ハウス内環境制御装置と温度湿度CO2換気

ハウス内環境制御装置で温度・湿度・CO2・換気をまとめて扱うと、収量と作業性はどこまで変わるのか、導入前に押さえるべき考え方と落とし穴を整理しませんか?

ハウス内環境制御装置と温度湿度CO2換気

ハウス内環境制御装置の要点
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温度は「平均」より「変化の形」

朝の急変を抑え、午後は転流を意識した温度カーブを作ると、収量・品質の安定に効きやすい。

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湿度は病害と作業性の両方に直結

加温・換気・送風の組み合わせで、過湿と結露を「発生させにくい状態」に寄せる。

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CO2は「閉め切り」だけの話ではない

換気中でも外気並みを維持する運用(上限400ppm発想)や、窓開度連動で無駄を減らす手がある。

ハウス内環境制御装置の温度制御と変温管理


ハウス内環境制御装置で温度を扱うとき、狙いは「1日平均を目標に合わせる」よりも、作物の生理に沿った温度の“波形”を作ることです。
北海道立総合研究機構の導入マニュアルでは、トマト光合成が最大になりやすい温度帯は幅が広い一方、転流は生育適温内なら温度が高いほど促進される、と整理した上で、実用として変温管理が重要としています。
変温管理の考え方として、①夜明け〜午前中は設定温度を徐々に上げて果実の結露を抑え、②午後は転流不足を避けるため温度を高め、③その後に設定温度を一気に下げて果実への糖の集積を促す、という“狙いのある温度変化”が説明されています。
温度制御を導入する際の盲点は、「暖房=温度だけ」ではない点です。


参考)https://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/fs/1/0/0/5/4/4/2/3/_/r20130_%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%80%8C%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E5%8C%96%E3%80%8D%E3%80%8C%E7%9C%81%E5%8A%9B%E5%8C%96%E3%80%8D%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%A8CO2%E6%96%BD%E7%94%A8%E3%81%AE%E5%8F%96%E7%B5%84%E3%81%BF.pdf

同マニュアルでは、加温機は温度を上げる装置であると同時に、強力なファンやダクト運用によって温度ムラを減らしたり、群落内の気流制御にも使える、と述べています。

つまりハウス内環境制御装置の温度設定は、暖房機のON/OFFだけでなく、送風運転(気流)や後述する湿度対策ともセットで設計した方が、同じ燃料でも“効き”が上がりやすいです。

ハウス内環境制御装置の湿度管理と結露対策

湿度は「病害リスク」だけでなく、結露→裂果・品質低下→選果労力増という形で経営に跳ね返ります。
岩手県の「環境制御技術導入の手引き」では、環境制御の対象として温度・湿度・CO2・光などを挙げ、まずはモニタリングで課題を見える化し、必要な機器を選ぶ流れを提示しています。
この“先に見える化”が重要で、湿度対策は「とりあえず換気」「とりあえずミスト」のような単発の打ち手だと、別の指標(温度やCO2、燃料、病害)を悪化させやすいからです。
意外と知られていない実務の効きどころは、加温と湿度の関係です。

北海道立総合研究機構のマニュアルでは、相対湿度が80%以上の条件では温度を1℃高めると相対湿度が約5%低下する効果がある、と紹介しています。

つまり湿度が高い時に「少しだけ加温+換気(排湿)+送風(ムラ取り)」を組み合わせると、薬剤や資材に頼り切らずに結露を抑える設計が可能になります。

また、湿度管理は“センサーの信頼性”が前提です。


参考)https://www.pref.iwate.jp/agri/_res/projects/project_agri/_page_/002/010/635/kankyoseigyo_tebiki.pdf

岩手県資料では、センサーは校正して設置すること、劣化するのでメンテナンスや交換が必要であること、濡れると正確に計測できなくなるため防除時に注意が必要であることが明記されています。

ハウス内環境制御装置で数値を見て動かすほど、センサーの設置位置・通風・防水が収量に直結するため、設備費より“計測の作法”に投資する価値が出てきます。

ハウス内環境制御装置のCO2制御と換気連動

CO2は「閉め切り栽培でだけ効く」と思われがちですが、換気の有無に応じて狙いを変えると無駄を抑えながら使えます。
北海道立総合研究機構のマニュアルでは、ハウスを閉め切るとCO2濃度が外気(約400ppm)より低い200ppm程度まで低下し得るため、CO2施用が光合成促進に効果的だと説明しています。
さらに、側窓を開放しているときでも400ppmを上限として施用すれば理論上ハウス外への漏出は起こらない(外気並みを維持する)という考え方も示されており、「換気中は全部ムダ」という単純化を避けられます。
より強く効かせたい場合は「窓開度と連動」させます。

同マニュアルでは、側窓が閉じているときだけ高濃度(500〜800ppm程度)で施用し、1000ppmを超えると促進効果が出にくくなるため経済性を考えて濃度を調整する、という運用指針が書かれています。

