モジュレーション系(コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロなど)は、一般的に“揺らし系”として、歪み系の後ろ、残響系(ディレイ/リバーブ)の前に置くのが基本とされます。理由はシンプルで、歪みで作った音色と倍音の上に揺れを乗せると、効果が明瞭に聞こえやすいからです(結果として「かかっている感」が分かりやすい)。この並びは、ギター→(フィルター/ダイナミクス)→歪み→モジュレーション→残響→アンプ、という“スタート地点”の考え方にも一致します。
また、モジュレーション同士の“内部の順番”は、同時に踏む場面が少ないなら神経質にならなくてよい、という整理もあります。実際、複数モジュレーションを同時ONにするより「曲ごとに使い分ける」運用が多いなら、まずはセオリー配置で土台を固める方が失敗が減ります。
ポイントを箇条書きにすると次の通りです。
「エフェクターの後段ほど効果が強調される」という原則を前提に置くと、なぜこの順番が“まずおすすめ”なのかが理解しやすくなります。
基本の接続セオリー(モジュレーションの位置、後段ほど効果が強調される原則)
YAMAHA/Go!Go!GUITAR:エフェクター接続の三大原則と基本順
フェイザーとコーラスは、どちらもモジュレーション系ですが、音の出方が違うため“前後”の違いが意外と目立ちます。セオリーとしては、歪み→フェイザーにすると、歪みによって増えた倍音がフェイザーのスウィープを強調し、動きが派手で輪郭も分かりやすくなる、と説明されることがあります。逆に、フェイザー→歪みにすると、動きがマイルドになって「かかっているけど奥ゆかしい」方向に寄ります。
コーラスは「広がり」「厚み」を作る用途が多いので、歪みの後に置くと音像が膨らみつつ、フレーズの芯が残りやすいことが多いです。一方で、歪みの前にコーラスを置くと、揺れた音を歪ませるため、濁りやすい代わりに“荒い一体感”が出る場合があります(特に深い設定で顕著)。
判断のコツは、機材より先に「欲しい結果」を言語化することです。
フェイザーと歪みの前後での変化(歪み→フェイザーが一般的、前に置くとマイルド)
Umbrella Company:Pedal Order(歪みとフェイザーの順番例、エフェクトループ解説)
トレモロは「音量を周期的に上下させる」ため、モジュレーションにもダイナミクスにも見える、置き場所に迷いやすい代表例です。一般的には、歪みやピッチ、コンプレッサーの後、ディレイやリバーブなど空間系の前に置くのが定番とされます。こうすると、歪んだ音や整えた音を“最後に近い地点で”周期的に揺らせるので、リズムが明確に出ます。
一方で、意外に使えるのが「アンビエントなリバーブの後ろにトレモロを置いて、伸び続ける残響をリズムで切り刻む」発想です。これはセオリーから外れますが、狙いが明確で、音作りとしてはかなり実用的です。曲の隙間を埋めるのではなく、“残響そのものを楽器化する”感覚に近い使い方で、単純なアルペジオでも景色が作れます。
現場で失敗しにくいチェック項目は次です。
トレモロの一般的な配置(歪み等の後、ディレイ/リバーブ前)
BOSS Articles:トレモロと他エフェクターの組み合わせ(配置の考え方)
「歪みはアンプのドライブチャンネルで作る」タイプは、ペダルボードの順番だけ整えても、空間系やモジュレーションの聴こえ方が急に濁ることがあります。理由は、アンプの歪み(プリアンプ部)が“チェーンの最後にある巨大な歪みペダル”として働くからです。つまり、アンプ入力にディレイやリバーブを入れると、ディレイの反復音やリバーブの残響まで歪んで、解像度が下がる場合があります。
そこで重要になるのがエフェクトループ(センド/リターン)です。ループを使うと、アンプのプリアンプ(歪み生成部)とパワーアンプの間にディレイ/リバーブなどを入れられるので、歪みの“後段処理”として空間系を配置できます。結果、反復音や残響がクリアに残りやすく、モジュレーションも「歪んだ音に揺れを乗せる」形を保ちやすくなります。
ループ運用の目安(迷ったらこの優先度)
エフェクトループと4ケーブルメソッド、アンプ歪み時の濁りの説明
Umbrella Company:Pedal Order(ループの意義と“4ケーブルメソッド”)
農作業は「順番を間違えると手戻りが増える」典型で、たとえば散布なら“前処理→散布→後処理”の流れを崩すとムラやロスが出ます。エフェクターの順番も似ていて、音作りの“前処理(整える)”と“後処理(仕上げる)”を混同すると、狙った効果が出にくくなります。そこで、モジュレーションの順番を決めるときは、音を「土台」「味付け」「仕上げ」の3層に分けて点検すると迷いが減ります。
実用的な“作業順”の考え方(ボードをいじる時間を短縮)
この視点で見ると、モジュレーションは基本的に“仕上げ工程”なので、歪みの後ろに置いた方が狙いを再現しやすい、と整理できます。逆に、フェイザーやユニヴァイブを歪みの前に置くのは「味付け工程に揺れを混ぜて、歪みで一体化させる」狙いがある時、と目的ベースで説明できます。
すぐ試せるチェックリスト(意味のある実験だけやる)
(このH3は独自視点:検索上位に多い“セオリー列挙”ではなく、作業設計として順番を決める方法に寄せています。)