防鳥機と一口に言っても、現場で多いのは「爆音機(ガス式)」「電子爆音機」「高周波・威嚇音タイプ」「光(反射)系」の組み合わせで、どれか一発で解決というより“畑の条件に合わせて設計する道具”です。長期設置で同じ音・同じ位置・同じリズムを続けると、鳥が学習して被害が戻りやすいので、機械の性能よりも運用の工夫が効きます(使う時期を絞る、場所を動かす、他の資材とローテーションする等)。これは県のガイドラインでも、爆音機は代替技術を優先し、やむを得ず使う場合も必要最小限の期間に抑える考え方が示されています。
特に爆音機は「効く場面はあるが、外部影響も大きい」資材です。山梨県のガイドラインでは、早朝・夜間の使用を避けること、住宅地への影響を抑えること(直近住宅の敷地境界で70dBを超えないようにする等)が明記され、運用ルールを守る前提での利用が求められています。防鳥機を導入するときは、価格やカタログ到達距離だけでなく「周辺環境(住宅、道路、学校、観光地)」「地形(反響しやすい谷、風向)」「作物(収穫期の集中度)」を先に棚卸しすると失敗しにくいです。
また意外に見落とされがちなのが、鳥の侵入経路の違いです。上から降りる・側面から潜る・収穫残渣に寄る、などで有効策が変わります。音で追うだけだと“別の入口”から入られることがあるため、防鳥網やテグス等の物理対策とセットで考えると、同じ費用でも成果が出やすくなります。
爆音機を含む防鳥機で最初に決めるべきは「どこに、いつまで、どの頻度で動かすか」です。長野県は、爆音機を住居から直線距離200m未満で使用しないこと、使用時間は原則日の出から日没までとし早朝の使用自粛、筒先を住宅地に向けない配慮、収穫期など必要最小限の期間に限定、事前に近隣住民へ知らせることを注意事項として示しています。これらは“マナー”ではなく、トラブルが起きた瞬間に稼働停止となって被害が拡大するリスクを減らすための実務ルールです。
設置のコツは、機械を畑の中心に置けば良いという発想を捨てることです。住宅地側に音を向けない、音が谷に反響しやすい地形なら向きと角度を変える、風下側に音が流れる日は特に時間帯を慎重にする、といった「音の飛び方」を前提に据えると苦情が減ります。さらに、爆音機だけに頼るほど稼働時間が増え、苦情リスクも上がるので、網・テグス・黒色防鳥糸などで“侵入しにくい構造”を作ってから、仕上げとして防鳥機を短期間だけ当てる方が安定します。
現場運用で効果差が出るのは、導入初期の一週間です。被害が出てから慌てて設置すると、鳥がすでに「安全に餌が取れる場所」と学習しているため、音に驚いても別区画に移るだけで、被害が分散することがあります。被害の出始め直前に投入し、最初の数日で設置位置やパターンを変え、鳥の行動を“固定化させない”ことが防鳥機の実戦的な使い方です(固定化=慣れの温床)。
参考:爆音機の距離・時間帯・事前周知など、騒音苦情を避ける運用ルール(長野県)
鳥獣害防止用爆音機による騒音防止について(長野県)
音で追う防鳥機は「来させない」より「来たものを追い出す」性格が強く、物理資材はその逆で「侵入そのものを難しくする」のが得意です。山梨県の資料では、果樹・野菜等の鳥害対策として、防鳥網は“確実に効果あり”、テグスや黒色防鳥糸は“効果あり(条件次第)”として整理され、反射テープやCD等は慣れによる効果低下があるためローテーションが推奨されています。つまり、基礎を防鳥網や糸で固め、補助として防鳥機を回す設計が合理的です。
併用の具体策としては、次の順番が作りやすいです。
・まず防鳥網:侵入経路(上・側面)を塞いで「入ったら勝ち」の状況を消す。