つまりハウス内環境制御装置を導入するなら、CO2発生装置単体の性能よりも「換気窓の状態が取れるか」「制御ロジックが作れるか」が成果を分けます。

ここでの落とし穴は「CO2設定値を上げるほど儲かる」と錯覚することです。

CO2は光合成の材料ですが、光(同化)と転流(作った糖を果実などへ運ぶ環境)が揃わないと増収が伸びない、という整理が同マニュアルで繰り返し強調されています。

CO2は“最後のひと押し”になりやすい一方、温度カーブや湿度・気流が崩れていると費用だけが増えやすいので、制御は順番(温度・換気→湿度→CO2)が現実的です。

ハウス内環境制御装置の自動換気装置とモニタリング

自動換気装置は、温度ムラと急激な温度変化を抑えるだけでなく、開閉作業の省力化で“作業のピーク”をならす装置です。
岩手県の手引きでは、自動換気装置はサイドや天窓を自動で開閉し、急激な温度変化を抑えて生育を安定させ、管理作業の省力化も期待できる、と整理されています。
導入時に押さえるべきは、温度センサーとモーター制御盤がセットで動く点で、どの温度をどこで測るかが制御品質に直結します。
モニタリングは“後から見るため”だけではなく、“壊れかけ”や“ズレ”を早期に見つけるために行います。

同資料では、環境モニタリングで温度・湿度・CO2・光などを測定・記録・データ化し、管理で環境がどう変化しているかを把握できるとし、導入後の留意点として測定値の妥当性を定期的に確認する(CO2は高い値が出ることがある)などの注意も記載しています。

制御を自動化するほど「気づいたら設定と実態がズレていた」が最も損失が大きくなるため、現場では“毎日見る指標”を決めておくのが実務的です。

現場運用で効く小技として、“停電・故障前提”の設計があります。

岩手県の資料では、自動換気装置は停電時に作動しないため手動で開閉するか他の開閉口で換気すること、落雷などで故障する場合があるので動作確認を行うことなど、運用面の注意が具体的に示されています。

ハウス内環境制御装置は導入した瞬間から「設備が止まった時の手順」も同時に必要になるため、非常時の切り替え手順を紙1枚で作っておくと、作業者が変わっても事故が減ります。

ハウス内環境制御装置の独自視点とセンサ交換

検索上位では「導入メリット」「機器比較」に寄りがちですが、長期運用で地味に効くのは“センサーは消耗品”という前提を経営に組み込むことです。
北海道立総合研究機構のマニュアルでは、センサーは消耗品で1〜2年を目安に交換するとよい、と明記されています。
さらに、センサーよりもコード・ファン・ボックスの方が耐久性が高いので、同型番のセンサー本体を購入して交換すると経済的だが、交換部品の不具合は保証対象外になり得る、といった現実的な話も書かれています。
“意外なポイント”は、センサー交換が「コスト削減」だけでなく「測定系のアップグレード」の入口になる点です。

同マニュアルでは、対応可能なセンサーが増えており、純正採用以外のセンサーも使えるため、自分の環境制御スタイルに合わせてカスタマイズすることで性能を最大限発揮できる、と述べています。

つまりハウス内環境制御装置は、最初から完璧な構成を目指すより、まずは最低限の計測と換気・加温を安定させ、次にCO2や湿度制御、最後にセンサー精度や配置を詰める“段階導入”の方が失敗しにくいです。

もう一つの独自視点は、制御の上達は「機械の操作」ではなく「作物とデータの会話」に寄ることです。

岩手県資料では、環境制御機器は自動で何でもやってくれるものではなく、設定値は生育や環境の変化に応じて随時変更が必要で、設定値と生育状況・環境値を記録して振り返ることが重要、と明確に書かれています。

ハウス内環境制御装置の投資対効果を最大化する近道は、制御盤の機能を増やすことより、「週1回の振り返り」を仕組みにすることです。

湿度・温度・CO2を総合して判断したい場合の参考として、細霧冷房や飽差(VPD)管理に触れている資料もあります。

岩手県の手引きでは、細霧冷房は気化熱で温度を下げるが過湿になり得ること、また飽差管理を行うことで冷房効果と加湿(湿度制御)ができるシステムもある、と説明されています。

現場では「何%にするか」より「作物が濡れ続けないか」「換気・遮光とセットで成立するか」を優先し、まずは日中のピーク対策として段階的に試すのが安全です。

CO2・温度・湿度をまとめた導入の考え方を確認する参考リンク(温度とCO2の制御、変温管理、センサー交換などの詳細)
https://www.hro.or.jp/upload/49460/kankyoseigyo_yobunseigyo_manual_ver.1.0.pdf
自動換気装置・モニタリング・CO2発生装置など、導入前チェックと運用上の注意点の参考リンク
https://www.pref.iwate.jp/agri/_res/projects/project_agri/_page_/002/010/635/kankyoseigyo_tebiki.pdf




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