卵巣腫瘍症状生理との関係を解説

卵巣腫瘍の症状は生理にどう影響するのか、初期症状から急性症状まで詳しく解説します。月経異常や下腹部痛など、気づきにくいサインを見逃していませんか?

卵巣腫瘍症状と生理

この記事でわかること
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卵巣腫瘍の初期症状

腹部膨満感や下腹部痛など、見逃しやすい初期のサインについて

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生理への影響

月経不順や不正出血など、卵巣腫瘍が生理に与える変化

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緊急性の高い症状

茎捻転や破裂など、すぐに受診すべき危険なサイン

卵巣腫瘍の初期症状と痛み


卵巣腫瘍は初期段階では自覚症状が乏しく、腫瘍が小さいうちはほとんど無症状で経過することが多いです。しかし、腫瘍が大きくなるにつれて、下腹部のじわじわとした痛みや重苦しさを感じるようになります。


参考)卵巣腫瘍

腫瘍が増大すると、腹部膨満感(お腹が張って苦しい感覚)、頻尿(トイレに行きたくなる間隔が短くなる)、便秘、腰痛などの症状が現れます。これらの症状は他の病気でも見られるため、放置されがちですが、卵巣腫瘍の重要なサインである可能性があります。


参考)卵巣腫瘍(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル

初期症状として注意すべき点は、下腹部の張りや違和感です。腫瘍が膀胱を圧迫すると、少量の尿でもすぐに尿意を感じたり、排尿後も尿が残っているような感覚(残尿感)が生じることがあります。また、腸が圧迫されると蠕動運動が鈍くなり、ガスや便が溜まりやすくなって腹部膨満感が強まります。


参考)見逃さないで!卵巣腫瘍の初期症状と受診のタイミング

卵巣腫瘍と生理不順・月経異常の関係

一般的に卵巣腫瘍があっても、月経は順調なことが多いとされています。これは、2つある卵巣のうち片方に腫瘍が発生しても、もう一方が正常に機能していれば、ホルモンバランスが保たれるためです。


参考)卵巣がんの場合、生理が止まることはありますか? |卵巣がん

しかし、卵巣腫瘍が卵巣本来の働きを阻害すると、月経周期に影響が出ることがあります。具体的には以下のような症状が見られます。


参考)卵巣良性腫瘍 – 婦人科

特に子宮内膜症が原因のチョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)の場合は、激しい生理痛などの月経異常を引き起こすことがあります。チョコレート嚢胞は卵巣内に古い血液が貯蓄して徐々に腫大し、下腹部痛などを引き起こします。


参考)自覚症状がない「卵巣のう腫」は要注意

また、ホルモンを分泌する腫瘍(顆粒膜細胞腫など)の場合は、不正出血が起こることもあります。月経異常が続く場合は、婦人科の専門家に相談することが重要です。


参考)卵巣がんの初期症状8つ「早期発見のための詳細ガイド」

卵巣腫瘍の茎捻転と破裂による急性症状

卵巣腫瘍の合併症として特に注意すべきなのが、茎捻転と破裂です。これらは激しい腹痛を伴う急性症状で、緊急の対応が必要となります。


参考)卵巣のう腫茎捻転 (らんそうのうしゅけいねんてん)とは

茎捻転とは、腫大した卵巣が支持靱帯を軸として捻転してしまう状態です。ねじれかけても元に戻ることがありますが、その場合は痛みがいったん治まります。しかし、完全にねじれてしまうと卵巣に血液が届かなくなり、壊死(組織が腐ってくる)を起こします。この時、激痛が起こり、救急車で運ばれることも少なくありません。
参考)https://iwatect.sakura.ne.jp/idai.pdf

初期には静脈のうっ滞が起こり卵巣の浮腫・腫大をきたし、さらに血腫を形成して虚血が進行すると組織が壊死に陥ります。皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)は比較的捻転しやすい腫瘍として知られています。


