「アンビション(ambition)」は英語由来で、基本の意味は「野心・大志・野望・願望」といった“強い達成欲求”の領域にあります。
ただし日本語で「野心」と言うと、権力志向や出世欲のように“利己的で黒い印象”が強くなる場面があるため、同じ単語でも受け取りがズレます。
英和辞典の例文にも「political ambition(政治的野心)」「ambition for power(権力への野心)」のように、権力・地位と結びつく用法が明確に載っています。
一方で「Her ambition is to be a ballet dancer」のように、職業的な夢や長期の目標にも普通に使われるため、「アンビション=悪い意味」と決めつけるのは早計です。
農業の文脈で「野心」を前面に出すと、家族経営や地域の関係性の中では角が立つことがあります。そこで現場では、同じ“強い意欲”でも次のように言い換えると摩擦が減ります。
✅ 言い換え例(ニュアンス順)
・アンビション=大志(外に開いた挑戦)
・アンビション=抱負(内に置いた決意)
・アンビション=志(筋の通った方向性)
・アンビション=目標(測れる形にしたもの)
「アンビション」を「大志」と訳すときは、“長期の方向性”や“人生設計に近い大きさ”が出ます。
英語学習系の解説では、ambitionは仕事での成功、地位、影響力などを求める「野心・野望」寄りの語として説明されることも多く、語の芯に「上昇志向」がある点が強調されます。
一方、別の辞典解説ではコアイメージを「なりたい自分や手に入れたい結果を思い描き、そこへ進もうとする気持ち」とまとめており、必ずしも権力だけに限定されません。
ここを農業従事者向けに噛み砕くと、「願望(wish)」は“こうなったらいいな”で終わりやすいのに対し、アンビションは“そうなるために動く前提”が含まれます。
参考)英語「ambition」の意味・使い方・読み方
たとえば「良いトマトを作りたい」は願望でも言えますが、「5年で土づくり・品種・販路まで揃えて、地域の指名買いを作る」はアンビションに近い設計です。
この差は、言葉遊びではなく、後述する「目標」や「計画」に落ちるかどうかの差になります。
ambitionは「一般的な意欲」と「具体的な目標」の両方で使われ、文脈によって可算・不可算が切り替わる、という説明があります。
同じページでは、具体的な目標としては「an ambition to be a doctor」のように言い、一般的な意欲の不足は「lack of ambition」と表す例が示されています。
また、例文として「ambition to make a name for himself as a writer(作家として名を残す野心)」のように、“何を達成したいか”をto不定詞で接続する型が辞典に掲載されています。
農業の現場で使うなら、まず「アンビション(方向性)」→「目標(数字)」→「計画(工程)」の順に落とすと、言葉が空回りしません。
🧑🌾 例:露地野菜のケース
・アンビション:地域で“安定供給”と“品質”の両立を実現したい(大志)
・目標:作付け面積、反収、秀品率、直販比率を年次で上げる(測れる)
・計画:土壌診断→施肥設計→播種時期の分散→選果基準→販路別パッキング(工程)
参考:農業の事業計画書は、単なる書類ではなく成功確率を高める「設計図」であり、目標や売上根拠などを明確にする重要性が述べられています。
参考)農業の事業計画書の書き方・記入例をテンプレを基に融資のプロが…
(事業計画の位置づけ・目標の具体化の考え方)
農業の事業計画書の書き方・記入例をテンプレを基に融資のプロが…
意外に知られていませんが、ambitionの語源はラテン語ambitio(ambire=周りを回る)に由来し、もともとは選挙で票を集めるために“周りを回る行為”を指した、という解説があります。
つまりアンビションは、頭の中で燃える気持ちだけではなく、本来は「人に会いに行く」「周囲を回って関係を作る」といった“外向きの動き”と相性が良い言葉です。
この語源を農業に置き換えると、アンビションは「規模拡大」だけではなく、次のような“回る行動”に落とせます。
🚜 アンビションを行動に変える「回る」例
・圃場を回って、病害虫や水管理の“兆し”を拾う(観察の反復)
・直売所・市場・飲食店を回って、求められる規格を掴む(需要の把握)
・地域の先輩農家や普及指導員のところへ回って、技術の穴を埋める(学習の導線)
・繁忙期前に資材店・運送・パート人材の関係者を回って、詰まりを減らす(段取りの前倒し)
「アンビションがある」と言うとき、強い言葉に聞こえてしまう場合は、「現場を回って形にするところまで含めてアンビション」と定義しておくと、現実的で信頼されやすくなります。
農業の経営では、アンビションを“夢”のまま放置せず、数値目標や工程に落とすほど、金融機関や補助金、共同作業者とのコミュニケーションが成立しやすくなります。
別の農業経営の解説では、ビジョンの後に売上・所得などの数値目標を置き、計画は「いつまでに何をやるのか」をなるべく単純にするのがコツだと述べています。
ここで役立つのが、「アンビション=一言」「目標=指標」「計画=作業」の3点セットです。
📌 現場でブレないための書き方(例)
・アンビション(1行):地域で選ばれる産地になる
・目標(指標):売上、所得、反収、秀品率、クレーム率、直販比率
・計画(作業):播種分散、作業動線、選果基準、温湿度管理、記録の標準化
また、日本政策金融公庫の資料には「経営ビジョンシート」の例があり、理念や目標年の売上目標など、ビジョンを言語化・数値化していく雛形が示されています。
参考)https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/jigyoseihyoka_jirei03.pdf
(経営ビジョンを文章・数値で整理する雛形の参考)
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/jigyoseihyoka_jirei03.pdf
アンビションは、強い言葉だからこそ「意味」を丁寧に整えると武器になります。辞書的には「野心・大志・野望・願望」まで幅があり、どの訳を採るかで人間関係の摩擦も成果も変わります。
参考)ambitionとは・意味・使い方・読み方・例文 - 英ナビ…
農業では特に、「アンビション(方向性)」を「目標(数字)」と「計画(工程)」に接続して初めて、現場で再現できる言葉になります。
参考)農業経営ビジョンを描こう! ~ 農家の経営計画のつくり方 ~…

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