国土地理院の航空写真で昔の農地と排水を調べる

排水不良や境界問題に悩んでいませんか?実は国土地理院の古い航空写真を使えば、過去の水路や農地の履歴が手に取るようにわかります。スマホでの見方から、意外な農業への活用法まで徹底解説します。あなたの畑の「過去」、知りたくないですか?
国土地理院の航空写真で昔の農地と排水を調べる
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スマホで手軽に

地理院地図ならアプリ不要で、今すぐ過去の航空写真と現在地を重ねて確認できます。

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排水対策のヒント

昔の水路や沼地だった場所を特定し、畑の排水不良の原因究明に役立てられます。

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証拠資料として

非農地証明や境界確認の補助資料として、高画質な空中写真の購入方法も解説。

国土地理院の航空写真で昔を知る

スマホで簡単!地理院地図の見方と年代別比較

 

国土地理院が提供する「地理院地図」は、パソコンだけでなくスマホでも手軽に利用できる非常に強力なツールです。特別なアプリをインストールしなくても、ブラウザだけで過去から現在までの変遷を指先一つで確認できます。

 

使い方は非常にシンプルです。まず、スマホで「地理院地図」にアクセスし、現在地のアイコンをタップして自分の畑や確認したい場所を表示させます。画面左上の「地図」ボタンから「年代別の写真」を選択すると、1945年~1950年、1970年代、そして最新の航空写真(正式には空中写真)を切り替えて表示することができます 。

 

参考)鳥取県域を撮影した航空写真・空中写真 - 鳥取県立図書館

特に便利なのが「重ねる」機能です。透過率を調整することで、現在の道路や区画の上に、の白黒写真を薄く重ねて表示できます。これにより、「今の農道の位置は、昔のあぜ道と同じだ」といった細かい比較が現地に立ったまま可能になります。住所検索機能も充実しているため、離れた場所にある飛び地の畑の状況も、家にいながら確認することが可能です 。

 

参考)スマートフォンで使用する|地理院地図の使い方 - 国土地理院

地理院地図(電子国土Web)|国土地理院 - 今すぐスマホでアクセスして過去の航空写真を確認できます。

排水対策の切り札?昔の航空写真で水路を探す

農業従事者にとって、圃場の排水性は死活問題です。「なぜかこの区画だけ水はけが悪い」「大雨の後に水が引かない」といった悩みがある場合、航空写真が解決の糸口になることがあります。これは、検索上位の一般的な記事にはあまり書かれていない、農家ならではの活用テクニックです。

 

過去の写真を詳細に観察すると、現在は埋め立てられて見えなくなっている「旧水路」や「元・ため池」の存在が浮かび上がってくることがあります。特に、圃場整備(土地改良事業)が行われる前の1970年代以前の写真と見比べることで、本来の地形や水の流れ(水みち)を特定できることが多いのです。排水不良の原因が「昔の川筋だった」と分かれば、暗渠排水を入れる位置や深さを決める際に、より効果的な計画を立てることができます 。
参考)https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/nousin/gizyutu/pdf/data4-2c.pdf

また、土壌の性質を推測する手がかりにもなります。写真の色が周囲より黒っぽく写っている場所は、かつて湿地だった可能性が高く、現在も地下水位が高い傾向にあります。こうした土地利用の履歴を視覚的に把握することで、作付けする品目の選定や土壌改良の方向性を決める際の強力な判断材料となります 。

 

参考)https://www.hro.or.jp/upload/13980/manualpoorsoilarea.pdf

【事例】古地形図や過去の空中写真から地域の環境資源の特徴を抽出する方法(農林水産省) - 過去の航空写真から旧水路や湿地を読み解く具体的な事例が掲載されています。

非農地証明にも活用!土地利用の変遷を追う

農地法に関連する手続きや、隣地との境界確認においても、国土地理院の画像データが役立つ場面があります。例えば、「非農地証明」を申請する際、その土地が長期間にわたって耕作放棄され、森林化していたことや建物が建っていたことを客観的に示す必要があります。

 

こうした際、年代別航空写真を時系列で並べることで、土地利用変遷を「証拠」に近い形で提示できます(※法的な確定証拠にはなりませんが、強力な疎明資料となります)。「20年前からすでに山林化していた」という事実を、口頭で説明するよりも写真一枚で見せる方が、農業委員会の担当者や隣地所有者に対しても説得力が増します 。

 

参考)非農地証明願に添付する航空写真について・・・加東市農業委員会…

また、災害復旧の際にも役立ちます。土砂崩れや洪水で地形が変わってしまった場合、災害前の写真があれば、元の農地の境界や法面(のりめん)の位置を復元する際の目安になります。自分の土地の歴史を「画像」としてアーカイブしておくことは、将来的なトラブルを防ぐリスク管理としても有効です 。

 

参考)地理院地図でタイムトラベル! ~過去から現在までの空中写真を…

アプリ派におすすめ!昔の航空写真地図の便利機能

ブラウザ版の地理院地図も優秀ですが、頻繁に野外で使うなら専用のアプリも選択肢に入ります。「昔の航空写真地図」などのサードパーティ製アプリは、国土地理院のデータを活用しつつ、よりスマホでの操作性に特化した機能を持っています。

 

これらのアプリの最大の特徴は、GPS連動の滑らかさと、画面分割による比較のしやすさです。例えば、画面を左右に分割し、左側に現在の地図、右側に1970年代の写真を連動させて表示できる機能などは、現地調査の効率を格段に上げます。「ここから先は昔は家が建っていた」といった情報が、歩きながらリアルタイムで分かります 。

 

参考)https://play.google.com/store/apps/details?id=net.aroundit.map70amp;hl=ja

さらに、電波の届かない山間部の畑に行く場合、あらかじめ地図データをキャッシュ(保存)できるアプリを選べば、オフラインでもの様子を確認できます。農業土木や測量の現場でも使われているこれらのツールを使いこなすことで、プロレベルの圃場管理が可能になります。

 

昔の航空写真地図 - Google Play - 国土地理院のデータを利用し、現在地と過去の写真をスムーズに比較できる人気アプリです。

証拠資料なら国土地理院の空中写真を購入

画面で見るだけでなく、役所に提出する書類や、高精細な拡大図が必要な場合は、国土地理院の「空中写真(印画紙や画像データ)」を購入することをおすすめします。Web上で閲覧できる画像は圧縮されていますが、購入できるデータは非常に高解像度で、拡大しても細部までくっきり見えます。

 

購入手続きは「地図・空中写真閲覧サービス」から行えます。欲しい写真の撮影年月日やコース番号を特定し、日本地図センターなどの取り扱い機関を通じて注文します。一枚数千円程度かかりますが、例えば「昭和40年の時点でここに水路があったこと」を明確に示す必要がある場合、ボケていない鮮明な写真は決定的な資料となります 。

 

参考)図歴ページへのリンク|国土地理院

また、農業法人の事務所などに、自分たちの農場の「昭和初期」「高度経済成長期」「現在」の写真をパネルにして飾るのもおすすめです。地域の歴史や先祖の苦労を視覚的に伝えることができ、従業員や後継者への教育、来客への話題作りとしても優れた活用法と言えるでしょう。

 

国土地理院撮影の空中写真・画像データ(日本地図センター) - 高画質な空中写真の購入手続きや価格、利用方法について詳しく解説されています。

 

 


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