混合燃料の作り方と混合比と保存期間

混合燃料の作り方を、混合比の計算から容器の選び方、攪拌手順、保管の落とし穴まで農業機械向けに整理します。作り置き厳禁の理由やE10の注意点も踏まえ、現場で失敗しない手順を確認しませんか?

混合燃料 作り方

混合燃料の要点(農業機械)
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混合比は取扱説明書どおり

25:1・50:1・100:1などは機種とオイル等級で変わります。迷ったらメーカー表を優先し、自己判断の「濃いめ・薄め」を避けます。

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入れる順番と攪拌が重要

携行缶で混ぜる場合、先にオイル→後にガソリン→よく振るが基本です。給油前に均一化できていないと焼付きや排気トラブルの原因になります。

作り置きは短期が前提

混合燃料は時間経過で性状が変わりやすく、メーカーは保管期間の目安を示しています。特にエタノール混合燃料は分離リスクも意識します。

混合燃料の作り方の混合比(25:1・50:1・100:1)

 

混合燃料で最初に決めるのは「混合比」で、これはガソリンに対して2サイクルエンジン専用オイルをどれだけ混ぜるかの比率です。
農業現場でよくある刈払機動力噴霧機・ブロワー等は、オイル等級や純正指定により100:1・50:1・25:1のように指定が分かれるため、取扱説明書やメーカー表を最優先にします。
例えば丸山製作所の案内では、刈払機等で「純正オイルは100:1」「FC/FD級は50:1」「FB級は25:1」といった形で混合比の目安が整理されています。
「混合比を間違えるとどうなるか」を現場目線で言うと、薄すぎれば潤滑不足で摩耗や焼付きの方向、濃すぎれば燃え残りが増えて排気系や燃焼室の汚れが増える方向に寄りやすい、というのが基本線です。

 

参考)2ストは混合比でパフォーマンスが最適化する!2ストの混合比に…

また、混合比は“同じ2スト”でも機械側の設計(回転数・冷却・負荷)やメーカー想定オイルで変わるので、「昔の感覚で25:1」などの固定観念が事故の入り口になります。

混合燃料の作り方の計算(1L・5L・20mL)

混合比の計算はシンプルで、必要なオイル量(mL)は「ガソリン量(mL)÷混合比」です(例:50:1ならガソリン1L=1000mLなので1000÷50=20mL)。
実際、メーカーの早見では50:1の場合「ガソリン1Lにオイル20mL」「ガソリン5Lにオイル100mL」のように示され、現場での計量ミスを減らせます。
同様に25:1なら1Lで40mL、100:1なら1Lで10mLというように、暗算できる範囲は作業前に覚えておくと給油が速くなります。
ただし、軽量カップが汚れていたり、オイルの粘度で「目盛りどおりに切れない」こともあるため、農繁期ほど“計量器具の専用品化”がトラブル回避になります。

 

参考)チェンソーに適切な混合燃料

早見表を使う場合も、表の単位が「cc(=mL)」である点を理解し、LとmLの変換で混乱しないようにします。

 

参考)http://www.aquaworld-d1.com/index/outboardmotor/mix_rate/mr.html

混合燃料の作り方の手順(携行缶・攪拌・給油)

混合燃料は「許可された携行缶」で混ぜ、缶をしっかり振って均一化するのが基本です。
STIHLの案内では、携行缶で混合する場合の手順として「まずエンジンオイル、次にガソリンを入れる」→「給油前に携行缶を振って混ぜる」ことを推奨しています。
この“先にオイル”は、後から入るガソリンの勢いで撹拌しやすくなるため、短時間で均一にしやすい実務的メリットがあります。
給油時は火気厳禁が大前提で、エンジンが熱い状態での給油を避け、換気の良い場所でこぼさないように扱う注意点もメーカーがチェックリストで整理しています。

混合が甘いまま給油すると、燃料ラインに入る成分が時間帯でブレて「今日は薄い・今日は濃い」が起き得るため、作業前の攪拌を“儀式”として固定化するのが安全です。

混合燃料の作り方と保存期間(30日・分離・E10)

混合燃料は時間が経つと性状が変わりやすく、特にエタノール混合燃料では水分が関与して分離が起きる可能性があると説明されています。
STIHLは、自作の2サイクル混合燃料の保管期間は30日までを目安にし、分離度合いを最小化することを推奨しています。
分離が起きると、オイルが均一に混ざった状態ではなくなり、潤滑不足で回転異常や最悪は焼付きに至る可能性があるため、「古い混合燃料は使わない」が原則です。
また、E10(エタノール最大10%)のような燃料は、機械側が対応していても燃料組成の変化でキャブレター再調整が必要になる場合がある、とメーカーが注意喚起しています。

意外に見落としやすいのは「タンクやキャブに滞留する期間」で、オフシーズンの放置は添加剤の劣化や“ガム(蒸発残渣)”による詰まりリスクが説明されています。

農業機械は稼働が季節に偏りやすいので、作り置きの削減だけでなく、シーズン終わりの燃料管理(残量を減らす、古い燃料を入れ替える等)を作業標準に入れると故障率が下がります。

混合燃料の作り方の独自視点(農繁期のヒューマンエラー対策)

検索上位の説明は「比率・手順・保管」が中心ですが、農繁期に実際に起きるのは“人が忙しくて間違える”タイプの事故なので、運用設計で防ぐのが効果的です。
具体的には「混合比が違う機械が複数ある現場」ほど、携行缶を混合比ごとに固定し、缶に大きく「50:1」「25:1」などを表示して混線を止めます。
さらに、オイル等級(FC/FD/FB)で推奨比率が変わるメーカーもあるため、購入したオイル缶のラベル情報を写真で共有し、誰が作っても同じ判断になる状態を作るとミスが減ります。
この“運用で守る”発想は、混合燃料が正しくても「攪拌し忘れ」「古い燃料の混入」「別比率の燃料の継ぎ足し」などの実務ミスが残るため、チェック項目を短く固定化するのがコツです。

例として、現場の簡易チェックを1分で回すなら「①今日使う量だけ作る ②先オイル後ガソリン ③給油前に必ず振る ④残りは日付を書く(30日超は廃棄側)」の4点に絞ると続きます。

保管目安(混合燃料の30日)と分離・ガムの注意点(なぜ不調が起きるか)がまとまっている参考。
チェンソーに適切な混合燃料
混合比(100:1/50:1/25:1)とオイル等級ごとの目安表(1LあたりmL換算)がまとまっている参考。
https://maruyama-support.jp/maruyama/391/

 

 


AZ(エーゼット) 50:1混合燃料 赤 1L 混合油/混合ガソリン/ガソリンミックス/ミックスガソリン FG008