栗用脱穀機と安全作業と回転数

栗用脱穀機を「何をどこまで自動化できる機械か」という視点で整理し、作業能力・回転数・動力・安全作業の要点まで一気に確認できる構成にしました。導入前に確認すべき落とし穴も押さえたいなら、どこから見直しますか?

栗用脱穀機

栗用脱穀機の導入前に押さえる要点
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「脱穀」と「いが剥き」を分けて考える

栗は稲麦と工程が違い、現場では「脱穀機」より「栗いが剥き機」を指して語られることが多いです。目的(いが処理・ゴミ除去・選別)を先に固定すると機械選定が速くなります。

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回転数と動力は“セット”で確認

入力回転数や必要動力は性能と安全性を左右します。仕様に合わない回転数は処理ムラや詰まり、ベルト周りのトラブル要因になりやすいです。

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安全作業は「巻き込まれ」と「点検手順」

農業機械の事故は巻き込まれが典型です。点検調整は停止後に行う、搬送部へ近づかないなど、基本動作の徹底が収穫期の継続稼働に直結します。

栗用脱穀機の用途と工程整理(いが・選別)


栗の現場で「栗用脱穀機」と呼ばれているものは、実際には“いが(毬)を外す工程”まで含めて語られることが多く、稲麦の脱穀(茎から穀粒を外す)とは発想が異なります。
そのため、導入時はまず「何を取り除きたいか」を分解して考えるのが近道です。


✅ 栗の処理で混同しやすい“対象”

  • いが(毬):外皮そのもの。ここを機械化できると作業が一気に楽になります。
  • 異物:草・小枝・土など。投入時点で混ざるほど後工程で詰まりやすいです。
  • 未分離物:いがと実がうまく分かれていない状態。再処理の仕組みがあると歩留まりが安定します。

たとえば共立の栗いが剥き機CBH2Aは、ローラー揺動式でいが剥きを行い、さらに傾斜溝風選式で「毬と栗(果実)」の選別までを想定した構造になっています。公式情報でも“果実を傷めず確実にいが剥き作業が行える”点が明記されています。


参考)CBH2A

つまり「栗用脱穀機=投入したら“いが処理+分別”まで進む機械」として捉えると、選ぶべき仕様(能力・回転数・動力・設置性)が具体化します。

栗用脱穀機の回転数と所要動力(入力回転数)

栗用脱穀機(実務上は栗いが剥き機)で軽視されがちなのが、入力回転数と所要動力の“セット確認”です。
回転が足りないと食い込みが弱くなって処理が進まず、逆に無理に上げると損傷や詰まりの誘発につながりやすいので、まずはメーカー仕様を基準に組みます。


共立CBH2Aの場合、入力回転数は1700以上(rpm)で、所要動力はエンジン2.9kWまたはモーター750W以上とされています。

また、原動機(エンジンorモーター)やプーリー、ベルトが別途必要である点も公式に明記されており、「本体だけ買って終わり」にならないのが重要ポイントです。

✅ 仕様読みで失敗しにくいチェック

  • 入力回転数(rpm)の下限が書かれているか(“以上”の意味を軽く見ない)。​
  • 所要動力がkWで書かれているか(手持ちモーターで足りるか即判断)。​
  • ベルト・プーリーが別手配か(現場調達で納期が伸びる原因になりやすい)。​

意外と効く“現場の落とし穴”は、回転数は満たしているのにトルク不足で負荷時に回転が落ち、結果として詰まりや再投入が増えるケースです。回転数表記だけで安心せず、所要動力も同列に扱うと、収穫期の停止時間を削りやすくなります。

栗用脱穀機の能力と処理量(kg/時)

処理能力は「速さ」だけでなく、作業設計(人員・運搬・一時置き場)を決める基準になります。
能力が高い機械でも、投入前の前処理(大きな枝や草を落とす、土の混入を減らす)が弱いと、結局“止まる機械”になりやすいからです。


