ホルモン療法副作用太る原因と対策!むくみや食事と基礎代謝

ホルモン療法の副作用で太ることに悩んでいませんか?体重増加の意外なメカニズムや、無理なく続けられる食事・運動の対策、むくみケアまで徹底解説します。元の体型に戻れるのか不安を感じていませんか?

ホルモン療法の副作用で太るメカニズムと現状

ホルモン療法と体重管理のポイント
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基礎代謝の低下

エストロゲン減少により脂肪燃焼効率が下がり、内臓脂肪がつきやすくなります。

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むくみ(浮腫)

脂肪ではなく水分貯留による体重増加の場合も。塩分管理がカギとなります。

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食事と運動の質

単なるカロリー制限は逆効果。筋肉を守るタンパク質摂取と「ながら運動」が重要です。

ホルモン療法を開始してから「急に体重が増えた」「今までと同じ食事量なのに太る」という悩みを持つ方は非常に多くいらっしゃいます。特に農業などの身体を動かすお仕事をされている方であっても、この変化には戸惑うことが多いものです。これは単なる食べ過ぎや運動不足ではなく、薬の作用によって体内の環境がガラリと変わってしまうことが主な原因です。


まず理解しておきたいのは、ホルモン療法によって強制的に更年期のような状態を作り出したり、特定のホルモンの働きをブロックしたりすることで、「脂質代謝」のバランスが崩れるという点です。女性ホルモン(エストロゲン)には、内臓脂肪の蓄積を防ぎ、代謝を助ける働きがあります。治療によってこのエストロゲンが減少・抑制されると、体は自然と脂肪を溜め込みやすいモードに切り替わってしまいます。これを医学的には「閉経後肥満」に近い状態と捉えることもありますが、治療による急激な変化であるため、体が適応できずに体重増加が加速しやすいのです。


また、多くの患者さんが混同しやすいのが「脂肪による体重増加」と「むくみ(浮腫)による体重増加」の違いです。ホルモン剤の種類によっては、体内に水分を貯留させる作用を持つものがあります。これにより、1週間で2〜3キロ変動するといった現象が起きますが、これは脂肪がついたわけではありません。しかし、体が重く感じることで動くのが億劫になり、結果的に活動量が減って本当の脂肪がついてしまうという悪循環に陥ることがあります。


農業従事者のように日頃から体を動かしている方の場合、「自分は動いているから大丈夫」と過信しがちですが、ホルモン療法中は「動いて消費するエネルギー」よりも「体が守ろうとするエネルギー」の方が勝ってしまうことがよくあります。このメカニズムを正しく理解し、根性論ではなく科学的なアプローチで対策を立てることが、治療中の体型維持には不可欠です。


参考リンク:横浜市立みなと赤十字病院 - ホルモン治療の副作用対策について

ホルモン療法副作用で太る原因と基礎代謝の低下


ホルモン療法中に太る最大の原因は、「基礎代謝の劇的な低下」にあります。基礎代謝とは、呼吸をしたり心臓を動かしたりするために、寝ているだけでも消費されるエネルギーのことです。


エストロゲンには筋肉量を維持し、脂肪を燃焼させる指令を出す役割がありますが、ホルモン療法でこの働きが抑えられると、筋肉が落ちやすくなります。特に40代〜50代以降は、何もしなくても毎年筋肉量が1%ずつ減っていくと言われていますが、ホルモン療法はこのプロセスを加速させます。筋肉が減れば、当然ながら基礎代謝も落ちます。つまり、「以前と同じ食事量=カロリーオーバー」という状態になってしまうのです。


具体的な身体の変化としては以下のような特徴が挙げられます。


  • 内臓脂肪型肥満へのシフト:

    皮下脂肪(つまめる脂肪)よりも、内臓周りに脂肪がつくようになります。お腹周りだけがぽっこりと出てくるのはこのためです。


  • サルコペニア肥満のリスク:

    見た目の体重は変わらなくても、中身が「筋肉減・脂肪増」に入れ替わっている状態です。これが最も厄介で、疲れやすくなるため、農作業などの仕事のパフォーマンス低下にもつながります。


  • レプチン抵抗性:

    脂肪細胞が増えると、満腹中枢を刺激するホルモン「レプチン」の効きが悪くなり、食べているのに満足感を得られないという現象が起きることがあります。


農業などで日常的に体を動かしている方の場合、「労働」と「代謝維持のための運動」を混同しがちです。農作業は長時間の中強度の動き(有酸素運動に近い)が多いですが、基礎代謝を維持するために必要なのは、瞬発的に筋肉を使う「筋力トレーニング」の要素です。ホルモン療法中は、ただ動くのではなく、「筋肉を減らさない動き」を意識しないと、働けば働くほど痩せにくい体になってしまうパラドックスが生まれます。


ホルモン療法副作用の太る対策と食事の工夫

「太ったから食事を減らそう」という単純なカロリー制限は、ホルモン療法中は逆効果になることが多いです。食事量を極端に減らすと、体は「飢餓状態」と判断し、さらに代謝を落として脂肪を溜め込もうとします。また、筋肉の材料であるタンパク質が不足し、さらに痩せにくい体質を作ってしまいます。


対策として有効なのは、「何を食べるか」と「食べる順番」の徹底的な見直しです。


推奨される食事のポイント:

  • 植物性タンパク質の積極摂取:

    大豆製品(豆腐、納豆)は良質なタンパク源です。以前は「大豆イソフラボンは乳がんに良くないのでは?」という説もありましたが、現在の主要なガイドラインでは、通常の食事で摂取する範囲であれば問題なく、むしろ推奨される傾向にあります。肉類よりも脂質が低く、満腹感も得られやすいため、毎食1品は取り入れたい食材です。


  • ベジタブル・ファースト(野菜先食べ):

    食事の最初に食物繊維(野菜、海藻、きのこ)を食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えます。ホルモン療法中はインスリンの働きが鈍くなりやすいため、血糖値コントロールは体重管理の要です。


  • 「白い炭水化物」を「茶色」へ:

    白米を玄米や雑穀米に、食パンを全粒粉パンに変えるだけで、GI値(血糖値の上がりやすさ)が下がります。完全に炭水化物を抜くと、仕事のエネルギーが不足し、反動で甘いものを欲してしまうため、質を変えることが重要です。


特に注意したいのが「果糖」です。果物は健康的と思われがちですが、果糖は直接内臓脂肪になりやすい性質があります。疲れた時のみかんや甘い飲み物は、ホルモン療法中は想像以上に脂肪蓄積のトリガーとなります。おやつには、無塩のナッツや高カカオチョコレートなど、血糖値を上げにくいものを選びましょう。


参考リンク:国立がん研究センター東病院 - がん治療と食事についてのQ&A

ホルモン療法副作用で太るむくみの解消と運動

「太ったと思ったら、実はむくみだった」というケースは非常に多いです。ホルモン療法薬の中には、ナトリウム(塩分)を体内に保持させる作用を持つものがあります。朝起きた時に手の指が握りにくい、夕方に靴下の跡がくっきり残る、といった症状がある場合は、脂肪対策よりもむくみケアを優先すべきです。


むくみ解消のための具体的アクション:

  • カリウムの摂取:

    余分な塩分を排出するカリウムを意識して摂りましょう。アボカド、ほうれん草、バナナなどが有効ですが、腎臓に持病がある場合は医師に相談してください。


  • 物理的なリンパケア:

    鎖骨周りや股関節(鼠径部)など、大きなリンパ節を優しくさするだけでも効果があります。農作業の休憩中に、足首を回したり、ふくらはぎを下から上へマッサージする習慣をつけましょう。


代謝を上げるための運動のコツ:
農業従事者の方におすすめしたいのが、「NEAT(非運動性熱産生)」の質の向上です。これは、わざわざジムに行って運動するのではなく、日常生活の動作でのカロリー消費を指します。


  • ドローイン(お腹を凹ませる):

    作業中や運転中、意識的にお腹をへこませて呼吸をするだけで、インナーマッスル(腹横筋)が鍛えられます。これはコルセットのような役割を果たし、内臓の下垂やお腹の出っ張りを防ぎます。


  • スロー・スクワット:

    重いものを持つとき、腰だけで持ち上げるのではなく、しっかりと膝を曲げて太ももの筋肉を使うように意識します。太ももの筋肉は体の中で最も大きく、ここを刺激することが基礎代謝アップへの近道です。


