天井の照明器具は、一般的に8~10年が適正交換時期とされています。日本産業規格(JIS)の「JIS C 8105-1」では、照明器具の交換目安を一般的に10年と定めており、使用環境や使用方法によっては10年を過ぎると不具合や故障が増える傾向があります。特に1日10時間、年間3,000時間点灯で使用している場合は、安定器やソケット、電線など電気絶縁物の絶縁劣化が進行するため、早めの点検・交換が推奨されます。外観に異常が無くても内部の劣化は進行していることがあるため、設置後10年経過した照明器具は安全性の観点からも交換を検討すべきです。
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農業施設や作業場では、ビニールハウスや倉庫、畜舎などで長時間照明を使用するケースが多く、一般住宅よりも劣化が早まる可能性があります。照明の明るさが落ちてきたり、点灯に時間がかかるようになったりした場合は、交換のサインと考えられます。
天井の照明器具を交換する前に、まず配線方法を確認することが重要です。照明器具の配線方法には「直結タイプ」と「引っ掛けタイプ」の2種類があり、この違いによってDIYで交換できるかどうかが決まります。
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引っ掛けタイプは、天井に「引掛シーリング」や「ローゼット」と呼ばれる丸型や角型の配線器具が設置されているタイプで、電気工事士の資格がなくても自分で交換できます。一方、直結タイプは照明器具が天井の配線に直接接続されているため、交換には電気工事士の資格が必要です。現在使用している蛍光灯を外して、どんな形のアダプター(引掛シーリング・ローゼット)が付いているかを確認しましょう。
参考)https://www.irisohyama.co.jp/plusoneday/electronics/205
天井の配線器具が引掛シーリングであることを確認できれば、工事不要で簡単にLEDシーリングライトへの取り換えが可能です。
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照明器具の交換にかかる費用は、作業内容や器具の種類によって大きく異なります。業者に依頼する場合、照明器具の取り付け作業費用の相場は、おおよそ1,500~5,000円となっています。シーリングライトの基本的な取り付け工事費は、1ヶ所あたり約1,500円から8,000円が相場で、これは天井に引掛シーリングがすでに取り付けられている場合の料金です。
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もともと照明器具があった場所に別の照明をつける「交換」の場合、工事費用と器具本体費用を含めて3~6万円が目安となります。シャンデリアやシーリングライトの取付けは10,000円~40,000円、ダウンライトの取付は10,000円~35,000円が相場です。
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天井埋め込み照明(ダウンライト)の交換は、LED一体型か交換型かで費用が変わり、1台あたりの総額目安は8,000~20,000円台となります。複数台を同時に交換すると1台単価が下がりやすい傾向があります。DIYで交換する場合は、器具代(LED一体型で2,000円~10,000円前後)のみで済むため、費用を大幅に抑えられます。
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引掛シーリングタイプの照明器具であれば、特別な工具は一切必要なく、電気工事士の資格も不要です。シーリングライトの交換は、電気工事は一切不要で、誰でもかんたんに行うことができます。
参考)https://www.irisplaza.co.jp/media/A13933269856
ただし、引掛シーリングの取り付けや取り外しが必要な場合は、電気工事士の資格を持つ業者への依頼が必須です。直結配線タイプの照明器具を交換する場合も、第二種電気工事士の資格が必要となります。
作業時に注意すべき点として、照明器具本体を外す際は落下しないように両手でしっかりと支える必要があります。高所作業になるため、安定した脚立や踏み台を使用し、安全を確保することが重要です。農業施設や倉庫など天井が高い場所では、ランプチェンジャーなどの専用工具を使うと安全に交換作業ができます。
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天井照明には大きく分けて「シーリングライト」と「ダウンライト」の2種類があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。
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シーリングライトは天井に直接貼り付けるタイプの照明器具で、部屋全体を明るく照らせる点が特徴です。リビングをはじめとしたさまざまな部屋のメイン照明としてよく使われ、デザインの選択肢が多く、調光機能付きの製品も豊富にあります。交換しやすいというメリットがある一方、天井から出っ張ってしまい、天井と照明の隙間にほこりが入りやすいというデメリットもあります。
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ダウンライトは天井に開けた穴に埋め込むように設置するタイプの照明器具です。光が広がる範囲が狭く、玄関や廊下などシーリングライトの光が届きにくい場所を照らすスポット的な使い方に向いています。天井から照明が出っ張らないため、部屋の空間をよりすっきり見せられ、ほこりが溜まりにくいというメリットがあります。ただし、交換時には専門業者による工事が必要になる場合が多く、シーリングライトと比べて交換コストが高くなる傾向があります。
農業施設や作業場では、用途に応じて照明を選ぶことが重要です。ビニールハウスや倉庫では、広範囲を照らせるLEDレンカライトや連結可能なロングライトが便利です。防犯対策として、センサーライトを入り口に設置するのも効果的です。
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