共立CBH2Aの能力は350〜400kg/時、寸法は1670×620×955mm、本体乾燥質量は85kgとされています。

この数字は「一人が投入し続けられるか」「回収コンテナが追いつくか」「移動や設置をどうするか」の判断材料になります。

✅ 処理量から逆算する作業設計の例

  • 1時間で350〜400kg処理できるなら、2時間で約700〜800kgが“機械側の処理上限”になります。​
  • 収穫のピーク日は、投入待ち(山積み)を作らない動線の方が、実は作業が速いです。
  • 大量処理ほど「詰まりゼロ運転」が効くので、投入物の品質(草・枝・土)を揃える価値が上がります。

ここでの“意外な盲点”は、能力が高いほど、周辺作業(運搬・荷受け・袋詰め・一時保管)の遅れがボトルネック化し、機械が止まることです。機械の能力値は魅力ですが、同時に周辺工程を強制的に高速化する数値でもあります。

栗用脱穀機の安全作業(巻き込まれ・点検)

栗用脱穀機のような回転体・搬送体を持つ機械では、事故の典型が「巻き込まれ」です。
安全は精神論ではなく、作業手順として固定すると強いです。


日本農業機械化協会の資料(動力脱穀機)では、安全作業のポイントとして「取扱説明書や安全表示ラベルを良く読み理解する」「フィードチェーン等への巻きまれに注意」「点検調整を行う時は必ずエンジンを止めてから」などが挙げられています。


参考)https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/pdf/ao04.pdf

さらに、積み降ろし時にあゆみ板を使い、途中で変速操作などをしない、といった“移動時の事故”への注意も示されています。

✅ 栗の現場で特に効く安全ルール(実務向け)

  • 詰まり除去は「停止→完全停止確認→手を入れる」の順に固定する。​
  • ベルト・プーリー周りはガード前提で、服の袖口・手袋の引っ掛かりも作業前にチェックする。
  • 「少しだけ」投入物を押し込む動作が最も危険になりやすいので、棒など補助具を標準装備にする。

安全対策は生産性と矛盾しません。むしろ、収穫期に負傷で人が抜けると作業全体が崩れるため、点検・停止手順の徹底は“稼働率を上げる施策”として扱うのが現実的です。

栗用脱穀機の独自視点:導入前の段取り(別途必要・設置)

検索上位の説明は「機械の性能」中心になりがちですが、現場で差が出るのは“導入前段取り”です。ここを詰めると、同じ機械でも体感が別物になります。


共立CBH2Aは、原動機(エンジンorモーター)やプーリー、ベルトが別途必要と明記されているため、導入時は「本体+動力+伝達系+設置」の4点セットで見積もるのが安全です。

この“別途必要”は、単に費用の話ではなく、回転数(入力1700以上)を満たすためのプーリー設計・ベルト本数・張り調整の手間も含んでいます。

✅ 段取りで差が出るポイント

  • 設置場所:投入・排出・回収の導線が直線になると、能力350〜400kg/時を活かしやすいです。​
  • 予備部材:ベルト・プーリーは“壊れてから”だと収穫期に間に合わないことがあるので、型番で控えておく。​
  • 事前試運転:収穫ピーク前に、少量で回転数・振動・排出の詰まりを確認しておく(当日の停止が激減します)。

「栗用脱穀機を買ったのに、結局作業が楽にならない」パターンの多くは、機械そのものよりも、動力・回転数・導線・部材の準備不足で発生します。仕様表の“別途必要”の一文を、段取り表に翻訳してから導入すると失敗確率が下がります。

参考:機械仕様(能力・入力回転数・所要動力・別途必要部材)の根拠(共立CBH2A公式)
CBH2A
参考:巻き込まれ防止・点検時は停止など、安全作業ポイントの根拠(日本農業機械化協会「動力脱穀機」PDF)
https://nitinoki.or.jp/bloc2/riyou/guide/09shuukaku/02.pdf




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