畜産汚水の処理では、汚水中に固形物をなるべく混入させないことが、コストと効率の両面で重要です。
そのため最初に「固液分離した固形物(し渣物)」と「分離した汚水」を分けて考え、処理フローを二本立てにします。
汚水処理の基本は、まずSS(浮遊物質)など粒子が大きい汚濁を物理的に分離し、その後に溶解性の汚濁を生物・化学的に除去する流れです。
参考)https://www.chikusan-kankyo.jp/newhomepage/kkg/kkg/kkg_4_1-3.pdf
特に活性汚泥の微生物はSSのような大きい粒子をそのまま取り込めず、不活性な汚泥として蓄積しやすいので、生物処理の前段で固形物をできる限り除去するのが安定運転に効きます。
ここで意外に効くのが「固液分離=水をきれいにする」ではなく「後段の生物処理の事故を減らす保険」という考え方です。
ばっ気槽が不安定になると、BODやSSだけでなく、泡立ち・臭気・汚泥引き抜き増など、現場作業が連鎖的に増えます。
畜舎汚水の前処理用の固液分離機には、スクリュープレス、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動ふるい、多重板波動フィルターなどがあります。
一方、余剰汚泥の濃縮・脱水用としては、真空脱水機、加圧脱水機(フィルタープレス)、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機(スクリューデカンタ)、多重円板脱水機などが整理されています。
スクリュープレスは畜舎汚水および余剰汚泥の固液分離に用いられ、高分子凝集剤の併用で分離性能を上げやすい一方、砂などが混入するとスクリュー摩耗が大きく耐久性が低下しやすい点が注意事項です。
また比較的動力が大きい傾向もあるため、導入後の電力・保守を含めて見積もる必要があります。
ローラープレスも凝集剤添加・無添加の運用があり、機種によって動力や条件が変わるのでカタログ上の前提条件を読み落とさないことが大切です。
そして、スクリーン系(ロータリードラム、ベルト、振動など)は「単純に網でろ過する」構造のため、閉塞しづらさや取り扱いの容易さが強みになりやすいです。
現場で見落としやすいのは「方式の強みが、そのまま弱みになる」点です。
例えばスクリュープレスは圧搾で水分を下げやすい反面、異物混入に弱いという性格があり、飼養管理(敷料、砂、洗浄水の入り方)とセットで考えないと性能が再現しません。
分離固形物の水分(脱水ケーキ含水率)は、後段の堆肥化の設計と日々の運転負荷を左右します。
例えばスクリュープレスの脱水ケーキ含水率の目標は、汚水で概ね65~75%、余剰汚泥で80~83%という整理が示されています。
堆肥化の現場では「水分が高い=臭いやすい・切り返しが重い・発酵が遅い」という感覚がありますが、実務上は副資材の確保量と施設容量の計算に落とし込むのが確実です。
評価資料では、乾物量(kg-DS)から湿物量や副資材量、必要な堆肥化施設容積を算定する考え方が示されています。
意外な落とし穴は、分離性能だけ追って「固形分を回収しすぎる」ことです。
固形分回収率が高いほど、汚水側は楽になりますが、固形側(堆肥化・保管・搬出)の仕事量とコストは確実に増えるため、販売先・散布先・堆肥舎の回転をセットで組みます。
なお、臭気対策の実例集では、畜産では畜舎と堆肥舎の2つが主要な臭気発生源で、特に堆肥化の発酵初期や切り返し時に硫黄化合物やアンモニアなど悪臭物質濃度が高くなりやすい点が明記されています。
参考)デカンタ形遠心分離機のIHI
つまり「固液分離で水分を下げ、発酵初期の暴れを小さくする」ことは、近隣対策としても効きやすい設計思想になります。
臭気対策(堆肥舎の運転・設備)参考リンク:発酵初期や切り返し時に臭気が強くなる点、畜舎・堆肥舎の臭気発生源、具体事例がまとまっています。