参考)卵巣嚢腫とは?茎捻転とは?その症状からリスク要因や小さくする…

卵巣腫瘍の破裂は、大きくなり過ぎた卵巣腫瘍が体内で破裂してしまう症状です。茎捻転と同じく激痛に襲われ、蓄積していた内容物が体内に飛散することで腹膜炎などの合併症を引き起こす危険性があります。急激な強い腹痛が生じた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
参考)卵巣のう腫

卵巣腫瘍による腹部膨満感と頻尿の仕組み

卵巣腫瘍が大きくなると、周囲の臓器を圧迫することで様々な症状が現れます。特に腹部膨満感と頻尿は、卵巣腫瘍の代表的な症状です。


参考)卵巣腫瘍・卵巣嚢腫の初期症状と治療|野洲市の平田レディースク…

腹部膨満感は、腫瘍自体の増大によって腹部が圧迫されることで起こります。また、悪性腫瘍の場合は腹水(お腹の中に液体がたまる状態)が発生しやすく、これによってお腹の張りや重だるさ、圧迫感などの症状が現れます。


参考)卵巣腫瘍でお腹の出方はどう変化する?初期症状や早期発見のポイ…

  • 良性腫瘍:腹水は少量にとどまることが多い​
  • 悪性腫瘍:大量の腹水がたまりやすい​

腹水が増えると呼吸しづらくなるなどの不調を感じることもあり、早期発見と経過観察が大切です。

頻尿は、卵巣腫瘍が膀胱を圧迫することで起こります。具体的には、少量の尿でもすぐにトイレに行きたくなったり、排尿後も尿が残っているように感じる残尿感、夜にトイレに行く回数が増える夜間頻尿などの症状が見られます。


参考)https://sophia-lc.jp/blog/ovarian-tumor-abdominal-protrusion/

腫瘍が大きくなると腸も圧迫され、便秘や排便習慣の変化が起こることもあります。下腹部のしこりのようなものに触れて気づくこともあるため、定期的な自己チェックも重要です。


参考)卵巣腫瘍・卵巣嚢腫|下腹部の膨らみ|京都市右京区の西院レディ…

卵巣腫瘍と子宮内膜症の症状の違い

卵巣腫瘍の中でも、子宮内膜症に関連するチョコレート嚢胞は特徴的な症状を示します。子宮内膜症は、子宮内膜組織が卵巣に増殖することで発症し、完治しにくく再発しやすい特徴があります。


参考)子宮内膜症(卵巣嚢腫) - セントマザー産婦人科医院

チョコレート嚢胞の主な症状は、月経時の強い下腹痛です。一般的な卵巣腫瘍では月経は順調なことが多いのに対し、チョコレート嚢胞では激しい生理痛が特徴的です。これは、卵巣内に古い血液が貯蓄して徐々に腫大していくためで、その色からチョコレート嚢胞と呼ばれています。


参考)子宮・卵巣の良性腫瘍・子宮内膜症 - 産科・婦人科の病気

子宮内膜症の3つの特徴として、①完治しない、②再発しやすい、③症状が必ず進行する、という点が挙げられます。また、卵管閉塞や卵管周囲癒着、子宮腺筋症など様々な症状を引き起こし、不妊症、月経困難症、慢性骨盤痛、性交痛など多彩な症状を伴います。


参考)卵巣嚢腫と子宮内膜症の治療

チョコレート嚢胞に対して手術が行われた症例の調査によると、全体の3.4%に卵巣がんが合併していました。がんの合併率は年齢とともに高くなり、40歳代では4%と報告されているため、定期的な検査が重要です。


参考)子宮内膜症(卵巣がんとの関係について)

治療法としては、ホルモン剤(低用量エストロゲンプロゲスチン配合薬、ジェノゲストなど)を用いて月経痛などの症状の改善が期待できる内科的治療と、腹腔鏡検査または開腹手術による摘除という外科的治療があります。

日本婦人科腫瘍学会:子宮内膜症と卵巣がんの関係について詳しい情報
日本婦人科腫瘍学会:卵巣腫瘍の症状と診断に関する公式情報




卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン 2020年版