農業用運搬車をジモティーなどの個人売買サイトで探す最大のメリットは、市場価格よりも圧倒的に激安で購入できる可能性が高いことです。農機具店の中古販売価格には整備費や利益が上乗せされていますが、ジモティーでは離農や倉庫整理を目的とした出品が多く、「処分できればいい」という理由で格安、あるいは無料で譲渡されるケースも珍しくありません。しかし、その価格だけで飛びつくのは危険です。まずは、自分の用途に合った足回りの種類と、適正な相場を理解しておく必要があります。
農業用運搬車の足回りには大きく分けて「タイヤ式」と「クローラー(キャタピラ)式」の2種類があり、それぞれ得意な地形と価格帯が異なります。
ジモティーで検索する際は、単に「運搬車」と入力するだけでなく、「クローラー」「ダンプ」「歩行型」「乗用型」といったキーワードを組み合わせることで、目的の車両を見つけやすくなります。特に「乗用型」は人気が高く、出品されるとすぐに商談が決まってしまう傾向にあります。
農機具買取の専門家による運搬車のメーカー別中古相場解説
参考)運搬車の中古相場|クボタやヤンマーなどメーカー別に分析 - …
リンク先では、クボタやヤンマーなどの主要メーカーごとの運搬車の中古相場が詳しく解説されており、適正価格の判断基準として非常に役立ちます。
ジモティーでの取引は基本的に「現状渡し(ノークレーム・ノーリターン)」です。購入後に不具合が見つかっても、返品や修理保証は期待できません。そのため、失敗しないためには現物確認(現車確認)が必須となります。写真だけでは分からないエンジンの調子やフレームの腐食具合を、自分の目と耳で確かめる必要があります。
特に注意して確認すべきなのは「エンジンの始動性」と「再始動性」です。出品者が事前にエンジンを暖機している場合、一発でかかっても信用できません。
また、車体のフレームや溶接部分に深い亀裂がないかもチェックしてください。特に過積載で使われていた車両は、フレームに金属疲労によるクラックが入っていることがあります。これは溶接機がないと修理できない重大な欠陥です。
農機具の個人売買でよくあるトラブル事例と対策
参考)農機具買取のトラブル事例と安心できる業者の選び方
リンク先では、農機具の個人売買における金銭トラブルや盗難品の確認方法など、実際に起きた事例を元にしたリスク対策が学べます。
中古の運搬車を購入する際、最も高額な消耗部品となるのがゴムクローラーです。新品に交換すると、左右で5万円〜10万円以上の出費になることもあります。そのため、現車確認では「ヒビ割れの深さ」と「芯金の露出」を確認します。表面の浅いヒビなら数年は持ちますが、内部のワイヤーが見えていたり、大きな亀裂が入っているものは、作業中に突然切断するリスクがあります。
あまり知られていませんが、クローラーの寿命は「張りの強さ(テンション)」の調整次第で大きく変わります。購入後、長く使うためには以下の整備知識が不可欠です。
| 状態 | 症状とリスク | 対策 |
|---|---|---|
| 張りすぎ | 走行抵抗が増え、ベアリングや軸受を痛める。ゴムが伸びて切れやすくなる。 | テンションボルトを緩め、適度な「たわみ」を作る。 |
| 緩すぎ | 走行中にクローラーが外れる(脱輪)。スプロケット(駆動輪)が空回りしてゴムの凸部を削ってしまう。 | テンションボルトを締め込み、規定の張りに戻す。 |
独自のメンテナンス視点:適正な「たわみ」の量
多くの機種では、クローラーを持ち上げた時、または中央部を押した時に 10mm〜15mm 程度のたわみがある状態がベストとされています。調整方法は機種によりますが、一般的には以下の手順で行います。
また、転輪(ローラー)にあるグリスニップルへのグリスアップも忘れてはいけません。ここが錆びついて固着すると、クローラーがスムーズに回転せず、偏摩耗の原因となります。ジモティーで買った中古機は、前の持ち主がメンテナンスをサボっていた可能性が高いため、使用前に必ずこの「張り調整」と「グリスアップ」を行うことが、失敗しない運搬車運用のコツです。
農機用クローラーの交換方法と張り調整の技術ガイド
参考)農機用クローラーの交換方法 【通販モノタロウ】
リンク先では、初心者にはハードルが高いクローラーの交換手順や、メンテナンスに必要なたわみ調整の具体的な方法が図解付きで解説されています。
ジモティーでの取引において、最もトラブルになりやすいのが「配送」と「受け渡し」です。農業用運搬車は小型のものでも100kg以上、乗用型なら数百kgの重量があります。軽トラックに積載できるサイズであっても、積み込みにはアルミブリッジ(歩み板)が必須です。
よくある失敗が、「大人2人で持ち上げられると思った」という誤算です。運搬車は持ち手がない上に重量バランスが悪く、人力での積み込みは腰を痛めるだけでなく、落下事故に繋がり非常に危険です。出品者がブリッジを持っているとは限らないため、引き取りに行く際は必ず自分で以下の準備をする必要があります。
また、遠方から購入する場合、陸送業者に依頼すると「基本料金+距離料金」がかかり、車両価格よりも送料の方が高くなるケースが多々あります。ジモティーは「地元での取引」を前提としているため、原則として自分で引き取りに行ける範囲で探すのが鉄則です。
もし配送を依頼する場合は、大手の宅配便(ヤマトや佐川)では扱ってもらえないことがほとんどです。「西濃運輸」などのパレット輸送対応の業者を使う場合でも、営業所止めとなることが多く、結局は営業所まで軽トラで取りに行かなければなりません。
さらに、購入後のトラブルを避けるため、譲渡証明書の作成をおすすめします。特に農機具は盗難被害も多いため、前の持ち主が正規の所有者であることを確認し、万が一盗難品だった場合に備えて、相手の住所・氏名・電話番号を控えておくことが自衛手段となります。
中古農機具を売買する際の運搬交渉と注意点
参考)草刈機(刈払機)の中古を買いたいときは?売りたいときは?
リンク先は草刈機の事例ですが、重量のある農機具を個人間でやり取りする際の運搬費用の交渉術や、引き渡し時の注意点が詳しく書かれており、運搬車にも応用できます。

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