足踏脱穀機の使い方と調整と安全

足踏脱穀機の使い方から調整、掃除・注油、安全までを現場目線で深掘りします。脱穀のコツと失敗の原因を整理し、作業を速く安定させたい人は何から見直しますか?

足踏脱穀機の使い方と調整

足踏脱穀機の要点
回転数は「踏み」で作る

足踏み式は回転数を自由に変えられるのが最大の強み。稲の乾燥具合や束の太さに合わせて踏み方を調整すると、脱穀残りと籾割れを同時に減らせます。

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掃除・注油が性能を戻す

扱胴まわりと伝達部は籾殻・粉じんが溜まりやすく、回りが重くなって能率が落ちます。シーズン前後の掃除と注油で「踏んでも回らない」を予防できます。

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安全は手袋より「距離」

回転部に近づくほど危険が増えます。投入姿勢・置き場所・粉じん対策まで含めて段取りを整えると、事故リスクと疲労がまとめて下がります。

足踏脱穀機の使い方のコツ


足踏脱穀機は、踏み板を踏んでクランクで扱胴を回し、稲穂を当てて脱穀する仕組みです。
新品・中古を問わず、最初の「回し出し」はいきなり踏み込まず、扱胴を手で前方へ回して惰性を付けてから踏み板で連続回転に入ると、噛み込みが減って立ち上がりが安定します。
一度にたくさん穂を押し付けると、稲穂が絡まり「引き込まれそうになる」ため、薄く当てて、位置を少しずつずらしながら回すのが基本です。
作業の流れを、現場で迷いにくい形にすると次の通りです。


  • ① 設置:本体がガタつかない場所に置き、踏み板の可動域に障害物がないか確認します。
  • ② 回し出し:扱胴を手で回して惰性を付け、足踏みで回転を一定にします。

    参考)釜ケ原(かまがはら)探訪: 脱穀機の電動化改造

  • ③ 当て方:稲束は「穂先だけ」を当て、束の角度を変えながら少量ずつ脱穀します(押し込み過ぎない)。

    参考)足踏み脱穀機 - 株式会社ホクエツ

  • ④ 取り残し確認:穂先に籾が残る束が増えたら、回転不足か当て方の偏りを疑います(次のH3で調整します)。

意外に効く小技として、稲束を握る位置を「穂から少し離す」だけで、穂先の当たり方が安定して脱穀ムラが減ります。


また、束の“太さ”がバラバラなまま当てると、太い束を当てた瞬間に回転が落ち、細い束では籾が飛びやすくなるので、束の太さを揃えてから当てると作業品質が一段上がります。


足踏脱穀機の回転数と調整

足踏み式の利点は、足で踏むことで回転数を自由自在に変えられる点です。
回転数は「速いほど良い」ではなく、乾燥が進んだ稲・硬い穂は速すぎると籾割れや飛散が増え、湿り気が残る稲は遅すぎると脱穀残りが増えるため、踏み方で“ちょうど良い回り”を探す発想が重要です。
動力化・改造の文脈でも、脱穀に必要な回転は秒あたり5~6回程度という推測が紹介されており、「過回転にしない」ことが品質と安全の両面で効く考え方だと分かります。
調整の観点は、足踏み脱穀機だと大きく2つに整理できます。


  • 人の踏みで調整する:踏み込みを深くし過ぎず、一定テンポで回す(回転が波打つと取り残しが増える)。​
  • 当て方で調整する:穂先を当てる圧・角度・位置を変え、絡まりそうなら即座に“当てる量”を減らす。​

作業の診断表(原因→対策)を手元に置くと、現場で速いです。


  • 脱穀残りが多い:回転不足/当て位置の偏り → 踏みテンポを上げる、穂先を扱胴全体に散らして当てる。hokuetsu+1​
  • 籾が飛ぶ・粉じんが強い:過回転/乾燥過多 → 踏みを落として一定回転へ、風下側に立たない段取りへ。​
  • 絡まる・引き込まれそう:一度に入れ過ぎ → 束を薄くして当て、慌てて押し込まない。​