https://www.env.go.jp/air/akusyu_jirei_chikusan_all_201810.pdf
固液分離機の選定は、まず「畜舎汚水を処理するのか」「余剰汚泥を処理するのか」「両方を兼用するのか」を明確にし、対応できる分離方式の候補を絞る手順が推奨されています。
そのうえで、維持管理性、自動運転・遠隔操作の可否、運転者の熟練の要否、騒音・振動、本体価格と維持管理費を比較検討する流れが整理されています。
処理能力は、1時間あたりの処理汚水量(m3/hr)や固形物量(kg-DS/hr)で表されるので、現場の「最も多いとき」の汚水量と水分を押さえて型式選定します。
また一般に稼働時間は1日6時間程度が多い想定で、日量を稼働時間で割って時間当たり処理量に変換して検討する考え方が示されています。
ここで現場トラブルに直結するのが「水分の前提」です。
資料では豚舎・牛舎の汚水量や水分の例が示されており、ふん尿分離豚舎は洗浄水量により水分が97.2~99.1%程度まで振れ得るなど、条件で性状が変わることが分かります。
つまり、同じ頭数でも洗浄水やこぼれ水が増えた瞬間に“処理対象が別物”になり、分離機の性能再現が崩れやすいです。
運転負担を軽くするコツは、機械の性能より先に「異物混入を抑える現場導線」を作ることです。
スクリュープレスは砂混入で摩耗が増える注意があるため、牛舎の砂落としや通路の管理、敷料の扱い、排水溝の沈砂部など、前段の小さな改善が結果的に設備寿命を伸ばします。
固液分離機の話は機械選びに寄りがちですが、実は臭気・窒素負荷を「発生源側で減らす」発想が、設備を小さく・安くする余地になります。
畜産環境技術の研究開発事業の整理では、豚における低タンパク飼料で窒素排せつ量を低減でき、さらに繊維質飼料の添加で尿中窒素排せつ量を著しく低減し、豚舎内アンモニア揮散量を低減できることが示されています。
ここが「意外な一手」で、固液分離は窒素そのものを消す装置ではありません。
しかし、尿中窒素(アンモニア源)が減れば、固液分離後の液側の負荷も、堆肥舎・貯留槽での揮散も、全体として下がり、結果的に“分離後の管理が楽”になります。
参考)https://www.naro.go.jp/org/iam/kinpuro/pamph/img/023.pdf
さらに同じ整理の中で、豚舎ふん尿混合汚水を希釈せずにスクリュープレス脱水機で処理し、その後に膜分離活性汚泥法でBOD・SS・窒素を効率よく除去できることが明らかにされた、という記載もあります。
つまり「希釈しない(余計な水を増やさない)」「まず固液分離で前処理」「後段は高度処理」という組み合わせは、設備思想として成立し得ます。
研究開発(臭気・窒素低減など)参考リンク:飼料工夫でアンモニア揮散や窒素排せつを下げる話、スクリュープレス後の高度処理など、機械以外の打ち手が拾えます。
https://www.leio.or.jp/project/rdproject/index1.html
最後に、固液分離機の導入効果を最大化するチェック項目を置きます(現場メモ用)。
・✅「処理対象」:畜舎汚水/余剰汚泥/併用を先に固定する。
・✅「汚水性状」:水分・流動性・洗浄水の増減を最悪条件で見積もる。
・✅「異物」:砂・敷料混入は方式の寿命に直結する(特にスクリュープレス)。
・✅「固形側」:分離固形物の水分から、副資材・堆肥舎容量・搬出先まで逆算する。
・✅「臭気」:畜舎と堆肥舎が発生源で、切り返し時に臭気が強くなる前提で運用計画を立てる。

コンポスト 家庭用 屋外 室内使用可能 生ゴミ処理 21L 大容量 密閉性 固液分離 生ゴミ処理機 高い耐久性 6~8年間使用可能 家庭栽培 エコサイクル 連続堆肥化 堆肥化容器 生ゴミコンポスト キッチン・ベランダ両用 固液分離式 エコロジーサイクル (淡緑色)