あなたの二本仕立て、実は一本より収量が3割落ちているかもしれません。
「主枝と一本の脇芽を伸ばす」という教本的な方法、実は万能ではありません。愛知県農業総合試験場の実験では、一本主枝+二次脇芽(第3花房下)を利用した株のほうが、平均果実数が28%多いという結果が出ています。
つまり、どの枝を残すかで1株あたりのお金が変わります。一本当たりの実付きが減っても、総果数で収入差2万円の違いが出る例もあります。意外ですね。
枝を決めるとき、株の「風通し」を優先するのがコツです。病害の発生を防げるからです。風通しが条件です。
この基準を現場で簡単に測るには、両手を株の間に入れて風を感じる確認法があります。これなら違反になりません。
JA全農の資料でも、病害抑制の第一条件は通風と記されています。
二本仕立てでは、支柱の角度と間隔が生育を左右します。多くの農家が90cm間隔で立てていますが、岐阜県の現地試験では75cm間隔の斜め支柱の方が収穫期が平均3日早まると報告されています。
理由は光の回り方。枝が互いに日陰を作らないため、花芽が均一に成長するのです。つまり光が基本です。
支柱を垂直から外側へ5度傾けるだけで、下段の果実の甘みが0.3度上がるという数値も示されています。いいことですね。
ただし、支柱の固定が甘いと台風時に根鉢が揺れて収量が4割減することがあります。そんな時は片側にテンションワイヤーを張ると安定します。支柱管理に注意すれば大丈夫です。
水やりの常識にも落とし穴があります。多くの生産者が「二本仕立てだから水多め」を意識しますが、結果的に裂果率が20%増加する傾向が見られます。
京都府農林センターの調査では、午前8時と午後3時の2回に分けて1回量を減らす方法で、裂果を37%抑制できたそうです。
つまり、与えすぎが問題です。
養分では、カルシウム不足が花落ちを招くことが知られています。対策として、葉面散布の「カルガード」などを薄めて週1回噴霧する方法が効果的です。コストは1回数円レベルです。これは使えそうです。
摘心は「第5花房の上で切る」が一般的ですが、実際には環境で変えるべきです。寒冷期ビニールハウス栽培では、第6花房まで伸ばした方が糖度が上がる傾向があります。つまり柔軟さが鍵です。
新潟の農家調査では、伸ばしすぎるより早め(第4花房)で止めて更新差し木した方が、年間収量が17%増えた例もあります。効率的ですね。
更新差し木は、古い株の根を処理せず新苗を横並びで植え替える「並走仕立て」が増えています。スペースを有効利用でき、病害回避にもなります。更新の工夫が原則です。
検索上位にはほぼない方法ですが、一本仕立てから二本目を更新で作る方式が現場で注目されています。
これは、最初の主枝を摘心した後に、残した脇芽を「次世代主枝」として成長させる方法です。結果的に株の寿命を40日延ばすことができます。
経験農家の実証では、結果果数が合計で約1.3倍に増加。収穫回数も2巡増えました。つまり収益が続きます。
ただし、初期の管理は慎重に。追肥を遅らせすぎると弱株化し、糖度が下がるリスクがあります。追肥のタイミングが条件です。
以上の方法を実践すれば、「二本仕立ては安定するけれど伸びない作型」という固定観念を変えられます。収量と品質を両立させるには、枝・光・水・更新のバランス管理が鍵です。
結論は、二本仕立てを「時期ごとに変えること」で最大化できるということですね。