ブリックス 糖度 果実 収穫 測定

ブリックス糖度の意味から果実の測定手順、現場でぶれない判断基準、糖度を上げる栽培の考え方までを整理します。数字だけに振り回されず、品質と収益に直結する使い方はできていますか?

ブリックス 糖度 果実

ブリックス糖度を現場で使い切る
📏
意味を誤解しない

ブリックスは「糖だけ」ではなく、果汁中の可溶性固形分の指標として扱う。

🌡️
測定のブレを潰す

温度・校正・採汁方法で値が動くため、手順を固定して比較可能なデータにする。

🍊
栽培判断に落とす

水分ストレスやシートマルチ等は糖度を押し上げる一方で裂果リスクもあるため、強弱設計が重要。

ブリックス 糖度 果実 とは と 定義


果実の「糖度」として現場で言われる数値の多くは、糖用屈折計(いわゆる糖度計)で測った示度で、一般にブリックス(°Bx)として扱われます。
ただし、ブリックスは本来「ショ糖水溶液の濃度目盛」を基準にして屈折率を換算した値であり、果汁中の値はショ糖だけで決まるわけではありません。
果汁には糖以外にも酸やミネラルなどの可溶性成分が含まれ、これらも屈折率に影響するため、「ブリックス=糖のグラム数」と短絡しない方が事故が減ります。
ここが誤解されやすいポイントです。例えば、同じ甘さに感じても酸が高い果実は「味が締まる」ため、ブリックス単体より“糖と酸のバランス”の方が販売現場の評価に近い場面があります。


参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/52/8/52_708/_pdf

また、加工・規格の世界ではブリックス(糖用屈折計示度)が基準として明確に扱われており、食品分野ではJASにおいて糖用屈折計示度(Brix)での測定が定められている例もあります。


参考)https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-278.pdf

ブリックス 糖度 果実 測定 方法 と 屈折計

糖度計(屈折計)は「光の屈折率が溶液中の可溶性固形分で変わる」性質を利用して、果汁のブリックスを短時間で出します。
現場の失敗で多いのは、測り方が人によって違い、同じ圃場・同じ品種でも比較できないデータになってしまうことです。
測定手順は、ざっくり次の“固定化”が効きます。


特に果実は均一ではありません。機器のガイドでも、果実・野菜は試料の加工方法(スライス、押しつぶし等)で結果が変わり得ること、部位差を測り分けられることが示されています。

出荷判定に使うなら、ロットの取り方(樹の内外、日当たり、着果位置)まで含めて採取設計を決めると、数字が“使える記録”になります。

ブリックス 糖度 果実 温度補正 と 校正

ブリックスは基準温度(一般に20℃)を前提に語られることが多く、試料温度が違うと値が動き、測定の再現性を落とします。
そのためデジタル糖度計には、自動温度補償(ATC)で20℃換算を行う機種が多い一方、温度が安定するまで待つことが推奨されるケースもあります。
温度の影響を“運用で潰す”なら、次が堅いです。


  • 試料と機器を同じ環境に置き、温度差を小さくしてから測る(急冷・直射日光直後は避ける)。

    参考)https://www.eng-book.com/pdfs/f6847a6229f2ee127f99053a6d1ed3e5.pdf

  • ATCがあっても、プリズム上で試料温度が落ち着くまで数秒待つなど、手順を固定する。​
  • 温度補正表で20℃換算する運用もあり、測定温度と換算の考え方が示されています。​

意外に見落とされるのは「温度が違う日のデータを、同じものとして並べてしまう」ことです。


参考)糖度計の正しい使い方

糖度計の表示が小数1桁でも、圃場の施策比較や収穫適期の見極めに使うなら、温度・校正・採汁の3点が揃って初めて“判断材料”になります。

ブリックス 糖度 果実 高糖度 と 水分ストレス

果実の糖度を上げる方法としてよく語られるのが、水分ストレスを与えて果実内の可溶性成分を濃縮させる考え方です。
例えば、みかん産地では雨水を遮断するシートマルチ栽培など、水分供給を抑制して適度な乾燥ストレスを与え高糖度を狙う技術が紹介されています。
ただし“効かせれば勝ち”ではありません。公的資料でも、秋期の水分ストレスは糖度上昇効果が見られる一方で裂果を助長するため、強いストレスは付与しないよう注意が示されています。


参考)https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/2535.pdf

つまり、糖度(ブリックス)を追うほど、裂果・肥大抑制・樹勢低下などの副作用と表裏になるため、目的を「数値最大化」ではなく「販売で評価される品質の安定」に置く方が結果的に強いです。

現場での組み立てとしては、次の考え方が使えます。


  • 収穫直前だけ極端に乾かすのではなく、肥大期以降の“段階的な水分管理”でリスクを下げる。

    参考)果実の生産研究の現場:農林水産省:農林水産省

  • 糖度が上がる施策ほど、裂果や樹への負担も増える前提で、天候(降雨)を見た逃げ道を用意する。​
  • 施策の良し悪しは単発の最大糖度ではなく、ロット平均・ばらつき・クレーム(割れ、日持ち)で評価する。​

ブリックス 糖度 果実 独自視点 と 記録

検索上位の解説は「ブリックスとは」「糖度計の使い方」「温度補正」「糖度を上げる栽培」に寄りがちですが、実務で差がつくのは“数字を意思決定に変える記録設計”です。
ブリックスは可溶性固形分の指標であり、糖以外の成分も混ざるため、単純な糖分量の物差しとして扱うと、施策の評価がぶれます。
そこでおすすめは「糖度測定を、圃場のログとして標準化する」ことです。具体的には、下のような最低限の項目を毎回セットで残すと、翌年以降の再現性が跳ね上がります。


  • 測定日・天候・直近降雨・気温(試料温度のズレ要因)。​
  • 校正の有無(ゼロ点)、使用した機器、ATCの有無。​
  • 採取位置(樹冠の内外、日当たり)、サンプル数、部位(ヘタ側/尻側などのルール)。​
  • 値の扱い:平均、最小、最大、標準偏差の代わりに“レンジ(最大-最小)”だけでも残す。​

“意外な効きどころ”は、販売クレームと糖度の関係を同じ帳票で追うことです。糖度を上げる水分ストレスは裂果を助長し得るため、糖度ログと裂果率・日持ちを同時に見れば、「どこまで攻めると儲かるか」の線引きが自分の圃場で見えてきます。

つまりブリックスは、単なる品質アピール用の数字ではなく、栽培・収穫・選果・出荷の“再現性”を上げるための共通言語として使うほど価値が出ます。


参考)Brixとは

測定や規格の前提を確認したい(糖用屈折計示度=Brixの扱い、基準表など)。
加工・規格での糖用屈折計示度(Brix)基準(表・定義の確認)
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-278.pdf
糖度計の“試料の作り方”を詰めたい(果実・野菜の採汁・加工方法、測定時の待ち時間の目安)。
果実・野菜の測定手順の具体例(試料加工、温度補償範囲の注意)
https://www.kem.kyoto/wp-content/uploads/2021/02/guide_bx-1_common_ver00.pdf
水分ストレスで糖度を上げるときのリスクも押さえたい(裂果を助長、強いストレスは避ける)。
秋期の水分ストレスと裂果の注意点(糖度上昇効果と副作用)
https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/2535.pdf




吉川国工業所 ブリックス9015WH×5