空気遮断器は、一般に「気中遮断器(ACB)」とも呼ばれ、遮断時に発生するアーク(放電)を空気を使って消弧しながら回路を切るタイプの遮断器です。
農業施設でいうと、低圧受電の主幹(メイン)や、ポンプ・冷蔵庫・選果ラインなど大きい負荷が集まる配電盤の上位に入っていることが多く、「一度落ちると現場全体が止まる」場所を守る機器になりがちです。
ここで重要なのは、ACBが“ただ落ちる装置”ではなく、短絡のような非常時に電流を切れる能力(遮断容量)や、瞬時に流れる大電流に耐える能力(短時間耐電流)など、複数の性能の組み合わせで成立している点です。
農業現場の感覚だと「ブレーカー=家庭用の小さいやつ」を思い浮かべやすいのですが、ABBの説明でも、気中遮断器は最大6300Aまでの領域をカバーするラインとして位置づけられています。
参考)https://new.abb.com/low-voltage/ja/products/circuit-breakers
つまり、乾燥機・冷凍機・大容量ポンプ・自家発電設備など、設備が“工場並み”になってきた農業ほど、ACBの考え方が現実の損失(停電、火災、復旧工数)に直結します。
「落ちにくくする」より先に、「落ちるべき時に確実に落ち、落ちた後に原因が追える」設計・運用に寄せるのが、結果として稼働率を上げる近道です。
参考)https://new.abb.com/low-voltage/ja/products/circuit-breakers/emax-2
ABBの気中遮断器として日本語ページで中心に紹介されているのがEmax 2で、従来の保護機能だけでなく、電力監視まで含めた“オールインワン”の位置づけです。
Emax 2はIEC/UL/CCCの取得に加え、電力量計測の規格IEC61557-12に準拠したクラス1の有効エネルギー測定の認定を受けている、と明記されています。
農業では「電気代の増減」が収益に直撃しやすい一方、分電盤側で“見える化”が不足しがちなので、主幹側で計測の土台を作れる思想は相性が良いです。
またEmax 2は、負荷制限(ロードシェド)、電力コントローラ、ATS(自動切替開閉)など、配電盤の運用ロジック寄りの機能も言及されています。
特に発電機併用(停電対策)をしている農業法人では、切替の失敗=全停止や機器破損につながるため、「遮断器が盤の中でどんな制御を担うか」を先に設計しておく価値があります。
ABBは「8つの通信プロトコルに対応」「クラウドプラットフォームABB Abilityへの接続」「組み込みBluetoothでリモート接続」にも触れており、単体機器というより“運用に繋がる遮断器”として整理されています。
サイズについては「4種類」とされ、用途に応じたフレーム選定が前提になります。
ULのページでは例としてE1.2(1200A、最大65kA遮断容量、短時間耐電流50kA)から、E6.2(定格6000A、遮断容量・短時間耐電流が最大100kA)まで、規模別のイメージが示されています。
参考)https://new.abb.com/low-voltage/ja/products/circuit-breakers/emax-2/ul
配電盤の設計・更新で“どの枠に入るか”を早めに決められると、主幹更新の見積や、将来増設(冷凍庫追加、井戸ポンプ増設、乾燥機更新)の議論が進みやすくなります。
選定で最初に意識したいのは、定格電流(常時流せる電流)だけでなく、短絡が起きた瞬間に「どれだけの故障電流を安全に遮断できるか」という遮断容量の考え方です。
ABBのULページでは、フレームごとに遮断容量(例:最大65kA、最大100kA)と短時間耐電流(例:50kA、85kA)が併記されており、単にアンペア数を合わせるだけでは足りないことが読み取れます。
農業設備は、モータ(ポンプ、送風機、コンベア)が多く、起動電流や負荷変動が大きいので、「通常運転」「起動」「異常(短絡・地絡)」を分けて盤全体で整合(協調)させるのが現実的です。
ABBの遮断器ラインアップ説明では、気中遮断器Emax 2が最大6300A、配線用遮断器(MCCB)Tmax XTが最大1600A、MCBが最大125Aといった棲み分けが示されています。
この棲み分けは、農業現場でいう「主幹(ACB)→動力盤の幹線(MCCB)→末端(MCB/補助保護)」の階層設計の発想に直結します。
階層がきれいにできていると、末端のトラブル(例えばポンプの絶縁劣化)で主幹が落ちにくくなり、復旧も“原因箇所だけ”に絞れるため、結果として停止時間の損失を抑えられます。