・次にテグス/黒色防鳥糸:カラスなど大型鳥の侵入・着地を嫌がらせる(棚や畝の上空を“通りにくく”する)。
・最後に防鳥機:収穫期など短期集中で“学習前に終わらせる”。
意外なポイントは、黒色防鳥糸の性質です。山梨県のガイドラインでは、黒く着色した極細の糸は「見えにくいことでカラス等の衝突を誘発し、以後その畑を避けるようになる」とされ、カラス対策としては高い確率で防止すると説明されています。一方で、ムクドリなど中〜小型の鳥には効果が期待できない注意点も明記されており、「鳥の種類を外すと効かない」をはっきり示す資料になっています。防鳥機の“万能感”より、この手の適用条件の方が、実際には費用対効果を左右します。
参考:防鳥網・テグス・黒色防鳥糸の効果整理と、黒色防鳥糸の設置方法(山梨県PDF)
爆音機の設置及び取り扱いに関するガイドライン(山梨県)
防鳥機で失敗しやすいのは「常時稼働=安心」という思い込みです。ガイドライン類が繰り返し“必要最小限の期間”を強調するのは、騒音配慮だけでなく、長期稼働ほど鳥が学習し、最終的に効かなくなる現実があるからです。そこで、収穫期の運用を“短期集中の作戦”として設計します。
実務で効きやすい慣れ対策は、ローテーションと予告なしの変化です。
さらに、周辺農家と足並みが揃う地域では、対策の“同期”が効くことがあります。例えば一部の園だけが爆音機を鳴らすと、鳥が静かな園へ移動し、地域内で被害の押し付け合いになりがちです。反対に、物理対策(防鳥網・糸)を地域で底上げし、どうしても必要な期間だけ防鳥機を短期投入すると、鳥の逃げ場が減り、結果として個別の爆音機稼働時間を短くできます。騒音苦情が起きる前に“使う理由と期間”を説明できる状態にしておくのが、現場での継続運用に直結します。
検索上位では「防鳥機のおすすめ」「爆音機の価格」「防鳥ネットの張り方」などが中心になりがちですが、実際の現場では“作業のしやすさ”が効果を左右します。なぜなら、設置が面倒な資材ほど、被害ピークの直前に間に合わなかったり、撤去が遅れて慣れを助長したり、破損放置で効果が落ちたりするからです。防鳥機も同じで、ボタン一つでも「移動できる重量か」「電源確保が現実的か」「雨対策が必要か」で稼働率が変わります。
安全面も独自に深掘りすべき点です。黒色防鳥糸は“見えにくさ”が効果の理由になる一方、資料でも「人にも見えにくいため注意」と明記されています。つまり、農作業者が走行する動線(運搬車、軽トラ、管理機)や、人が出入りする高さに張ると事故リスクが上がります。設置前に「人が通る場所・視線の高さ・機械の旋回半径」を先に書き出し、糸やテグスは“通らない空間”に限定するだけで、継続利用がしやすくなります。
また、爆音機や電子威嚇機は、近隣だけでなく自分たちの作業効率にも影響します。爆音が強いと、畑での合図や会話が通りにくくなり、複数人作業時の事故につながることがあります。作業者の滞在が長い区画では、物理対策(防鳥網・テグス)を厚めにして、防鳥機の稼働頻度を下げる設計に寄せると、効果と安全の両立がしやすいです。黒色防鳥糸が「衝突を誘発し、以後その畑を避ける」特性を持つなら、なおさら“設置場所を限定して効かせる”方が合理的で、全面に張り巡らせるより管理が楽になります。
以上を踏まえると、防鳥機の導入は「機械選び」ではなく「運用の設計」が主戦場です。防鳥網・テグス・黒色防鳥糸で侵入を減らし、収穫期だけ防鳥機を短期集中で当て、距離・時間帯・事前周知で地域トラブルを回避する。この組み立てにすると、コストを上げずに成果が出やすく、翌年も同じ戦略を改善しながら回しやすくなります。

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