参考:足踏み脱穀機(回転数を足で調整できる点、飛散防止装置など製品特徴と操作方法の確認)
足踏み脱穀機 - 株式会社ホクエツ

足踏脱穀機の掃除と注油と保管

足踏脱穀機は構造がシンプルに見えても、扱胴・軸受・伝達部に籾殻や粉じんが溜まると、踏みが重くなり回転が上がらず、結果として脱穀残りが増えます。
脱穀機全般の手入れとして、伝達系に注油すること、作動前に機構の状態を確認することが経験談として繰り返し語られており、「動かす前の数滴」が一年分のトラブルを減らすタイプの作業です。
また、機械内部に籾が残ると小動物が巣を作ることがある、という実例もあり、シーズン後の清掃は“性能”だけでなく“保管事故”の予防でもあります。
掃除・注油・保管を、足踏脱穀機に寄せて具体化すると次の流れが現実的です。


  • 作業前:踏み板の可動部、回転部の異物噛み込みを目視し、回して異音がないか確認します。
  • 作業中:回りが重くなったら、無理に踏み抜かず一度停止し、籾殻の詰まりを疑います(踏力で解決しない)。
  • 作業後:扱胴まわりの籾殻を落とし、可動部は錆びやすいので軽く油膜を作って保管します。

意外に見落とされがちなポイントは「木部・台・床」です。古い機体だと底板が朽ちたり、汚れがギヤに固着して回転ロスになることがあり、分解清掃や底板交換の修理例も出ています。


参考)https://ameblo.jp/kahadaieno/entry-11829439493.html

新品の性能に近づけたいなら、“高価な部品交換”より先に、回転抵抗になる汚れ・錆・固着を減らすのが費用対効果で勝ちやすいです。


足踏脱穀機の安全と粉じんと騒音

足踏脱穀機は「人力で低速だから安全」と思われがちですが、扱胴は回転体で、穂を一度に入れ過ぎると絡まり、引き込まれそうになる危険が明確に指摘されています。
安全設計の考え方として、危険源へ近づけない「隔離」、動作範囲に入るなら「停止」といった原則が示されており、足踏み脱穀機でも“詰まりを取る時は必ず停止”を徹底するのが筋の良い対策です。
さらに農業機械の騒音は一般に80~100dB程度で平均90dB前後という説明があり、長時間暴露は難聴などの悪影響があり得るため、耳栓などの対策も現実的な「安全投資」になります。
粉じん対策は、脱穀作業の疲労と後半の効率に直結します。


  • 防じん:風下に立たない、屋内なら換気、必要なら防じんマスク(籾殻粉じんは想像以上に喉に来ます)。
  • 服装:袖口が広い服は回転部に近づけない(巻き込まれる前提で避ける)。
  • 段取り:詰まり取り・掃除の道具(ブラシ等)を手元に置き、手を突っ込む動作を減らす。

参考:農作業安全の手引き(農業機械の騒音レベル目安と健康影響、暴露時間など安全快適の考え方)
http://www.pref.kagoshima.jp/ag05/sangyo-rodo/nogyo/gizyutu/anzen/anzen2.html

足踏脱穀機の独自視点の段取り

足踏脱穀機は機械性能だけでなく、「作業の流れ」を設計すると能率が跳ねます。
歴史的にも脱穀は「丁寧」と「能率」という矛盾を両立させる工夫の積み重ねで発達してきたとされ、段取り改善は伝統的に“効く領域”です。
足踏脱穀機が普及した背景には、千歯扱きより作業能率が大きく上がったという説明もあり、機械を活かす鍵は“手順の整流化”にあると読み替えられます。
検索上位が「使い方」や「コツ」に寄りやすい一方で、現場で差が付くのは次のような段取りです(ここが独自視点)。


  • 稲束の規格化:束の太さを揃え、穂先の向きを揃えて置く(踏みリズムが乱れにくい)。
  • 置き場のレイアウト:左(未脱穀)→中央(足踏脱穀機)→右(脱穀後)の一方通行にして、持ち替え回数を減らす。
  • 粉じんの逃がし方:風向きに合わせて機械の向きを変え、目と喉へのダメージを減らす(疲労が減る=後半も一定品質)。
  • 休憩の入れ方:踏み作業は脚の疲労で回転が落ち、脱穀残りが増えるので、短い休憩でテンポを回復させる。

「意外な情報」として覚えておくと便利なのが、足踏脱穀機は稲だけでなく、そばの採種やワラの袴とりにも好適とされている点です。

つまり、稲作だけで年1回しか出番がない体制より、「採種・調整作業にも回す」前提で保管と清掃の頻度を上げた方が、結果として機械の調子が保たれ、秋の本番でトラブルが減ります。

参考:脱穀道具の変遷(足踏脱穀機の構造、絡まり・引き込み注意、能率の目安など“背景理解”の補強)
https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/history/tools/threshing.html




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