もみすり機(籾すり機)は、ホッパから供給された籾をゴムロールや衝撃板に通し、籾殻をはぎ取ったうえで風力や選別板で玄米・籾殻・シイナを分別する機械である。 特にロール式では、タイヤ並みの硬さを持つゴムロールを2本向かい合わせに配置し、0.5〜1.2mm程度の隙間を開けて回転速度に差をつけることで籾殻だけを剥ぎ取る仕組みになっている。
このロール間隙と回転差が適正でないと、籾が残ったまま通過したり、玄米が砕けたりして、等級にも影響する品質トラブルにつながる。 そのため最近の自動ロール機では、電源投入時にロール隙間を自動で0.8mmに合わせるなど、初期設定を機械側で補助する機能も一般的になっている。
もみすり機のロール間隙は、一般に0.5〜1.2mmの範囲を基準とし、この設定で脱ぷ率(だっぷ率)80〜85%程度を目標に調整するのが標準とされる。 だっぷ率が低すぎる場合は籾が混じり、高すぎると玄米に負担がかかり砕米や胴割れが増えるため、実際には品種や水分に合わせて間隙を微調整する必要がある。
乾燥が進んだ低水分籾ではロールを締めすぎると肌ずれや胴割れが出やすくなる一方、水分が高い場合は籾殻がうまく剥がれず歩留まりが落ちる。 そのため、乾燥機の段階で水分を14〜15%程度の範囲にそろえ、もみすり作業前に水分計で確認したうえでロール設定を決めると、トラブルをかなり減らせる。
もみすり機のゴムロールは消耗部品であり、一般的には2〜3年ごとの交換が目安とされるが、実際には使用時間や籾質による差が大きく、残りゴム厚が3〜5mmになったら交換するのが一つの基準になる。 ゴムが摩耗して弾力が落ちると、籾殻がうまく剥がれないだけでなく、玄米を過度に押しつぶして砕米を増やす原因にもなるため、だっぷ率が下がったと感じた時点でロールの摩耗確認を習慣化したい。
ロール交換時は、左右1本ずつではなく2本同時に交換してバランスをそろえると、脱ぷムラが出にくくなる。 また、インパクトレンチがなくても、ロール間隙調整ダイヤルを締めてロールを共回りしにくくしてから固定ボルトを緩める方法など、現場で工夫できる手順も紹介されている。
ロール部のあとに続く揺動選別部では、玄米・混合米・籾を仕切り板と選別板の角度で分けており、この調整が不十分だと「玄米に籾が混じる」「籾ばかり戻ってくる」といったトラブルが起こる。 具体的には、玄米側・籾側の仕切り位置を微調整し、籾が玄米側に流れ過ぎていないか、逆に玄米が籾戻し側へ落ち過ぎていないかを確認しながら調整することが重要になる。
また、サイクロンや吸引ファンの風量が強すぎると整流米がサイクロン側に吸い出され、弱すぎると籾殻がうまく飛ばずに詰まりやすくなる。 取扱説明書では、2次空気口の開度やパイプ接続部の隙間を指定値に保つよう記載されており、サイクロン上部から籾殻が吹き出すケースでは、排気管のねじれや狭まりもチェックポイントになる。
もみすり機は、ベルトやロール周りによる巻き込まれ事故だけでなく、籾殻粉じんの吸入や静電気の帯電といった見落としがちなリスクも抱えている。 粉じんの多い環境では、長時間の作業で呼吸器への負担が蓄積するため、防塵マスクやゴーグルの着用、定期的な換気や集じん装置の併用が重要になる。
さらに、冬場の乾いた環境で籾殻粉じんが舞うと静電気が溜まりやすく、配線の劣化や漏電と組み合わさると着火リスクもゼロではない。 海外では穀物サイロでの粉じん爆発事例が知られているが、国内でも電気設備と粉じんの組み合わせには注意する必要があり、アースの確保やコードの損傷点検、コンセント周りの清掃はもみすり機でも有効な予防策になる。
農作業機全般の安全対策と事故事例の解説資料(もみすり機利用時の心構えにも応用可能)
農作業安全指導マニュアル(公益社団法人 日本農業法人協会)

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