ハンマーミルの基本原理は、ロータに取り付けられたハンマーが高速回転し、投入された原料に衝撃を与えて破砕することです。
このとき粉砕は「叩いて割る」だけでなく、ハンマー周辺で生じる摩擦や、粉砕室内での当たり方によってはせん断も加わり、粒が小さくなっていきます。
農業資材(穀類・乾燥茎葉・飼料原料など)は硬さや繊維性がばらつくため、衝撃が効く原料と、せん断や摩擦の寄与が大きい原料が混在しやすい点を前提に考えると、設定の迷いが減ります。
粉砕が進む最中に起きる代表的な現象は次の通りです。
参考)ハンマーミル|粉体工学用語辞典
参考)微粉砕とは?粉砕機の種類と特長
多くのハンマーミルは出口側に多孔板やスクリーン(ふるい)を備え、ここが「製品粒度の最終ゲート」になります。
粒子サイズがスクリーンの開口より大きい間は外に出られず、粉砕室内に保持され、ハンマーで叩かれ続けることで必要な大きさまで小さくなってから排出されます。
つまり、スクリーン孔径を変えることは、現場で最も再現性よく粒度を変える手段になりやすい、ということです。
一方で「スクリーンを細かくすれば必ず良い」という話ではありません。
ハンマーミルは連続式で、上部から原料を連続投入して粉砕していく構造が一般的です。
連続式では「投入量(供給速度)」が粉砕室内の滞留時間を左右し、滞留が変わると粒度・微粉率・発熱・詰まりやすさが連鎖的に変化します。
回転数(周速)を上げると衝撃の強さが増え、同じスクリーンでもより細かくなりやすい一方、摩耗・熱・微粉の増加にもつながりやすいので、目的粒度と後工程(混合、ペレット等)から逆算するのが安全です。
現場で調整するときの「順番」を決めておくと、再現性が上がります。
スクリーンミル(ハンマーミル)では摩耗が問題になりやすく、特に硬い原料に対しては適用に注意が必要です。
また、材料がスクリーンを通過できず粉砕室内に保持される構造は、狙った粒度を作りやすい反面、「保持され続ける」こと自体が発熱や目詰まりの起点にもなります。
農業用途では、乾燥が甘い原料や油分が多い原料を混ぜると付着が起きやすく、スクリーン近傍で流れが悪化しやすいので、原料ロットが変わるタイミングほど詰まり予防(投入量・スクリーン点検)を意識すると停止時間を減らせます。
詰まり・温度上昇が出たときの「見分け」のヒントです。
飼料分野では、粉砕は原料の粒度を下げる主要工程で、消化率・受容性・混合性・ペレット化性の向上などを狙って多くの原料が粉砕機を通る、という整理がされています。
ここで重要なのは「細かいほど万能」ではなく、目的(消化・混合・成形・貯蔵性)によって“ちょうどよい粒度”が変わる点で、ハンマーミル原理(スクリーンで保持→通過)を理解すると、狙い粒度の作り方が設計できます。
例えば、細かくしすぎると微粉が増え、粉立ちや流動性低下(ホッパーでのブリッジなど)につながる場合があるため、まず後工程で必要な粒度を決め、スクリーン孔径と回転数を過不足なく合わせるのが、結果的に省エネとトラブル低減に効きやすい考え方です。
現場で「目的粒度」を決める際の観点(例)です。
【ハンマーミルの定義・特徴(衝撃、スウィングハンマー、スクリーンで粒度制御、摩耗注意)の根拠】
ハンマーミル|粉体工学用語辞典
【スクリーンミルとして粒度コントロールする構造(多孔板・スクリーン等)の根拠】
微粉砕とは?粉砕機の種類と特長
【飼料分野で粉砕が消化率・混合性・ペレット化性に関わる、変数や発熱の考え方の参考】
動物飼料用ハンマーミル - pestle-richi.com