「グリホサートだけで枯れる」と思ってると、逆に根を強くしてしまうんです。
ミズガヤツリ対策で重要なのは「接触型か移行型か」を理解することです。接触型(グルホシネート)は速効性がありますが、地下茎には届きません。移行型(グリホサート)はゆっくり効いて根まで届きますが、環境条件で効果が変動します。つまり、作物や時期によって使い分ける必要があります。
農薬登録の範囲を超える混用は違法になることもあります。ラベルを確認するだけでOKです。
近年、グリホサート抵抗性のミズガヤツリが全国16都府県で確認されています。特に九州地方では発生率が急上昇しており、過去3年で約2倍に増えています。この抵抗性個体は、10回以上の同系統散布で固定化されるケースもあるんです。つまり、同じ薬剤を繰り返すと効かなくなるということですね。
抵抗性を防ぐには、系統を変えて使用することが基本です。イミダゾリノン系(ピラゾスルフロンエチルなど)のローテーション使用が有効です。
コスト面では、単価だけで判断しがちですが、実際は「再発抑制率」で見る方が得です。1反の防除コストは、安価剤単独使用で約1,200円、高効率混合で約2,400円ですが、翌年の再発面積を考えると後者の総コストが3割安くなることも報告されています。
つまり「安い=得」ではないんですね。コストを抑えたいなら、省力防除プランと組み合わせるのが効果的です。最近はドローン散布で液量を最適化でき、1町歩単位で作業効率が2倍になります。
除草剤だけで根絶は難しいです。落水期間の確保や耕起深度の調整も重要です。水田であれば、2週間以上の深水管理で発生を4割減らせる実験結果もあります。乾田でも、10cm以上の深耕で地下茎を分断でき、翌年の発生量が1/3になります。つまり、除草剤と物理的管理の併用が理想です。
環境保全を考えると、薬剤散布回数を減らす方向が長期的には有利です。政府の「みどりの食料システム戦略」にもこの考えが示されています。
最近注目されているのが「粒剤ドリフト低減技術」です。噴霧粒径を大きくし、風による飛散を3割減らせる研究が進んでいます。これにより非対象作物への薬害リスクが減少します。さらにAI散布機が生育状況に応じた自動調整を行うシステムも登場しました。これなら作業時間を1/2に短縮可能です。
つまり、テクノロジーが現場の疲労を減らす時代になったということですね。
日本農薬工業会が公開している「除草剤の適正使用マニュアル」では、ミズガヤツリに対する系統別効果の比較表が詳しく載っています。実際の散布タイミングや混合制限を確認するのに有用です。