バーチカルハローの中古価格は「耕幅(作業幅)」「年式」「摩耗(ブレード・ローラー)」「付属(シーダ等)」「輸送費込みか」で、同じ型式でも大きく上下します。例えば専門中古販売の掲載例では、BETA300(年式2004年・標準耕幅290cm・入力軸回転速度540rpm・標準作業速度8km/h以下・ブレード7~8分山)といった、仕様が明記された個体が提示されています(価格はASKだが新品価格は3,474,900円の記載あり)。こうした「仕様が読める個体」は比較がしやすく、相場観を作る起点になります。
中古相場を把握するときは、単に「本体価格」だけでなく、以下を必ず同じ条件にそろえて比較します。条件がズレたまま比較すると、安いと思って買ったはずが、後から総額で逆転しやすいです。
・本体価格(税別/税込)
・運賃(県外搬送・積み下ろし・フォークリフト手配の有無)
・交換前提部品(ブレード、ベアリング、オイル、シール類)
・作業幅と適応馬力(幅が広いほど本体価格も維持費も上がりやすい)
・「現状渡し」か「整備渡し」か
意外に効くのが「現状渡し」の意味です。専門中古販売ではパーツ状態を“現状渡し”としてブレード残量の目安を提示し、現物確認を推奨する書き方がされています。文章にある通り、状態確認を飛ばすと“思ったより摩耗が進んでいた”“ローラーの回転が渋い”などが購入後に発覚しやすく、結局は高くつくことがあります。
参考:中古個体の仕様(耕幅・耕深・回転数・ブレード残量)を読み解くのに使える
https://www.sir-ag.co.jp/product.php?mode=search&category=11
中古の現物確認で最初に見るべきは、土に触れる消耗部よりも「回転系の致命傷」です。理由はシンプルで、ブレード摩耗は計画的に交換できても、駆動系の不具合(異音・振動・漏れ)は修理が高額化しやすいからです。
目視と試運転(可能ならPTOで空転)で、最低限ここを押さえます。
✅ ブレード:減り方が左右で極端に違わないか、欠けや曲がりがないか(残量表記がある場合は根拠も確認)
✅ ローラー:回転のムラ、引っ掛かり、異音、左右端のガタ
✅ オイル漏れ跡:ミッションケース、チェーンケース周りの滲み・付着(“拭いた直後”の可能性もあるので裏側も見る)
✅ ベアリング周辺:焼け色、異常発熱の跡、グリス切れの粉っぽさ
✅ フレーム:溶接補修跡(悪いとは限らないが、なぜ割れたか=使い方の履歴を推測できる)
「意外な盲点」になりやすいのが、土が付く部分ではなく“入力軸回りの癖”です。耕うん系アタッチメントは、前オーナーの使い方で負荷が全く違います。例えば硬盤気味の圃場で深め・高速で回されていた個体は、外観がきれいでも駆動部に疲労が残っていることがあります。
そして、販売写真や短文説明だけでは判断できないため、仕様が書かれている個体ほど安心材料になります。耕深(8~18cmなど)や入力軸回転速度(540rpm)まで書いてある個体は、少なくとも「何を前提に使う機械か」が読み取りやすいです。
中古導入後のトラブルを減らすコツは、「最初の一回で、基本整備をやり切る」ことです。現場では繁忙期に入ると、異音や振動が出ても“とりあえず回す”になりがちで、結果的に修理が大きくなります。
まず安全面。回転作業機の取扱説明書では、点検・整備・掃除のときはエンジン停止、作業機の下にもぐらない、PTO回転速度を守る、といった基本注意が繰り返し明記されています。特に「作業機指定のPTO回転を守る」は、事故だけでなく“機械破損”にも直結するため、中古ほど徹底したいポイントです。
次に整備面。取扱説明書の記載例では、ギヤオイルは#80または#90、初回は使用後20時間、以後100時間を目安に交換、というように交換タイミングの考え方が示されています。中古は前歴が不明になりやすいので「納品直後にオイルを一度交換して基準を作る」のが、管理上もっともラクです。
