ゾヌリンの「基準値」は、健康診断の血算や肝機能のように全国共通で統一された値として運用されているわけではなく、どの検査(血清/便)をどの測定系で測ったかで参照範囲の意味が変わります。
たとえば、研究用として流通しているELISAキットでは、血清・便でキットが分かれ、血清の測定範囲が0.25~16 ng/mLと示されるなど、まず「測定レンジの前提」が明確に書かれています。
一方で、医療機関や検査会社が提供する検査パネルでは、独自の参照域(例:45 ng/mL など)を提示していることがあり、同じ「ゾヌリン」という名前でも数値の土台が違う可能性があります。
ゾヌリンは血液(血清)でも便(糞便)でも測定され得ますが、測定対象が違えば「何を反映しているか」も変わるため、基準値の読み方も変わります。
少なくともキット情報上は、血清用と糞便用が別製品として用意され、必要試料量や測定レンジが整理されています。
このため、ネット記事で見かけた「基準値」を自分の検査結果に当てはめる前に、報告書に書かれた検体種(血清か便か)と測定法(どのキット・どの方式か)を確認するのが安全です。
国内の紹介資料の一例として、Doctors Data社のゾヌリン検査(検体:血清)について「基準値は45 ng/ml」としつつ、「臨床的には40 ng/mlレベルから炎症・自己免疫疾患の症状があると確信して良い」という記載があります。
ここで重要なのは、45や40という数値そのものを“絶対的な真理”として扱うのではなく、「どの検査体系で、その参照域が提示されているのか」をセットで扱うことです。
特にゾヌリンは腸管バリア(タイトジャンクション)に関わる分子として説明されることが多く、症状や背景(食事、感染、ストレス、既往)と合わせて総合的に判断される領域です。
ゾヌリンは腸管上皮のタイトジャンクションを“緩める方向”に働き、腸管上皮の透過性が上がることで、通常は通りにくい物質が透過し免疫反応を活性化し得る、という説明がされています。
また、腸透過性評価の「ゴールド・スタンダード」としてラクツロース/D-マンニトール試験が紹介される一方で、その限界(輸送経路が完全には明らかでない等)にも触れられており、ゾヌリン単独で全てを断定しにくい構造が示唆されています。
つまり「ゾヌリン基準値を超えた=即リーキーガット確定」ではなく、他の検査や症状、生活状況と組み合わせて“腸管バリアの状態を推定する材料”として扱うのが現実的です。
農業従事者は、繁忙期に食事が「急いで食べられるもの」に偏りやすく、睡眠が削られ、暑熱環境や長時間労働のストレスが重なりやすいという特徴があります(生活実態として起こりやすい状況です)。
このとき「ゾヌリン基準値をどう下げるか」をサプリや除去食だけで考えると、現場で続かないことが多いので、現実的には“腸の負担を増やす要因を減らす設計”が先に必要です。
具体策としては、(1)繁忙期の主食・たんぱく質・発酵食品を固定メニュー化して迷いを減らす、(2)飲酒・刺激物を「連日」から「イベント日」に寄せて頻度を下げる、(3)検査は体調が極端に崩れている日を避け、採便・採血条件を揃える、の3点を優先すると「数値のブレ」を抑えやすくなります。
腸管バリアとゾヌリンの役割、測定法(血清・糞便キット)と参考文献のまとまり。
https://www.funakoshi.co.jp/contents/7334
「基準値45 ng/ml」「臨床的には40 ng/mlから」などの目安がどこから来ているか確認できる資料(血清ゾヌリンの紹介PDF)。
https://detox.jp/wp-content/uploads/2017/08/0d92c45da6aea710ddabb5f0d9efb73d.pdf