第一ビニール(DAIM)の「土と芝の根 どめどめシート」を導入する際、最初に悩むのが高さ(サイズ)の選び方と、失敗しない設置のコツです。多くのレビューでも言及されていますが、適切なサイズ選定と丁寧な下準備が、長期間きれいな景観を保つための分かれ道となります。
まず、高さの選び方について解説します。このシートには主に以下の3つのサイズ展開があります。
次に、設置のコツについてです。メーカーの説明では「ゴムハンマーで打ち込むだけ」と紹介されることが多いですが、実際のユーザーレビューや経験談では、「事前に溝を掘る」という工程が強く推奨されています。
設置したいラインに沿って、スコップやロープで印をつけます。
シートを打ち込むラインに沿って、あらかじめスコップで深さのある溝を掘ります。土が固いまま無理にハンマーで叩くと、シートが曲がったり、連結部分(ヒンジ)が破損したりする原因になります。特に砂利が混じっている土壌では必須の作業です。
掘った溝にシートを差し込み、高さを調整します。この段階で、地面からどれくらい出すかを決めます。
土を埋め戻し、最後にゴムハンマーで優しく叩いて固定します。金属製のハンマーはシートを割る恐れがあるため、必ずゴム製を使用するか、当て木をして叩いてください。
設置時の注意点として、シートの先端は鋭利になっているため、軍手などの保護具を着用して怪我を防ぎましょう。
第一ビニール公式:どめどめシートの商品仕様と使い方の詳細はこちら
このリンク先には、メーカー公式のサイズ一覧や、設置イメージの図解が掲載されています。
庭作りにおいて気になるのが、設置した資材の耐久性と、広い範囲を囲うための連結の方法です。「どめどめシート」はポリプロピレン(PP)製であり、木製や金属製の仕切りとは異なる特性を持っています。
耐久性に関しては、多くのユーザーから「腐らないので長持ちする」と高評価を得ています。木製の杭や板は、土に触れている部分からシロアリ被害や腐食が進みやすいですが、樹脂製のどめどめシートはその心配がありません。
次に連結についてです。このシートは通常3メートルや5メートルの巻物で販売されていますが、広い花壇を作る場合は複数のシートをつなげる必要があります。
連結方法は非常にシンプルで、特別なジョイントパーツは必須ではありません。
特に長い直線を設置する場合、土の重みでシートが外側に傾いてくることがあります。この「傾き」を防ぐために、以下の対策が有効です。
耐久性と連結のしやすさを兼ね備えているため、DIY初心者でも扱いやすく、後からの修正や拡張が容易な点も、評判が良い理由の一つです。
モノタロウ:土と芝の根どめどめシートのユーザーレビュー
実際の施工例や、数年使用した後の耐久性に関するリアルな口コミが確認できます。
この商品の最大の魅力の一つは、「カットして長さを自由に調整できる」点と、「曲げて自由な形を作れる」点です。レンガやコンクリートブロックでは難しい、曲線的な花壇や複雑な形状の仕切りも、どめどめシートなら簡単に実現できます。
カットの方法について詳しく見ていきましょう。
どめどめシートは、複数の板がヒンジ(蝶番のような構造)で連結された形状をしています。このヒンジ部分はプラスチックが薄くなっており、家庭用のハサミで簡単に切断することが可能です。
形状の自由度も非常に高いです。
花壇の仕切りを作る際のデザインアイデアとして、以下のような使い方が人気です。
カットが容易であるため、施工中に「やっぱりもう少し短くしたい」と思った時でも、その場ですぐに修正ができるのは、DIYにおいて大きなメリットと言えるでしょう。
トネリコヤ:どめどめシートで作る簡易レイズドベッドの製作事例
カットや曲げ加工を駆使して、おしゃれなレイズドベッドを自作する手順が紹介されています。
検索上位の記事ではあまり詳しく触れられていない独自視点の情報として、「巻き癖(ロール癖)」の対策と、「冬場の管理」について解説します。これは実際に購入したユーザーが直面する最初のハードルであり、ここをクリアすることで作業効率が劇的に向上します。
どめどめシートは、販売時にコンパクトなロール状に巻かれています。そのため、開封直後は強い「巻き癖」がついており、そのまま広げようとしてもバネのように丸まってしまい、設置作業が非常にやりづらいことがあります。
特に、気温が低い冬場や春先はプラスチックが硬化しているため、この癖が取れにくく、無理に広げようとするとヒンジに過度な負荷がかかる可能性があります。
巻き癖を解消するプロのテクニック。
一度シートを全て広げ、最初についていた巻き方とは「逆方向(裏返し)」にきつく巻き直します。そのまま紐で縛って1時間~半日程度放置すると、癖が相殺されて真っ直ぐになりやすくなります。
夏場であれば、直射日光の当たるアスファルトの上に30分ほど広げて置いておくと、熱でプラスチックが柔らかくなり、自然と平らになります。冬場の場合は、温かい室内に入れておいたり、ドライヤーの温風を当てたり(近づけすぎに注意)して素材を温めると、柔軟性が戻り作業しやすくなります。
広げたシートの両端と中央にレンガなどの重しを乗せて、一晩放置するのも有効です。
冬場の管理と注意点。
一度設置してしまえば冬の寒さにも耐えますが、設置作業自体は冬場は避けたほうが無難です。
この「事前の癖取り」と「温度管理」を知っているだけで、施工のストレスは大幅に軽減されます。特に直線の花壇を作りたい場合は、しっかりと癖を取ってから作業を開始することをおすすめします。
最後に、特定の植物に対する活用法として、ミントや竹などの強力な地下茎を持つ植物への対策について触れておきます。どめどめシートは「芝の根止め」として販売されていますが、その他の繁殖力の強い植物の制御にも応用が可能です。
ミントやドクダミ、一部のハーブ類は、地下茎を伸ばして爆発的に増殖し、庭全体を占拠してしまうことがあります(いわゆる「ミントテロ」)。これを防ぐために、どめどめシートを「地下の防壁」として利用することができます。
地下茎対策として使う場合、地上に出る部分よりも「地中にどれだけ深く埋まっているか」が重要です。浅いと地下茎がシートの下をくぐり抜けてしまいます。そのため、高さ22cm(L)や27cm(LL)のタイプを選び、可能な限り深く埋め込むことが推奨されます。
注意点として、どめどめシートはあくまで簡易的な仕切りであり、完全密封された容器ではありません。連結部分のわずかな隙間や、シートの下から根が回り込む可能性はゼロではありません。
しかし、何もしない状態に比べれば、侵入速度を大幅に遅らせ、管理可能なエリアに留める効果は十分に期待できます。
効果的な設置方法。
植物を植えるエリアを円形に囲み、シートを深く埋め込みます。
シートの縁(ふち)を乗り越えて地上部からランナーが伸びてくることがあります。これは目視で確認できるため、見つけ次第カットします。
竹や笹に関しては、地下茎の力が非常に強く、プラスチックを突き破ったり変形させたりすることがあるため、どめどめシートでは防御しきれない場合があります。竹対策には専用の「防竹シート」が必要ですが、ミントや芝生、一般的な宿根草の根止めとしては、どめどめシートは非常にコストパフォーマンスの高い解決策となります。
AGRI PICK:どめどめシートを使った花壇づくりと根止め効果の検証
様々な植物に対する根止めの効果や、実際の使用感がまとめられています。