意外に見落とされやすいのが、「遮断器そのものの機能を後から追加できる」という考え方です。
ABBは、Emax 2とTmax XTについて「設置時に搭載されていなかった機能を、製品を変更せずに簡単に追加できる」と説明しています。
農業設備は補助金・リース・段階増設などで“後から要件が変わる”ことが多いので、更新時点で全部を完璧に決め切れない現場ほど、この柔軟性が効いてきます。
ABBのEmax 2紹介では「簡単で安全な操作とメンテナンスが可能」「アクセサリの組込みも容易」とされ、運用フェーズを重視していることがわかります。
農業現場の配電盤は、選果場の粉じん、堆肥・飼料の粉、温室の高湿度、冷蔵庫周りの結露など、一般ビルよりも過酷になりやすいので、“据え付けたら終わり”にしない前提が重要です。
特に冷凍・冷蔵設備があると、盤内外の温度差で結露が起こり、端子部・補助回路・通信部のトラブルが連鎖することがあるため、点検計画(停電を伴う点検の段取りまで)を作っておくと被害が小さくなります。
安全面では、主幹の遮断器は「人が触る頻度が少ない」一方で、「触る時は緊急」になりがちです。
そのため、平時から“遮断器の状態表示の読み方”“復電手順”“復電前に確認すべき負荷(冷凍機、ヒータ、モータ起動)”を手順書にしておくと、夜間や繁忙期の復旧ミスを減らせます。
通信や監視を使う場合も、アラームが鳴る設定にしているだけでは意味が薄く、誰が・何を見て・どう判断するか(人の運用)まで決めて初めて、ACBの機能が“稼働率”に変わります。
また、ULページにあるようにEmax 2には横置き・縦置き対応の機種があるため、盤改造で「スペースがないから更新できない」となりにくい方向性も読み取れます。
盤更新は、電気工事の段取りだけでなく、農業の工程(収穫、出荷、乾燥、貯蔵)と停電可能時間の調整が最難関になりがちなので、物理寸法・施工性の情報を早めに集めるのが実務的です。
参考として、ABBは遮断器全体の説明ページで、Emax 2を含む低圧遮断器の幅広い容量レンジと規格準拠をまとめています。
農業の電気は「最大需要が短時間に集中する」ことが多く、例えば乾燥機の立ち上げ、冷凍機の同時起動、給水ポンプのピーク運転が重なると、契約電力や発電機容量の上限にぶつかりやすいです。
ABBのEmax 2ページでは、負荷制限(ロードシェド)や電力コントローラ、ATSといった機能が明示されており、遮断器を“保護”だけでなく“需要制御の中枢”として使う発想が取れます。
ここが検索上位の一般的な「ACBの仕組み」記事と違う点で、農業現場では“停電しない工夫”として、ブレーカー選びと同じくらい「落とす順番(優先順位)」設計が効きます。
例えば、停電や発電機運転に入った瞬間に、優先度の低い負荷(倉庫照明の一部、事務所の一部空調、補助ヒータ等)を自動で間引きし、優先度の高い負荷(冷蔵庫、循環ポンプ、換気、制御盤)を守る、という考え方です。
この“負荷の棚卸し”をする過程で、「実は止めても困らない機器」と「止めたら数時間後に致命傷になる機器」が可視化され、非常時の判断が早くなります。
さらに、通信・監視と組み合わせると、電力の“異常な増え方”からモータの劣化や機械抵抗の増大を早期に疑えるため、電気保全が設備保全(ベアリング、詰まり、フィルタ汚れ)に繋がることがあります。
意外なポイントとして、主幹の遮断器を「落とさないために強くする」より、「落ちるべき時に、下位側で落ちるように整合させる」ほうが、結果として作物や畜産の損失が小さいケースがあります。
ABBのラインアップ説明が示すように、ACB(主幹)・MCCB(幹線)・MCB(末端)を前提に階層化できるので、現場の優先度に合わせて“落ち方”を設計するのが現実的です。
この設計は電気の専門領域ですが、農業側が「止めたくない設備の優先順位」と「停止許容時間」を言語化しておくと、電気設計者との会話が一気に進みます。
発電機併用の参考(ATSや運用思想の確認に有用)。
農業設備の停電対策でATSやロードシェドの考え方を掴む(Emax 2の機能説明)。
https://new.abb.com/low-voltage/ja/products/circuit-breakers/emax-2
容量レンジの参考(ACB/MCCB/MCBの棲み分け確認に有用)。
盤の階層設計(主幹・幹線・末端)を考えるための容量レンジと規格準拠の整理。
https://new.abb.com/low-voltage/ja/products/circuit-breakers

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