キッチンで使用される漂白剤は、大きく分けて塩素系と酸素系の2種類があります。塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とし、強力な漂白・除菌・消臭効果を持つため、まな板や白いふきん、食器、茶渋の除去などに向いています。一方、酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムを主成分とし、漂白力や刺激臭が穏やかなため、色柄物のふきんやホーロー鍋、排水口の掃除に適しています。
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塩素系漂白剤の代表的な製品には、花王の「キッチンハイター」や「キッチン泡ハイター」があり、液体タイプと泡タイプで用途に応じた使い分けができます。酸素系漂白剤は素材を傷めにくく、漂白しすぎによる黄変がないという特徴があります。塩素系は水やぬるま湯で希釈して使用しますが、酸素系は約50℃のお湯に溶かして使うとより効果的です。
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キッチンでの使い分けとして、白い食器や調理器具、まな板には塩素系を、色柄物や素材を傷めたくない物には酸素系を選ぶのが基本です。ただし、塩素系漂白剤は強力な成分を持つため、酢や果実などの酸性のものと混ざらないように注意が必要です。
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キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使用する際は、必ず適切な濃度に希釈することが重要です。標準的な希釈濃度は、水5リットルに対してキャップ約2杯(約50ml)、または水1リットルに対してキャップ1杯(約10ml)が目安となります。原液のまま使用すると素材を傷めたり、塩素臭が残る原因になるため避けましょう。
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希釈液を作る際は、洗い桶やたらいに水を張り、適量のキッチンハイターを注ぎ入れます。シンクに直接水を張るのではなく、必ず洗い桶を使用することが推奨されています。また、塩素系漂白剤は熱湯で薄めると塩素ガスが発生しやすく危険なので、水やぬるま湯で薄める必要があります。
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用途別のつけ置き時間も重要で、除菌・消臭の場合は約2分、ウイルス除去の場合は食器用洗剤で一度洗ってから約30秒、漂白の場合は約30分が目安です。つけ置き後は流水で30秒以上、十分にすすぐことが大切です。
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まな板とふきんは菌が繁殖しやすい場所のため、定期的な除菌・漂白が必要です。プラスチックのまな板の場合、キッチンハイターを水5リットルに対してキャップ約2杯で薄めた液に約2分つけ置きし、その後水ですすぎます。木製のまな板には、使用前にさっとぬらして固く絞ったふきんで水気を取ってから使うと、アクや脂などがしみ込みにくくなります。
参考)花王
ふきんの除菌・消臭には約2分のつけ置き、漂白には約30分のつけ置きが効果的です。まな板とふきんを一緒に除菌・漂白する場合は、まな板をふきんで巻き、洗い桶にひたすことで、まな板全体とふきんを同時に処理できます。1日の終わりには必ずキッチンハイターでつけ置き除菌を行い、何枚かのふきんを用意して常に乾いた清潔なものを使うようにしましょう。
参考)花王
スポンジも水分を含んで菌が繁殖しやすいため、使用後はきちんと汚れを落とし、1日の終わりには除菌を心がけると良いでしょう。包丁がステンレス製なら、まな板と一緒にスプレーして2分放置することで、まとめて除菌できます。
花王公式サイトでは、まな板・ふきん・スポンジの除菌方法について詳しい手順が紹介されています
キッチンハイターが使える素材には、陶器、ガラス器、プラスチック製品、木・竹製のまな板、ステンレス製品があります。弁当箱やタッパーなどのプラスチック製容器は色やニオイがつきやすいため、液体タイプでのつけ置き洗いがおすすめです。液体タイプは細かな隙間やパッキンの部分まで浸透し、菌の繁殖を防ぎながら気になるニオイや色素汚れを漂白・除去できます。
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一方、使用できない素材もあります。ステンレスは短時間の使用は可能ですが、長時間つけ置きするとサビの原因になるため注意が必要です。アルミ製品は変色や劣化の恐れがあるため、キッチン泡ハイターなどの塩素系漂白剤は使用できません。また、金属製の容器や金属製のボタン・ファスナーがついたものも避けましょう。
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色柄物の食器やふきんには、塩素系漂白剤ではなく酸素系漂白剤の使用が適しています。酸素系漂白剤は素材を傷めにくく、色落ちのリスクが低いため、デリケートな素材にも安心して使えます。使用前には必ず製品パッケージの注意書きを確認し、使える素材かどうかを確かめることが大切です。
