あなたの牧草、乾きすぎていませんか?実は水分が少ないと腐敗リスクが3倍になります。
ホールクロップサイレージの品質は、収穫時期の判断で8割決まります。穂が出てから20〜25日後、子実が「黄熟期」に入る直前が理想です。この時期は水分が約65%になり、発酵微生物が活動しやすい状態です。
ただ、北海道のように気温が15℃を下回る地域では、発酵菌の働きが弱まります。そうした地域では、コンバイン収穫よりもカッターハーベスタを用いた細断が推奨されます。粒が均一であれば乳酸菌の増殖も安定します。
つまりタイミングが命です。
最近はドローンで圃場を観察し、穂の色や乾燥速度を自動分析する例も増えています。農協の「スマート営農支援」などのアプリを使えば誰でも導入でき、収穫適期を逃すリスクが半減します。
収穫判断はデータ活用が基本です。
刈り取りの高さも品質を左右します。一般的に地上5〜10cmが推奨ですが、実は高さ10cmを超えると繊維割合が減り、可消化養分総量(TDN)が約5%上昇すると報告されています。
数字で見ると納得ですね。
ただし、細断は短すぎると詰まりやすく、長すぎると圧密が甘くなります。目安は1〜2cm。はがきの横幅程度が理想です。特にモミやトウモロコシなど粒を含む全草では、2cm超えると空気残留が多く腐敗源となります。
1cm前後が原則です。
また、刈り取り機の刃先が鈍るとカット面が潰れ、発酵液が過剰に出てしまうため、2haあたりごとに刃の交換を推奨します。刃の交換費用は高くても1万円前後で済み、腐敗で廃棄する損失に比べれば十分回収できます。
設備管理に注意すれば大丈夫です。
サイロ詰めで最も多い失敗が、空気の残留です。酸素が多いと、発酵初期に酪酸菌が繁殖してアンモニア臭が発生します。悪化すれば廃棄に至ることも。
痛いですね。
トラクターを使って層ごとに圧密するのが基本。厚さ10〜15cmずつ重ね、1層あたり3回以上踏圧すれば理想的です。この作業を怠ると、1tあたりエサの損失が20㎏以上になるケースもあります。つまり「踏み固めるだけ」で利益が変わるのです。
これが基本です。
大規模農場では「ロータリーローラー」と呼ばれる圧密専用機の導入も増加。30万円程度しますが、詰め込み時間が3割短縮され、作業効率と品質の両立が可能です。
効率化の鍵になります。
サイロが完成しても気を抜けません。発酵初期3日間の温度上昇が成功の分かれ目です。理想温度は35〜40℃。しかし、外気が冷たいと内部温度が28℃以下に留まり、酸生成のスピードが鈍化します。結果としてpHが安定せず、好気性菌が増殖してカビ臭が発生します。
つまり温度が命です。
寒冷地では、サイロ上部を断熱シートで覆うだけでも改善します。3mm厚シートを用いると熱損失を約40%防げる試算があります。ホームセンターでも簡単に入手できるため、小規模農家にもおすすめです。
簡単な工夫ですね。
また、45℃を超える温度はたんぱく質の熱変性を招き、乳牛の泌乳量が1日で1〜2L減少することがあります。サーモラベルで温度確認を習慣化すれば、防げるトラブルです。
温度確認が条件です。
発酵が落ち着いた後も、カット面の管理が重要です。サイロを開封すると酸素が流入し、表面5cmで腐敗が進行します。毎日10〜15cmずつ切り出すことで、好気性菌の増殖を防げます。
つまり切り出しペースが肝です。
また、pH4.2以下が安定サイレージの目安です。リトマス紙で確認すれば一目で判断できます。もし4.5を超える場合、糖蜜を50kgあたり1L添加すれば再発酵を促せます。コストは1本300円程度。
低コストで補正できます。
最近では、発酵促進剤として乳酸菌スターターの「メガラクト」なども注目されています。1袋3,000円台で乳酸生成スピードが2倍近く改善。結果的に発酵期間が2〜3日短縮される事例もあります。
これは使えそうです。
最後に品質確認として、乾物率・pH・臭気を「五感」でチェックすることも欠かせません。どんな設備があっても、仕上がりを判断するのは人間の感覚だからです。
結論はバランスですね。
(参考)農研機構:全農作物サイレージの発酵品質に関する指標と管理方法が詳しく解説されています。