co2施用機 cg-1000は、施設園芸で不足しやすいCO2をハウス内へ効率的に供給し、光合成を後押しする目的の機械です。
小中規模ハウス向けの想定で、CO2供給の目安面積は1000㎡(約300坪)とされています。
仕様面で押さえるべきポイントは「CO2発生量」「燃料消費」「熱(副作用)」の3つです。
参考)仕様
主な仕様は、使用燃料が灯油(JIS1号灯油)、燃料消費量3.6L/h、CO2発生量8.96kg/h、熱出力35kW、電源はAC100Vで、可搬型として質量54kgという構成です。
ここで重要なのは「CO2施用機=暖房機」ではない点で、取扱説明書でも暖房用途や家庭用ヒーターとしての使用は禁止されています。
参考)https://www.shizuoka-seiki.co.jp/customer/manual/agriculture/file/3973/cg-1000_manual.pdf
つまり、cg-1000の熱は“メリットではなく管理すべき副作用”として扱い、換気・循環・設定時間の設計とセットで導入するのが安全で確実です。
CO2施用は、ハウス内でCO2が不足しがちな時間帯に供給し、光合成を促進することで生育を進め、品質・収量アップを狙う技術です。
特に冬場は換気を控えがちでCO2不足が起きやすいため、日射があるのに光合成が頭打ちになる“もったいない状態”を減らすのが狙いになります。
現場感覚としては「単純にCO2を上げれば良い」ではなく、日射・温度・換気・潅水・養分がかみ合うほど効果が出やすい、という捉え方が安全です。
参考)冬こそ炭酸ガス施用で収量・品質アップ!【おすすめ機器4選】
また、cg-1000は「5分間の運転で1000㎡ハウスのCO2濃度を約200ppm上昇させることが可能」と紹介されており、短時間運転でも濃度を動かせる設計思想が読み取れます。
参考)CG-1000|施設園芸|製品情報|農業ソリューション製品サ…
一方で、濃度を上げすぎる運用はリスクを増やします。
取扱説明書では、ハウス内CO2濃度は1,000ppm以下で使用すること、能力に適合する広さで使うことが明確に注意事項として示されています。
cg-1000運用の肝は、連続運転ではなく、タイマーとインターバルで「必要な時間帯だけ・必要な量だけ」供給することです。
取扱説明書では、連続運転をしないこと、運転時間は1時間ごとに30分以内、ON時間がOFF時間を超えないように設定することが注意として記載されています。
実務では、まず“基準となる設定”を決め、CO2濃度計で実測して微調整する流れが失敗しにくいです。
取扱説明書でも、市販のCO2濃度測定器などでハウス内のCO2濃度を確認し、ハウス環境や作物に合わせて適宜調整するように書かれています。
おすすめの考え方(機械の仕組みに沿った設計)
・日の出後〜午前中:光合成が立ち上がるので、短時間ONの回数を増やす(濃度の谷を作らない)
・換気が入る時間帯:施用したCO2が抜けやすいので、換気制御と矛盾しない設定に寄せる
・曇天や日射不足:施用を弱め、燃料とリスクだけが増えないようにする
これらは、CO2施用が光合成を促進する目的であるという基本に立ち返ると判断しやすくなります。
参考)CO₂施用機 CG-1000
さらに、cg-1000は外部制御機器(市販のCO2コントローラー等)との連動運転にも触れられており、接点ON/OFFで燃焼が連動する仕組みが示されています。
「濃度で回す」運用に寄せると、天候変化や換気の影響を受けても過不足が減り、結果的に燃料効率と作物の安定性が上がりやすい設計になります。
co2施用機は“ガスを増やす機械”である以前に、“燃焼させる機械”なので、安全設計と運用ルールが最優先です。
取扱説明書では、換気が十分に行えない場所では使用しないこと、換気せずに使用し続けないことが警告されており、酸素不足による不完全燃焼と一酸化炭素発生リスクが明記されています。
また、cg-1000には不完全燃焼警報(CO警報器)があり、周辺の一酸化炭素濃度が上昇した際に警報を出し自動消火する安全装置として説明されています。
加えて、CO警報器には有効期限が約5年である旨が書かれており、機械本体が動くことより“警報が生きていること”を点検項目に入れる必要があります。
火災面では、吐出口前方2.5m以上・左右後方上方2m以上を可燃物から離す、吐出口前方1m以内に遮へい物を置かないといった距離基準が示されています。
さらに、ビニールダクトを直接接続せず、防炎ダクトを内側に取り付ける必要があることも記載されており、ダクト周りは“最も現場で手を抜きやすい危険ポイント”になりがちです。
参考:安全・運転ルール(現場掲示向け)
✅ 灯油はJIS1号灯油のみ(ガソリン厳禁)
✅ 連続運転しない/1時間ごと30分以内/ONがOFFを超えない
✅ CO2濃度は1,000ppm以下で管理(濃度計で実測)
✅ 作業中は原則停止(人がいる時は特に換気意識)
✅ 可燃物距離、ダクト、防炎、設置、転倒防止を固定ルール化
これらは取扱説明書の注意事項に沿った最低ラインです。
検索上位の解説は「CO2で光合成促進」に集中しがちですが、現場で差が出るのは“CO2を入れた結果として何が起きるか”まで含めた設計です。
cg-1000は熱出力が35kWと明記されており、CO2供給と同時に熱を持ち込む機械であることが数値で分かります。
意外に見落とされやすいのが、CO2施用と換気制御の“目的の衝突”です。
・CO2を入れると密閉したくなる
・しかし燃焼機なので換気を止めるのは危険
このジレンマを解くには、換気をゼロにしない前提で、短時間ONと循環(ハウス内のムラ対策)を組み合わせ、濃度の山を作らない運用が現実的です。
さらに、取扱説明書には「農薬など薬品が浮遊した状態で運転しない」「硫黄燻蒸中は運転しない」といった注意があり、これは“燃焼・送風で空気中の成分を拡散/反応させる”リスクを示唆しています。
つまり、cg-1000導入で収量を狙うなら、施用スケジュールを防除・燻蒸・熱消毒(蒸し込み)と同じカレンダー上で管理し、衝突を避ける運用設計が結果的に最もコストを下げます。
運用改善の小技(意外と効くポイント)
・「朝だけ」や「晴れだけ」に偏らせず、濃度計のログで“不足する時間帯”を特定してから当てに行く(ムダ施用を減らす)
・ハウス内のCO2ムラを疑う(機械の能力より、拡散と循環がボトルネックになりやすい)
・安全装置(対震・CO等)の点検を“月1の儀式”にする(事故が起きると収量どころではない)
取扱説明書(安全・運転・点検の一次情報)
取扱説明書:換気・距離・CO警報器・タイマー設定などの安全基準(注意事項と点検項目の根拠)