ここで“あまり知られていないが効く”のが、ユニバーサルジョイント(PTOシャフト)の長さ確認です。取扱説明書では、最縮時にスキマが一定以上あること、最伸時に重なりが一定以上あることなど、適正長さの判定方法が具体的に書かれています。中古導入でトラクタ側のリンク設定やトップリンク長が変わると、ジョイント角がきつくなって振動が出たり、最悪は破損に繋がるため、ここは“整備”というより“取付の品質管理”として見てください。
参考:PTO回転・点検整備・オイル交換・ジョイント長さの基準がまとまっている(他の回転作業機にも共通)
https://www.sasaki-corp.co.jp/_src/81084031/ma_mj.pdf?v=1766623432454
中古選びで失敗が多いのは「価格が安いから」で耕幅を決めてしまい、結果としてトラクタと圃場条件に合わないケースです。耕幅は作業能率だけでなく、PTO負荷、燃料、爪・ブレードの消耗速度、旋回や搬送の扱いやすさまで一気に変わります。
専門中古販売の掲載例では、BETA300が適応トラクタ90~110PS、標準耕幅290cm、標準耕深8~18cm、機体質量780kgといった形で“必要な前提条件”が並んでいます。中古購入では、この「適応馬力」と「重量」を見落とすと、発進時・登坂時・圃場出入りで前輪が浮くなど危険側に寄ることがあります。別機種の取扱説明書にも、重い作業機装着時はフロントウェイトでバランスを取る旨が明記されており、理屈はバーチカルハローでも同じです。
耕幅の決め方は、数字の“最大値”より、実際の作業体系の“詰まりやすさ”で決めると安定します。
・畦が多い、区画が小さい:幅を欲張ると旋回回数は減っても取り回しで時間が増える
・残渣が多い圃場:幅よりも砕土・鎮圧の仕上がり優先で、ローラー状態が良い個体を選ぶ
・輸送が多い:幅が広いほど搬送条件(車両、積載、法令、保管スペース)が効いてくる
そして中古は「幅が同じでも状態で別物」です。例えば同じ290cm級でも、ブレードが7~8分山の個体と、摩耗が進んだ個体では、初年度に必要な交換費が変わり、結局の総支出が変わります。
検索上位の記事は、どうしても「相場」「在庫」「メーカー」「型式」「点検項目」に寄ります。ここでは現場で差が出やすい、もう一段手前の話として“中古を買う前に、圃場側の条件を整える”視点を入れます。これをやると、同じ中古機でも仕上がりが安定し、結果として機械寿命も伸びやすいです。
ポイントは「バーチカルハローは万能ではない」ことを前提に、工程設計を組むことです。専門中古販売の説明でも、対象として“プラウ耕起後に土を練らずに残渣を掘り起こしたくない方”のように、向く条件が具体的に書かれています。つまり、前工程(耕起の質)とセットで性能が決まります。
中古導入前に、次を確認しておくと“購入後の不満”が減ります。
・作付けと土質:砕土を細かくしすぎたいのか、鎮圧を効かせたいのか(目的が曖昧だと機種選定がブレる)
・残渣処理:すき込みの深さ・タイミングを揃える(残渣がムラだと、ハロー側で無理をしがち)
・作業速度の上限:無理にスピードを上げるより、仕上がりと故障率のバランスを見る(仕様に作業速度の目安がある個体は従いやすい)
・保管環境:屋外放置は、ローラー軸や回転部の固着・腐食を呼びやすい(中古は特に“保管歴”が状態に出る)
さらに意外と効くのが「買う店の強み」を使い分けることです。仕様を細かく出す専門店は比較しやすい一方、現物を見ないと分からない要素(音・振動・修復歴)もあります。だからこそ、現物確認推奨の記載がある店は“見に行って判断する前提”で動くと失敗が減ります。
最後に、購入直前の実務チェックとして、最低限これだけは紙に書き出してから商談に入ると、判断が速くなります。
・狙いの耕幅(cm)と適応馬力(PS)
・PTO回転(540rpm等)とトラクタ側の設定確認
・ブレード交換の見積り(部品代+工賃+交換タイミング)
・輸送費と納期(いつから使えるか)
・現状渡しの範囲(どこまで保証/整備されるか)
この一手間で「相場より安いから買う」から「条件に合うから買う」に判断軸が変わり、上司チェックでも説明が通りやすくなります。