エンジンポンプの始動は、機種差はありますが「燃料を送る→チョーク操作→リコイル」の順が基本です。工進のエンジン始動案内では、プライミング(プライミングポンプ/ボタンを10回以上)で燃料をキャブレターに汲み上げ、チョークを全閉にしてからリコイルを引く手順が示されています。始動後はエンジンの調子を見ながらチョークを徐々に全開位置へ戻す流れです。
また、温間時や夏期など「エンジンが温まっている/燃料が残っている」条件では、最初からチョークを全開位置にする指示が取扱説明書に書かれていることがあります。工進の取扱説明書でも、温間・夏期はチョーク全開とする旨が記載されています。冷間と同じ感覚で全閉にすると、吸い込み過ぎで始動が重くなることがあるため、現場では“今日の気温と停止直後かどうか”を一度確認してから操作すると失敗が減ります。
始動の「目安」も覚えておくと便利です。丸山製作所の灌水ポンプ説明書では、爆発音のみで始動しない場合はチョークを開にして再度リコイルを引く、といった切り替えが示されています。工進の取扱説明書でも、爆発音があって始動に到らない場合はチョーク全開で再トライする旨が書かれています。
【冷間始動の手順(典型例)】
【温間始動の手順(典型例)】
始動手順の細部はエンジン型式で違うので、最終的には各機種の取扱説明書の「始動」ページを優先してください(同じメーカーでも記載が違うことがあります)。
始動手順(プライミング→チョーク全閉→始動後に徐々に全開)。
取扱説明書系の手順がまとまっている(チョーク全閉/温間時は全開などの条件分岐もある)
工進:製品別Q&A(エンジン始動手順)
工進:高性能自吸式 エンジンポンプ 取扱説明書(始動手順)
チョークは始動のために混合気を濃くする(空気量を絞る)役割があるため、冷間時は「閉」で点火しやすくなります。一方で、始動後もチョークを閉じたままだと空気が不足し、燃焼が続かず止まりやすいという典型的な失敗が起きます。実際、工進のQ&Aでは「始動後、エンジンの調子を見ながら徐々にチョークレバーを全開位置」にする、と明確に書かれています。
戻し方のコツは、“一気に全開にせず、回転が安定するところを探りながら開いていく”ことです。マキタのエンジンポンプ取扱説明書でも、エンジン始動後はチョークを「開」に戻し、エンジンの調子を見ながら徐々に開き、必ず全開にするよう注意書きがあります。現場では、始動直後に回転が不安定なら半開付近で10~30秒ほど様子を見て、暖まってきたら全開へ、という運用がトラブルを減らします(ただし機種の指定が最優先)。
さらに実務的な注意点として、ポンプ稼働中はチョークをOPEN(開)にしておくよう書かれている説明書もあります。寺田ポンプの取扱説明書では「ポンプ稼動の際は、チョークレバーをOPEN(開)にしておいてください」と明記されています。水を回し始めてからもチョークを閉じ気味で使うと、回転が上がらず揚水量が出ない・途中停止する、といった二次トラブルにつながります。
運転中はチョークOPENが基本と書かれた例(運転安定・停止防止の根拠)。
寺田ポンプ:取扱説明書(チョークOPENの注意)
「エンジンがかからない」場面は、故障よりも“手順の抜け”が原因のことが多いです。たとえば、燃料コックが開いていない/プライミングを押していないと燃料が送れず、始動できません。工進のQ&Aでも、プライミングボタンを10回以上押して燃料をキャブレターに汲み上げる目的が説明されています。
チョーク絡みで多いのは次の2パターンです。
この点は、農機具系の解説でも「始動時はチョーク全閉」「始動後はチョーク全開」が整理されており、チョーク閉じっぱなしだとエンジンが止まる理由が説明されています。まずは「始動前=閉」「始動後=開」を徹底し、温間なら最初から開で試す、という切り替えを手順化すると復旧が速いです。
もう一つ見落としがちなのが「燃料の吸い込み過ぎ(かぶり)」です。マキタの説明書では、チョークを閉の位置にしたままスタータハンドルを繰り返し引き続けると燃料を吸い込み過ぎて始動しにくくなる、と注意されています。こうなったら、チョークを開にしてスロットルを中速~高速側にし、始動するまで引くといった対処が書かれている例があります(機種の指示に従うこと)。
【現場での切り分け(優先順)】
チョーク操作ミス・燃料送れ不足・始動後の戻し忘れの典型例。
工進:製品別Q&A(始動とチョークの戻し方)
燃料吸い込み過ぎ(かぶり)注意と対処の記載例。
マキタ:エンジンポンプ取扱説明書(燃料の吸い込み過ぎ)
チョークを引けばかかるのに、戻すと止まる場合は「混合気が薄い(燃料が足りない)」方向で疑うと原因に近づきます。農機具の解説では、この症状は燃料噴射量が足りず、キャブレターのパイロットジェット(スロージェット)詰まりが典型だと説明されています。現場で多いのは、古いガソリンの保管、微細なゴミの混入、長期放置によるワニス状の付着で、結果として低速域の燃料通路が詰まりやすい点です。
ただし、いきなり分解より先に「燃料の質」「吸気」「点火」を順番に見ると遠回りになりにくいです。特に農業現場の灌水は、土や藻、堆積物が多く、機械側にも汚れが入りがちなので、保管時のキャップ周辺清掃や給油用のジョウゴ管理が効いてきます。
【点検チェック(簡易)】
「チョークを戻すと止まる=燃料が足りない」方向の説明(パイロットジェット詰まりなど)。
農機具:チョークを戻すとエンジンが止まる時の対処方法
同じ機種でも「今日はかかりにくい」と感じる日は、操作ミスではなく“条件の違い”が原因のことがあります。取扱説明書でも、温まっている場合や夏期はチョーク全開とする、といった条件分岐が書かれており、気温・エンジン温度で最適なチョーク位置が変わる前提が示されています。つまり、朝の冷え込みが強い圃場では冷間扱いで全閉スタートが効きやすく、昼の高温時や停止直後の再始動では全閉にすると逆に濃すぎて“かぶり方向”へ寄ることがあります。
農業現場で実践しやすい「判断基準」を、作業の流れに落とすと再現性が出ます。
また、揚水作業は「エンジンがかかった」だけでは不十分で、ポンプが吸水できているか(呼び水・エア噛み)も並行して見ないと、始動後に負荷が不安定になり回転が落ち、チョーク調整を誤認しやすくなります。チョークはあくまで混合気の補助で、吸水系のトラブルをチョークで無理にごまかすと、停止やプラグかぶりを招くので、吸水不良が疑わしい場合は配管・ストレーナ・呼び水も同時に確認してください。
温間・夏期はチョーク全開など、条件分岐が書かれた取扱説明書(判断基準の根拠)。
工進:高性能自吸式 エンジンポンプ 取扱説明書(温間・夏期のチョーク)
| 状況 | チョーク | 優先チェック | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| 冷間で始動しない | 閉 | プライミング回数/燃料コック/スイッチ | 爆発音が出たら開へ切替して再始動 |
| 爆発音はあるが始動しない | 開へ | かぶり(引き過ぎ) | チョーク開で再トライ(説明書の指示に従う) |
| かかるがチョークを戻すと止まる | 開にすると停止 | 燃料不足(低速系詰まり等) | 燃料更新・吸気清掃・キャブ点検 |
| 運転中 | 基本は開 | 回転安定/揚水状態 | チョークは最終的に全開で安定させる |

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