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排水口の掃除には、吹きかけることで密着して効率よく汚れを除去できる泡タイプの塩素系漂白剤がおすすめです。排水口のフタやゴミ受けの網など、取り外せるものはすべて取り外し、取り外した部品と排水口の中に塩素系漂白剤をかけます。フタの裏側や排水口のフチなどもかけ忘れのないように注意しましょう。
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排水口の部品を効率的に漂白する方法として、厚みのある丈夫なポリ袋に40〜50℃のお湯を溜め、液体塩素系漂白剤を表記に従って適量入れ、排水口のゴミ受けや排水栓のカゴを入れて30分ほど漬け置きする方法があります。ポリ袋の口を結んで待つ間に、排水口の周りや排水トラップの中を使い古しの歯ブラシで擦ると、より効果的です。
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頑固な汚れには、液体タイプのキッチンハイターを水で5倍に薄めた液の中に部品を入れて、約30分程度つけ置きする方法も効果的です。週に1〜2回の頻度で、ゴミ受けに溜まったゴミを取り除き、キッチン泡ハイターをスプレーして5〜10分置いた後に水で流すことで、排水口を清潔に保てます。
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キッチン漂白剤を使用する際には、必ず換気を行い、ゴム手袋を着用することが重要です。塩素系漂白剤の成分は強力なので、素手で使うと手荒れの原因になります。もし漂白剤に手を触れてしまった場合には、念入りに洗い流しましょう。塩素系漂白剤を単体で使っている場合でもにおいで具合が悪くなることがあるため、使用時には必ず換気することが大切です。
最も重要な注意点は、「混ぜるな危険」を必ず守ることです。キッチン泡ハイターなどの塩素系漂白剤は酸性のものと混ざると、有毒なガスが発生します。生ゴミや食酢、アルコールと混ざらないようにする必要があります。もし混ざってしまった場合には、その場を離れて換気を行いましょう。
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保管方法については、直射日光が当たらない場所で保管することが基本です。例えば、戸棚や引き出しなどが最適です。高温を避け、常温で保管することが理想で、特に夏場の高温に注意が必要です。容器が破損したり、液がもれたりしないように十分注意し、倒して保管しないようにしましょう。また、高温や直射日光、長期間の保管によって、漂白成分や消臭成分が徐々に分解され、効果が低下することがあります。
参考)花王
漂白剤を廃棄する際は、安全に配慮した方法で処分する必要があります。塩素系漂白剤を排水口に流すときは、原液のまま流さず、多めに水を流しながら処分してください。薬剤の成分が強いため、配管を傷める恐れがあるからです。大量の水を流して漂白剤を薄めながら捨て、漂白剤の成分が完全に流れ切るように、容器の中身を出し終わった後も1分程度水を流し続けることが大切です。
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1度にボトル半分以上の廃棄は避け、何回かに分けて排水口に流すようにしましょう。残量が少量の場合は、水で薄めて少しずつ排水口に流すことができますが、一度に大量に流すと環境への負荷が大きくなるため注意が必要です。また、希釈した漂白剤の作り置きは除菌効果が下がるため避けるべきです。
農業従事者の方が作業場のキッチンで漂白剤を使用する場合、ほかの薬剤を混ぜると危険なので、流す時は1種類ずつ流すことを徹底しましょう。容器の廃棄については、お住まいの自治体によって処分ルールが異なりますが、プラスチック製の容器は軽く水洗いしてから「プラスチック製容器包装」の日に出すことが一般的です。粘度のある原液が排水管内に残ると、詰まりやにおいの問題、さらには排水管の腐食を誘発してしまうため、必ず水で薄めながら処分することを心がけてください。
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キッチン漂白剤は毎日使うと漂白剤特有のニオイが気になることもあるため、基本的には週に1〜2回程度の定期的な使用や、汚れやニオイが気になった時に使用するのが適切です。まな板やふきんは菌が繁殖しやすいため、1日の終わりにキッチンハイターでつけ置き除菌を行うことが推奨されています。
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シンクの排水口には、週に1〜2回の頻度でゴミ受けに溜まったゴミを取り除き、キッチン泡ハイターをスプレーして5〜10分置いた後に水で流すと効果的です。また、シンクに50℃程度のお湯を溜め、一気に流すことで、油汚れの予防にもなります。
効果を維持するためのコツとして、まな板は2枚用意するのがベストで、1枚の場合は表・裏で使い分けることが推奨されています。ふきんも何枚か用意して、乾いた清潔なものを使うようにしましょう。スポンジは使用後はきちんと汚れを落として、1日の終わりには除菌を心がけることで、菌の繁殖を効果的に防げます。
食器やタッパーなどのプラスチック製品は色やニオイがつきやすいため、定期的なつけ置きで清潔を保つことが重要です。ただし、毎日の過度な使用は素材を傷める可能性があるため、汚れの程度に応じて頻度を調整することが大切です。
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