甘藷つる切り機 作業 価格 スペック

甘藷つる切り機の方式やスペック、価格帯の考え方から、畝幅・マルチ条件に合わせた選び方、作業手順、安全対策まで整理します。自分の圃場に最適な一台はどれでしょうか?

甘藷つる切り機 作業

甘藷つる切り機の要点
方式

アップカットのフレール刃+デバイダーで拾い上げて細断、後作業を軽くする設計が主流。

💴
価格

作業幅やセル仕様などで差が出る。新品はメーカー希望小売価格の情報を基準に、地域の輸送費も加味。

🛠️
畝対応

デバイダー幅調整、尾輪調整など「畝体系に追従できるか」が導入満足度を左右。

甘藷つる切り機 フレール 方式

甘藷つる切り機は、つるを「きれいに切る」よりも、後工程(掘取・マルチはぎ・搬出)を止めないために“細断して散らす”発想が強い機械です。ヤンマーの「かんしょつる切機FMS」では、デバイダでつるを拾い上げ、アップカット方式のフレールタイプで細かく切断すると説明されています。
この「拾い上げ→アップカット→細断」の流れが効くのは、つるが畝面や溝に貼り付いていても刃に入りやすく、鎌での後処理を減らしやすいからです。実際、トラクターに乗ったまま大量のつるを細断し、畝に張り付いたつるも切断できるので鎌での後処理が不要、マルチフィルムのはぎ取りが楽になる旨が紹介されています。
一方で、フレール刃は「粉砕に近い切り方」になるため、石や硬い塊が多い圃場では刃の摩耗・欠けが早くなりがちです(運用面の話として、圃場の異物管理と刃の点検頻度を上げるのが現実的です)。
作業のイメージを掴むためのチェック項目を、方式の観点で整理します。


  • デバイダーの役割:畝の側面や溝に逃げたつるを拾い上げ、刃に「入れる」ためのガイドになる(拾い上げ性能が低いと未処理が増える)。
  • アップカットの意味:下から上に叩き上げるように裁断し、つるを細かくしやすい設計が多い。
  • 細断の利点:切ったつるを寄せて運ぶ前提ではなく、次工程の邪魔をしないサイズまで砕く発想になりやすい。

甘藷つる切り機 スペック 畝 幅

「スペック」はカタログの数値だけでなく、圃場の畝体系に“合わせ込める構造”まで見て判断すると失敗が減ります。ササオカの「つる切り機 KH-4」では、左右のデバイダーで溝や側面のツルも持ち上げて裁断し、デバイダー幅は調整可能で幅広い畝体系に対応できるとされています。
また、KH-4は尾輪調整ハンドルがオペレーターに近く作業中の調整がしやすいこと、裁断したツルを溝に落とすガイドプレートで後作業(マルチ剥ぎなど)を楽にする設計が記載されています。
さらに、ワンウェイクラッチ搭載により、トラクターのクラッチを切った時の回転慣性でトラクターが押し出される現象を防ぐ、と安全・操作性に直結する説明もあります。
畝幅・畝高・うね裾幅が一定でない圃場では、導入後に「うまく拾わない」「削りすぎる」「マルチを傷める」といった不満が出やすいので、購入前に次の点を現物(または動画)で確認すると堅実です。


  • デバイダー調整範囲:畝幅が変わっても“つるを拾う位置”を合わせられるか。
  • 高さ(刈高)調整のしやすさ:尾輪やリンクで「地際ギリギリ」を安定させられるか。
  • 落とし方:切ったつるが畝上に残るのか、溝に落ちるのかで、後作業の段取りが変わる。
  • 安全・挙動:ワンウェイクラッチ等で惰性の危険を抑える設計があるか。

甘藷つる切り機 価格 メーカー希望小売価格

甘藷つる切り機の価格は、作業幅・仕様(セル仕様など)・メーカーで差が出ます。ヤンマーの「かんしょつる切機FMS600/FMS800」の価格ページでは、FMS600が税抜617,000円(10%税込678,700円)、FMS800(E)が税抜678,000円(10%税込745,800円)、FMS800(EA)が税抜767,000円(10%税込843,700円)として掲載されています(2025年7月現在の価格・仕様で、地域の輸送費等で異なる場合がある旨も併記)。
この情報が役立つのは、「新品導入の基準線」を作れる点で、見積もりを取るときにオプション・納品費・整備費を含めた総額の妥当性を判断しやすくなります。
中古を検討する場合は、年式よりも「刃・ベルト・ベアリングなど消耗部の状態」と「畝体系に合う調整機構があるか」が実務上の差になりやすいので、現物確認(刃のガタ、軸の異音、デバイダー変形)を優先すると事故が減ります。
価格で迷ったときの考え方(作業時間をカネに換算する)も、機械化判断では重要です。たとえば、つる処理が遅れて収穫適期を外すと、掘取の能率低下や傷の増加につながりやすいので、「ピーク時に詰まらない」ことにお金を払う、という割り切りが現場では効きます。


甘藷つる切り機 つる 処理 作業 独自視点

検索上位は「機械の紹介・スペック・価格」に寄りがちですが、実務で差が出るのは“つる処理を栽培管理の一部として設計する”視点です。徳島県の資料「サツマイモのつる処理機の開発」では、機械に対応した品種選定や肥培管理が必要である、という趣旨が書かれており、機械だけ導入しても精度や効率が出ない場面があることを示唆しています。
同資料では、開発したつる処理機の作業能率として「1時間当たり約10アール」、慣行作業の「8.5倍」向上という記述もあり、機械化は段取り全体(人員配置・収穫機との連携)まで含めると一気に効くことが分かります。
この“栽培×機械”の発想にすると、つる切り機を単なる収穫前作業ではなく、収穫ラインのボトルネック解消装置として扱えます。
意外と見落としがちな、運用設計のポイントをまとめます。


  • つるの繁茂を前提にしない:過繁茂だと拾い上げ負荷が増え、未処理や絡みが出やすいので、肥培管理で“機械が仕事しやすい草姿”に寄せる考え方がある。
  • 「切る高さ」を作業標準化:オペレーターごとに刈高がブレると、掘取の引っ掛かりやマルチはぎの手戻りが増えるため、尾輪位置の目盛り化・圃場の代表点で合わせる手順を決める。
  • 切ったつるの行き先を決める:畝上に残すのか溝に落とすのかで、次の工程(マルチはぎ、掘取、搬出)の動線が変わるので、ガイドプレート等の挙動を理解して段取りを作る。
  • 安全を“機構で買う”:ワンウェイクラッチのように危険挙動を抑える機構は、慣れた作業ほど油断が出るため保険になる。

つる処理の基礎動作(人手での考え方)も、機械運用の理解に役立ちます。ヤンマーの営農情報では、ツル切りは根元部分を15~20cm離れた位置、土から4~5cm離れた位置を切る、という目安が示されています。


参考)https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/dictionary/sweetpotato/05.html

機械の場合も「地際に寄せすぎて芋を傷めない」「高すぎてつるが残って後工程で絡む」を避けるバランスが同じなので、まずはこの目安を“狙う位置”として作業機の高さ合わせに落とし込むと再現性が上がります。

参考:つる処理の目安(切る位置)と、つる処理機・つる切機の考え方(後処理不要、マルチはぎが楽等)が書かれている
https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/dictionary/sweetpotato/05.html
参考:つる切り機KH-4の特長(デバイダー幅調整、ガイドプレート、ワンウェイクラッチ等)がまとまったPDFカタログ
https://www.k-sasaoka.co.jp/catalog/KH-4.pdf