足踏脱穀機は、踏み板を踏んでクランクで扱胴を回し、稲穂を当てて脱穀する仕組みです。
新品・中古を問わず、最初の「回し出し」はいきなり踏み込まず、扱胴を手で前方へ回して惰性を付けてから踏み板で連続回転に入ると、噛み込みが減って立ち上がりが安定します。
一度にたくさん穂を押し付けると、稲穂が絡まり「引き込まれそうになる」ため、薄く当てて、位置を少しずつずらしながら回すのが基本です。
作業の流れを、現場で迷いにくい形にすると次の通りです。
意外に効く小技として、稲束を握る位置を「穂から少し離す」だけで、穂先の当たり方が安定して脱穀ムラが減ります。
また、束の“太さ”がバラバラなまま当てると、太い束を当てた瞬間に回転が落ち、細い束では籾が飛びやすくなるので、束の太さを揃えてから当てると作業品質が一段上がります。
足踏み式の利点は、足で踏むことで回転数を自由自在に変えられる点です。
回転数は「速いほど良い」ではなく、乾燥が進んだ稲・硬い穂は速すぎると籾割れや飛散が増え、湿り気が残る稲は遅すぎると脱穀残りが増えるため、踏み方で“ちょうど良い回り”を探す発想が重要です。
動力化・改造の文脈でも、脱穀に必要な回転は秒あたり5~6回程度という推測が紹介されており、「過回転にしない」ことが品質と安全の両面で効く考え方だと分かります。
調整の観点は、足踏み脱穀機だと大きく2つに整理できます。
作業の診断表(原因→対策)を手元に置くと、現場で速いです。
参考:足踏み脱穀機(回転数を足で調整できる点、飛散防止装置など製品特徴と操作方法の確認)
足踏み脱穀機 - 株式会社ホクエツ
足踏脱穀機は構造がシンプルに見えても、扱胴・軸受・伝達部に籾殻や粉じんが溜まると、踏みが重くなり回転が上がらず、結果として脱穀残りが増えます。
脱穀機全般の手入れとして、伝達系に注油すること、作動前に機構の状態を確認することが経験談として繰り返し語られており、「動かす前の数滴」が一年分のトラブルを減らすタイプの作業です。
また、機械内部に籾が残ると小動物が巣を作ることがある、という実例もあり、シーズン後の清掃は“性能”だけでなく“保管事故”の予防でもあります。
掃除・注油・保管を、足踏脱穀機に寄せて具体化すると次の流れが現実的です。
意外に見落とされがちなポイントは「木部・台・床」です。古い機体だと底板が朽ちたり、汚れがギヤに固着して回転ロスになることがあり、分解清掃や底板交換の修理例も出ています。
参考)https://ameblo.jp/kahadaieno/entry-11829439493.html
新品の性能に近づけたいなら、“高価な部品交換”より先に、回転抵抗になる汚れ・錆・固着を減らすのが費用対効果で勝ちやすいです。
足踏脱穀機は「人力で低速だから安全」と思われがちですが、扱胴は回転体で、穂を一度に入れ過ぎると絡まり、引き込まれそうになる危険が明確に指摘されています。
安全設計の考え方として、危険源へ近づけない「隔離」、動作範囲に入るなら「停止」といった原則が示されており、足踏み脱穀機でも“詰まりを取る時は必ず停止”を徹底するのが筋の良い対策です。
さらに農業機械の騒音は一般に80~100dB程度で平均90dB前後という説明があり、長時間暴露は難聴などの悪影響があり得るため、耳栓などの対策も現実的な「安全投資」になります。
粉じん対策は、脱穀作業の疲労と後半の効率に直結します。
参考:農作業安全の手引き(農業機械の騒音レベル目安と健康影響、暴露時間など安全快適の考え方)
http://www.pref.kagoshima.jp/ag05/sangyo-rodo/nogyo/gizyutu/anzen/anzen2.html
足踏脱穀機は機械性能だけでなく、「作業の流れ」を設計すると能率が跳ねます。
歴史的にも脱穀は「丁寧」と「能率」という矛盾を両立させる工夫の積み重ねで発達してきたとされ、段取り改善は伝統的に“効く領域”です。
足踏脱穀機が普及した背景には、千歯扱きより作業能率が大きく上がったという説明もあり、機械を活かす鍵は“手順の整流化”にあると読み替えられます。
検索上位が「使い方」や「コツ」に寄りやすい一方で、現場で差が付くのは次のような段取りです(ここが独自視点)。
「意外な情報」として覚えておくと便利なのが、足踏脱穀機は稲だけでなく、そばの採種やワラの袴とりにも好適とされている点です。
つまり、稲作だけで年1回しか出番がない体制より、「採種・調整作業にも回す」前提で保管と清掃の頻度を上げた方が、結果として機械の調子が保たれ、秋の本番でトラブルが減ります。
参考:脱穀道具の変遷(足踏脱穀機の構造、絡まり・引き込み注意、能率の目安など“背景理解”の補強)
https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/history/tools/threshing.html