農産物の箱詰め機は「トップオープン・トップローディング方式」のように、上から箱へ投入する考え方が基本になりやすく、袋物・小箱・スタンドパウチなど“形が揃った包装品”ほど自動化しやすいです。
一方で現場が悩むのは「同じ箱でも、並べ方(配列パターン)が違う」点で、立て詰め・平詰め・差し身詰めなどを切り替えられる機種は、製品形状や輸送効率に合わせやすくなります。
配列パターンを増やす狙いは、単に“たくさん詰める”だけではなく、集積効率が上がると包材や輸送コストの削減に繋がる、という設計思想にあります。
導入前のチェックとして、次の3点を紙に書き出すとブレません。
- 1ケースあたりの「行×列×段」(例:2×3×2など)
- 1ケースの総重量(製品+内装+箱)
- “どの品種で切替が起きるか”(サイズ、袋材質、包装形状)
この整理ができると、現場の「何となく箱詰め機が欲しい」を、仕様と費用に落とし込めます。
多品種少量のラインほど、箱詰め機の能力(○袋/分)より「段取り替えに何分かかるか」がボトルネックになります。
たとえば、工具なしで段取り替えができる設計や、プログラムを複数記憶できる仕様は、切替頻度が高い現場で“止め時間”を直接削ります。
具体例として、段取り替え時間を最大10分にする、といった設計目標を明示している製品もあり、こうした数字は比較の軸として使えます。
意外と見落とされがちなのが、段取り替えを速くすると「作業者が焦って安全を崩す」問題です(ガードを外したまま運転、センサーを無効化、など)。
- 段取り替え手順を“紙1枚”に固定(現場ごとに増やさない)
- 目盛り・インジケータで“再現できる位置決め”にする
- タッチスクリーンのエラー表示で、復旧を属人化しない
こうした思想は、操作部でエラー内容と対処方法を表示して迅速復旧を促す、という設計にも表れています。
箱詰め機を入れる価値が出やすいのは、選果・選別の後工程で「箱詰→封函→段積み→出荷」が連続し、箱の取り回しが多い現場です。
実際の選果・出荷工程では、作業員がアイテム毎に箱詰を行い、4kg箱で2段または3段積みで出荷する、といった運用があり、ここが人手を要する典型です。
大規模施設では自動箱詰装置を導入して省人化を図る事例がある、とされており、手作業が前提の工程ほど“自動化の余地”が残ります。
さらに、封函はホットメルト等で行う、段積みはスタッカー装置で自動化される事例がある、というように、箱詰め機単体ではなく周辺設備とセットで考えると投資が効きやすいです。
現場の改善手順は次が実務的です。
- 1日あたり「箱詰ケース数」と「ピーク時間帯」を測る
- 箱詰の前で詰まっているのか、封函で詰まっているのかを分ける
- “人がやる価値が高い作業”(検品・品質判断)を残し、それ以外を機械へ寄せる
この順序なら、設備導入が「人員削減」ではなく「品質の安定」に繋げやすいです。
仕様を見るときは「能力(袋/分)」だけでなく、対応箱詰め重量やローディング重量、そして本体寸法・重量まで含めて現場に当てはめます。
例として、135袋/分の安定した高速処理、対応箱詰め重量が最大15kg、というように“処理速度と重量上限”がセットで記載されているため、重い規格を混ぜる現場は要注意です。
また、箱詰め機はコンパクト設計をうたっていても、本体寸法が長さ2,770mm級・重量1,200kg級といった規模になる場合があり、搬入経路(扉幅・床耐荷重)で詰むことがあります。
意外な盲点は「箱の種類が複数ある現場ほど、空箱ラインが増えて通路が狭くなる」点で、結果として人の動線が危険になりやすいことです(荷姿の角で接触、台車の交差、など)。
導入前に最低限やっておくと失敗が減る確認は次です。
- 設置予定位置の実測(幅・奥行・高さ+作業スペース)
- ケースの最大重量と、ピーク時の連続稼働時間
- 既存ラインの電源条件(3相200Vなど)と容量
これらはカタログ比較より先にやるほど、見積の精度が上がります。
箱詰め機を入れても、クレームに直結しやすいのが「封函ミス(フラップ噛み、ホットメルト未接着、テープ浮き)」で、実は箱の上面だけの問題ではありません。
選果・出荷工程の事例では、封函前にウェートチェッカーで重量過不足を全数チェックする運用や、バイブレーターで製品箱の中身を均して封函ミスを防止する運用が紹介されています。
つまり“箱詰め”の改善は、投入の自動化だけで完結せず、封函前に中身が均一に収まるよう整える工夫が、停止と手直しを減らす近道になります。
ここが意外に効く理由は、農産物は形が揃わず、箱の中に「山」ができやすいからです(山があると上蓋が浮き、封函が不安定になります)。
現場で試しやすい対策は次です。
- 箱詰め直後に“均し工程”を短く入れる(振動・ローラー・軽い押さえ)
- 封函直前に重量チェックを入れ、規格外を早めに戻す
- 箱の高さが変わる品目(りんご等)はランダム対応封函を前提にライン設計する
箱詰め機の導入効果を最大化するには、「箱詰め機+均し+検量+封函」を1つの品質工程として設計するのがコツです。
封函ミス対策(検量・均し・封函の考え方)参考。
選果・選別・箱詰・出荷工程の実例(封函前のウェートチェッカー、バイブレーターでの均し、封函・段積みの自動化事例)
段取り替え・配列パターン・能力/重量の仕様比較参考。
フレキシブルケースパッカー製品情報(立て詰め/平詰め/差し身詰め、工具なし段取り替え、135袋/分、最大15kg、タッチスクリーン等)

業務用 空気圧 ダンボール エア式段ボール封緘機(ステープラー)、34.7mm(1 3/8インチ)幅対応。釘の長さと打ち込み深さを調整可能で、確実で強固な段ボールの封緘・箱詰め作業 釘打ち機 ADCS-19 深さ調整可能 軽量設計