農業で使う単管パイプの規格と長さ!法律と選び方のコツ徹底解説

農業資材として単管パイプを導入する際、規格や長さ選びで失敗していませんか?軽トラ積載の法律や、意外と知らない肉厚の違いによる強度など、農家が知るべき重要ポイントを要約しました。最適なパイプを選べていますか?
単管パイプ導入の重要ポイント
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規格の基本は48.6mm

外径は統一されていますが、肉厚1.8mm(高張力)と2.4mm(従来)で強度と重さが異なります。

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軽トラ積載の「4m」の壁

法律改正後も高さ制限(2.5m)や前後のはみ出し規制により、長いパイプの運搬には注意が必要です。

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メッキと耐用年数

湿度の高いビニールハウス環境では、ZAMやポストジンクなど防錆性能の高いメッキ選びが寿命を左右します。

単管パイプの規格と長さ

農業現場で資材小屋やビニールハウスの補強、果樹棚を作る際に欠かせない「単管パイプ」。ホームセンターで手軽に入手できる反面、その規格や種類、法律に関わる運搬ルールを正しく理解していないと、思わぬ失敗や法的なトラブルに巻き込まれることがあります。ここでは、農業従事者が知っておくべき単管パイプの基礎データを深掘りします。


基礎知識 外径48.6mmと長さの選び方

農業用として流用される単管パイプには、JIS規格(日本産業規格)に基づいた厳格なルールが存在します。まず、最も基本的な数値として「外径48.6mm」という数字を覚えておきましょう。これは足場用として建築現場で使われる標準サイズであり、農業用資材として販売されているパイプ(19.1mm、22.2mm、25.4mmなど)とは一線を画す太さと強度を持っています。


参考)単管パイプ特集 | -ホームセンター通販サイト・コメリドット…

長さのバリエーションと特注
ホームセンターや建材店で在庫されている定尺サイズは、一般的に以下の通りです。


  • 1.0m4.0m (0.5m刻みで在庫されていることが多い)
  • 5.0m6.0m (大型店舗やプロショップ向け)

基本となる「定尺」は4mですが、実際の現場では「あと数センチ足りない」という事態が頻発します。多くの販売店では有料でのカットサービスを行っていますが、端材が出る場合の処理費用が含まれることもあるため、設計段階で「定尺で収まるサイズ(例:間口3.6mハウスなら4mパイプをどう使うか)」を計算することがコスト削減の鍵です。


参考)単管パイプのサイズとは?パイプ製造のプロが直径・厚み・長さに…

また、長さ選びで重要なのが「重量」です。例えば、肉厚2.4mmのパイプの場合、1mあたり約2.73kgあります。4mであれば1本で約11kg。一人で作業する場合、持ち上げられる限界の長さと重さを考慮しないと、施工時の怪我につながります。特に足場の悪い農地での作業では、3m以上のパイプを振り回すのは危険を伴います。


参考)https://kikaim.com/tankantoha.html

参考:コメリドットコム - 単管パイプの寸法図と規格サイズ一覧
※ホームセンター大手のコメリによる詳細な寸法図と重量表があり、購入前の計画に役立ちます。


運搬 軽トラの法律と長さの制限

農家にとって最も身近な輸送手段である「軽トラ」。しかし、単管パイプの購入時、この軽トラが法的な落とし穴になるケースが後を絶ちません。特に注意が必要なのが「4mパイプ」の運搬です。


2022年の道路交通法改正の誤解
以前は「積載装置の長さ+10%まで」しか認められていませんでしたが、2022年5月の改正により「自動車の長さ×1.2倍」まで緩和されました。


一般的な軽トラ(全長約3.4m)の場合、3.4m × 1.2 = 約4.08m まで積載物の長さが許容される計算になります。これだけ聞くと「4mの単管パイプも合法的に積める」と思われがちですが、ここには「高さ制限」という罠があります。


参考)トラック積載の【はみ出しルール】の改正 | 運送業サポート

  • 長さの制限: 車体全長の1.2倍まで(約4.0mはOK)
  • 高さの制限: 地上から2.5mまで

4mのパイプを軽トラの荷台(鳥居)に斜めに立てかけて積むと、その先端は地上から2.5mを容易に超えてしまいます。これは道路交通法違反となります。


合法的に4mパイプを運ぶには、以下のいずれかの方法をとる必要があります。


  1. 水平積み: ルーフキャリアなどを装着し、地面と水平に積載して高さを抑える。
  2. 制限外積載許可: 警察署で事前の許可を取る(ただし、恒常的な運搬には許可が下りない場合もあります)。

「少しの距離だから」という油断が、免許の点数やゴールド免許の喪失につながります。ホームセンターの配送サービスや、2m+2mにカットしてジョイントで繋ぐ方法を検討するのも賢い選択です。


参考)軽トラで4mの長尺物を運搬する方へ!転落のリスクや注意点を知…

推奨 肉厚1.8mmが農業に最適な理由

「肉厚が厚い方が丈夫に決まっている」と考え、迷わず肉厚2.4mmの従来型単管パイプを選んでいませんか?実は、近年の農業利用においては、肉厚1.8mmの軽量単管パイプの方が圧倒的にメリットが大きいのです。これは単なるコストダウン製品ではありません。


