なりますが、大きな支援が期待できます。
事業再構築補助金 : 新分野展開や事業転換など、思い切った事業再構築に挑戦する中小企業を支援する制度です。例えば、これまで農産物の生産のみだった農家が、新たに加工事業に乗り出すといったケースは、まさにこの補助金の趣旨に合致しています。設備投資費の多くを補助で賄える可能性があります。
農林水産省の各種補助事業 : 農林水産省では、「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」など、6次産業化を推進するための様々な補助事業を展開しています。これらの事業は、加工施設の整備や機器の導入を直接的な支援対象としていることが多いのが特徴です。
申請における注意点
補助金は申請すれば必ず採択されるわけではありません。以下の点に注意して、計画的に準備を進めましょう。
事業計画の重要性 : なぜその機器が必要なのか、導入することでどのように事業が成長し、収益が上がるのか、といった点を具体的かつ客観的なデータ(市場規模、販売予測、収支計画など)を用いて説得力のある事業計画書を作成することが最も重要です。
公募期間の確認 : 多くの補助金には公募期間が定められています。申請を検討している補助金の公式サイトを常にチェックし、締め切りに間に合うように準備を進める必要があります。
加点項目の把握 : 補助金の審査では、特定の要件を満たすことで評価が加算される「加点項目」が設定されている場合があります(例:経営革新計画の承認、パートナーシップ構築宣言など)。これらを事前に取得しておくことで、採択の可能性を高めることができます。
専門家の活用 : 事業計画書の作成や複雑な申請手続きに不安がある場合は、中小企業診断士や行政書士、商工会議所などの専門家に相談するのも有効な手段です。
補助金は、事業の未来を切り拓くための貴重な資金源です。情報収集を怠らず、万全の準備で臨みましょう。
ものづくり補助金の詳細については、中小企業庁が運営する以下のポータルサイトで最新情報が確認できます。
ものづくり補助金総合サイト
食品加工機器の中古市場の現状とメリット・デメリット
新品の食品加工機器は高価なため、初期投資を抑えたい場合に「中古」という選択肢が視野に入ってきます。意外と知られていませんが、食品加工機器の中古市場は活発であり、賢く利用すれば大きなメリットを享受できます。しかし、安易に飛びつくと後悔するリスクも潜んでいます。
中古機器を導入するメリット 💰
圧倒的な低コスト : 最大のメリットは価格です。新品の半額以下、場合によっては1/3程度の価格で手に入ることも珍しくありません。これにより、初期投資を大幅に抑え、資金を運転資金や他の投資に回すことができます。
短納期 : 新品の場合、受注生産で納品まで数ヶ月かかることもありますが、中古品は現物があるため、比較的短期間で導入が可能です。事業計画をスピーディーに進めたい場合に有利です。
旧型モデルの魅力 : 最新モデルは多機能化・複雑化している一方で、旧型モデルは構造がシンプルで頑丈、操作が簡単といったメリットがある場合があります。「特定の加工にしか使わない」といった目的が明確な場合、余計な機能がない旧型モデルの方がかえって使いやすいこともあります。
中古機器を導入するデメリットと注意点 ⚠️
故障のリスクと保証 : 最も懸念されるのが故障のリスクです。中古品はメーカー保証が切れていることがほとんどで、購入後の修理は自己負担となります。信頼できる中古業者から購入し、保証期間や修理対応の可否を必ず確認しましょう。
性能や衛生面の懸念 : 長年使用された機器は、モーターの劣化による性能低下や、部品の隙間に汚れが溜まっている可能性があります。特にHACCP対応が求められる現代において、分解洗浄がしにくい旧式の機器は衛生管理の面で大きなハンデとなることがあります。
消耗品や部品の入手難 : あまりに古いモデルだと、故障した際に交換部品がすでに生産終了しており、修理が不可能になるケースがあります。購入前に、主要な消耗品や部品の供給状況を確認しておくことが賢明です。
現物確認の重要性 : 写真だけでは状態を正確に判断することは困難です。必ず実物を確認し、可能な限り試運転させてもらいましょう。異音や振動の有無、操作パネルの反応、部品の摩耗具合などを自分の目で確かめることが、失敗を防ぐ最善の方法です。
結論として、中古機器は「安かろう悪かろう」のリスクを十分に理解し、信頼できる業者を見極める目を持てば、非常に有効な選択肢となります。特に、事業のテスト段階や、特定の単純な工程にのみ使用する機器を探している場合には、積極的に検討する価値があるでしょう。
食品加工機器のHACCP対応と衛生管理の重要性
2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者に対してHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が制度化されました。これは、農産物を加工して販売する農業従事者も例外ではありません。そのため、これから食品加工機器を導入する際には、HACCPに対応できるかどうかが極めて重要な選定基準となります。
HACCPとは?
HACCPとは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、食品の製造工程において、食中毒の原因となるような危害(Hazard)を分析(Analysis)し、それを管理するために特に重要な工程(Critical Control Point)を定めて監視・記録する衛生管理の手法です。従来の抜き取り検査とは異なり、製造工程全体を管理することで、製品の安全性を確保する考え方です。
HACCP対応機器が求められる理由
HACCPの考え方では、機器の洗浄・殺菌が不十分な状態は、製品への細菌汚染を引き起こす重大な「危害」とみなされます。したがって、使用する加工機器が衛生的に管理しやすい構造であることが大前提となります。具体的には、以下のような特徴を持つ機器がHACCP対応に適していると言えます。
分解・洗浄のしやすさ : 工具を使わずに簡単に部品を分解でき、隅々まで洗浄・殺菌できる構造であること。凹凸や隙間が少なく、汚れが溜まりにくいシンプルなデザインが理想です。
材質 : 食品に直接触れる部分には、錆びにくく、洗浄しやすいステンレス(特にSUS304やSUS316)などの素材が使用されていることが望ましいです。
温度管理機能 : 加熱殺菌や冷却工程がある場合、設定した温度を正確に維持し、記録できる機能が付いていると、HACCPの管理・記録が容易になります。
異物混入対策 : 機器の部品が破損して製品に混入するリスクを防ぐため、耐久性の高い部品が使われているか、また万が一の際に検知しやすい工夫がされているかもポイントです。
HACCP対応がもたらすメリット
HACCPに対応した機器を導入し、適切な衛生管理を行うことは、単なる義務を果たすだけではありません。
製品の安全性と信頼性の向上 : 衛生管理のプロセスを記録・可視化することで、製品の安全性を科学的に証明できます。これは、取引先や消費者からの信頼獲得に直結します。
クレームや事故の減少 : 危害を未然に防ぐ管理体制により、食中毒事故や異物混入などのクレームを大幅に減らすことができ、経営リスクの低減につながります。
販路の拡大 : 大手のスーパーや百貨店、海外への輸出など、取引基準が厳しい販路を開拓する際には、HACCPの導入が必須条件となるケースがほとんどです。
HACCP対応は、追加のコストや手間がかかるという側面もありますが、長期的に見れば、自社の製品とブランドを守り、事業を成長させるための不可欠な投資と言えるでしょう。
厚生労働省のウェブサイトでは、HACCP制度に関する詳細な手引書や解説が公開されています。
厚生労働省:HACCP(ハサップ)
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