重要なのは、「ハァハァ」と息が上がる有酸素運動よりも、筋肉に「じわじわ」と効かせる運動です。ホルモン療法中は骨密度も低下しやすいため、骨に縦方向の刺激が入る「かかと落とし運動(つま先立ちしてストンと落とす)」も、骨粗鬆症予防と代謝アップの一石二鳥でおすすめです。


参考リンク:がん情報サービス - むくみ(浮腫)のセルフケア

ホルモン療法副作用と自律神経の乱れによる過食

これは検索上位の記事ではあまり深く触れられていない視点ですが、ホルモン療法による体重増加の陰には、「自律神経の乱れによる偽(ニセ)の食欲」が潜んでいます。


ホルモンバランスの急激な変化は、脳の視床下部にある自律神経中枢に直接影響を与えます。これにより、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなります。特に、常に緊張状態(交感神経優位)が続くと、体はストレスホルモンである「コルチゾール」を分泌します。


コルチゾールの悪影響:

  1. 血糖値を急上昇させる。
  2. 脂肪を蓄積しやすくする。
  3. 「セロトニン(幸せホルモン)」の分泌を抑制し、甘いものや炭水化物を渇望させる。

つまり、あなたが感じている「猛烈にお腹が空いた」という感覚は、胃袋が空っぽだからではなく、脳がストレスを解消するために「食べろ」と誤指令を出している可能性が高いのです。これを「エモーショナル・イーティング(情動的摂食)」と呼びます。


自律神経ケアによる食欲コントロール法:

  • 4-7-8呼吸法:

    食欲が湧いたら、まず4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く。これを3セット行います。副交感神経が優位になり、偽の食欲がスッと引くことがあります。


  • 睡眠の質を高める:

    睡眠不足は、食欲増進ホルモン「グレリン」を増やし、満腹ホルモン「レプチン」を減らします。農繁期で忙しい時こそ、寝る前のスマホをやめ、お風呂に浸かって深部体温を上げるなど、睡眠の質にこだわってください。しっかり寝るだけで、翌日の食欲は20%抑えられるとも言われています。


  • 「噛む」ことによるストレス発散:

    ガムやスルメ、昆布など、低カロリーで硬いものを噛むリズム運動は、セロトニンの分泌を促します。口寂しい時は、高カロリーなスナック菓子ではなく、硬いものを噛んで脳を落ち着かせましょう。


ホルモン療法副作用で太る期間と薬の影響

最後に、この体重増加が「いつまで続くのか」という見通しについてお話しします。出口が見えないトンネルは辛いものですが、期間や薬の特性を知ることで不安は軽減されます。


薬の種類による傾向:

  • 抗エストロゲン薬(タモキシフェンなど):

    閉経前の方に使われることが多い薬です。飲み始めの3ヶ月〜半年ほどでむくみや体重増加を感じる方が多いですが、体が慣れてくると1年程度で落ち着くケースもあります。ただし、5年〜10年と長期服用が基本となるため、初期の生活習慣の確立が非常に重要です。


  • アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、レトロゾールなど):

    閉経後の方に使われます。こちらは関節痛などの副作用が出やすく、痛みのために動かなくなり太る、という二次的な要因が強い傾向があります。


体重増加のピークと対策のタイミング:
一般的に、治療開始から6ヶ月〜1年が体重増加のピークになりやすいと言われています。この期間を「今は治療の副作用だから仕方ない」と諦めるのか、「薬の影響で太りやすい時期だからこそ、ケアをしよう」と捉えるかで、その後の5年、10年の体型が大きく変わります。


ただし、無理は禁物です。ホルモン療法は、がんの再発を防ぐための非常に重要な治療です。「太るのが嫌だから薬を勝手にやめる」というのは絶対に避けてください。副作用が辛すぎて生活に支障が出る場合は、必ず主治医に相談しましょう。漢方薬(防風通聖散や五苓散など)の処方によって、代謝や水分代謝を改善できることもあります。


焦らず、まずは「今の体重をキープすること」を目標にしましょう。現状維持ができていれば、それは副作用という強い流れに逆らって踏ん張っている証拠であり、十分な成果と言えます。農業という尊い仕事で培った忍耐強さを、ご自身の体調管理にも少しだけ向けてあげてください。


参考リンク:ホルモン剤と体重変化の個人差について(医療コラム)




進行乳がんの再発予防