高張力鋼(ハイテン)の採用
肉厚1.8mmのパイプの多くは、素材に「高張力鋼板(ハイテン鋼)」を使用しています。これは自動車のボディなどにも使われる素材で、薄くても非常に高い強度を持ちます。メーカーの試験データによれば、従来品(2.4mm)と比較して、1.8mm品は重量が約25%軽いにもかかわらず、引張強度は同等以上であるケースがほとんどです。


参考)単管パイプ肉厚2.4mmと1.8mmの特徴を図や表でわかりや…

農業現場での具体的なメリット

  1. 作業負担の軽減: 4mパイプで比較すると、2.4mm品は約11kgですが、1.8mm品は約8kgです。数百本単位で使用するビニールハウス建設では、この3kgの差が疲労度に直結します。
  2. 価格メリット: 鉄の絶対量が少ないため、鋼材価格高騰の局面でも比較的安価に設定されています。
  3. 強度: 雪や強風に耐えるしなり(靭性)があり、農業用ハウスの骨組みとして十分な性能を発揮します。

ただし、注意点もあります。肉厚が薄く素材が硬いため、ドリルでの穴あけ加工が難しく、ビス(テックスネジ)が食い込みにくいという特性があります。加工を多用するDIY的な用途には2.4mm、骨組みとして組むだけなら1.8mmという使い分けがプロの視点です。

参考:大和鋼管工業 - 単管パイプの荷重実験と強度比較データ
※製造メーカーによる強度実験のデータが公開されており、1.8mmと2.4mmの具体的な強度差を数値で確認できます。


耐久性 メッキの種類と耐用年数

農業用ハウスや露地栽培の棚は、常に高温多湿、紫外線、農薬や肥料による化学的影響にさらされる過酷な環境です。ここで重要になるのが「メッキ」の品質です。単管パイプには大きく分けて2種類のメッキ処理が存在します。


1. 先メッキ(プレジンク)
鋼板の段階でメッキ処理を行い、その後にパイプ状に成形する方法です。


  • 特徴: パイプの内側にもメッキがあるが、溶接部分(シーム部)のメッキが薄くなりがち。
  • 耐用年数: 比較的短く、安価な製品に多い。「白サビ」が発生しやすい。

2. 後メッキ(ポストジンク・ドブメッキ)
パイプに成形した後、亜鉛のプールにドブ漬け(溶融亜鉛メッキ)する方法、または外面に特殊な吹き付けを行う方法です。


農業に革命を起こした「ZAM」メッキ
近年注目されているのが、日鉄などが開発した高耐食性メッキ「ZAM(ザム)」です。亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)を含有し、従来の亜鉛メッキに比べて10倍以上の耐食性を持つとされています。特に切断面から錆が広がるのを防ぐ「自己修復作用」が強力で、パイプを切断して使うことが多い農業現場に最適です。


参考)http://www.hirabayashi-all.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/07/c4b493f2042de77422127caa9eba5757.pdf

ホームセンターで「とにかく安いパイプ」を選ぶと、数年で赤錆だらけになり、被覆ビニールを劣化させる原因になります。初期投資が多少高くても、ZAMやポストジンク規格のパイプを選ぶことが、長い目で見ればコストパフォーマンスに優れます。


DIY 異径ジョイントと互換性の活用

農業の現場では、全てを48.6mmの単管パイプで作る必要はありません。既存の農業用パイプ(19.1mm~25.4mm)と組み合わせることで、コストを抑えつつ機能的な設備を作ることができます。これを可能にするのが「異径クランプ(異径ジョイント)」です。


ハイブリッド構造のすすめ

  • 主柱(親パイプ): 強度が必要な柱や梁には、48.6mmの単管パイプを使用。
  • 妻面・サイド: ビニールを留めるパッカーなどが豊富な、25.4mmや22.2mmの農業用直管パイプを使用。

この組み合わせを実現するためには、48.6mmと25.4mmを連結できる専用のクランプが必要です。「48.6×48.6」のクランプはどこでも売っていますが、「48.6×25.4」や「48.6×19.1」といった異径クランプは、大型ホームセンターやネット通販でないと入手が難しい場合があります。


参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E7%95%B0%E5%BE%84%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97/

互換性の落とし穴「1.8mm管とジョイント」
先述した肉厚1.8mm(軽量単管)を使用する場合、ジョイント選びに注意が必要です。


従来の2.4mm管は内径が約43.8mmですが、1.8mm管は内径が約45.0mmと広くなります。そのため、パイプの中に差し込んで連結する「ボンジョイント」や「インサート継手」を使用する場合、2.4mm専用の製品を使うとガタつきが発生し、強度が著しく低下します。


軽量単管を使用する場合は、必ず「1.8mm管対応(または兼用)」と明記されたジョイント、もしくは外側から締め付けるタイプの「マルチジョイント」を使用してください。この微細な規格の違いを見落とすと、台風などの強風時に継ぎ目から崩壊するリスクがあります。


参考)軽量単管パイプに最適なジョイント3種の比較

参考:モノタロウ - 異径クランプの人気ランキングと規格一覧
※多種多様なサイズの異径クランプが一覧化されており、手持ちのパイプと単管を接続するための部材探しに最適です。