洗卵選別機と処理能力と衛生管理

洗卵選別機を導入する前に、処理能力・給湯条件・衛生管理の要点を整理し、現場で失敗しない選び方と運用のコツまで掘り下げます。どこから見直しますか?

洗卵選別機と衛生管理

洗卵選別機の要点(現場向け)
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処理能力は「卵/時」だけで決めない

能力表記(例:3万卵/時)に加え、前後工程・人員・停止時間まで含めて実力を見積もります。

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洗浄水温は衛生の中核

洗浄水の温度条件は基準が明確で、守れないと汚れ落ち・交差汚染リスク・クレームが増えます。

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清掃性=稼働率

工具なしで外せる部品、洗いやすい構造、記録の運用まで整えると、停止が減り歩留まりが安定します。

洗卵選別機の処理能力とライン設計


洗卵選別機の「処理能力(卵/時)」は、機械単体の最大値よりも、供給・乾燥・検卵・包装・箱詰めまでの詰まりで実力が決まります。
たとえば、メーカー情報では3万卵/時クラスや6万~7.6万卵/時クラスなど複数レンジが示されており、規模に応じたシリーズ選択が前提になっています。
一方で小型機では3,600卵/時~1万卵/時といったレンジもあり、農場内の自家選別・直売・小ロット対応の現場ではこちらが現実的な場合があります。
現場での見積もりは、次の観点で「ライン全体の上限」を先に固めると失敗が減ります。


  • 供給側:集卵の時間帯ピーク(午前集中など)で一時的に滞留が起きないか。
  • 停止要因:洗浄・ブラシ交換・異物噛み・再検卵などで、実際には“連続100%稼働”にならない。
  • 包装側:パック形態(10個/6個)、印字、ラベル貼付、箱詰め速度がネックになりやすい。

意外に効くのが「能力の余裕=衛生の余裕」という考え方です。最大能力ギリギリで回すと、清掃・点検の時間を削りがちになり、結果として汚れ残りや不良卵混入の再作業が増えて稼働率が落ちます。mhlw+1​
機械スペックの比較では、処理速度だけでなく、電気容量や給湯条件(温度・流量)が現場のインフラで成立するかも同時に確認します。


参考)洗卵選別包装システムJOBシリーズ

洗卵選別機の洗浄水温度とサルモネラ対策

洗卵は「汚れを落とす作業」であると同時に、「汚れを広げない設計・運用」が重要で、洗浄水の温度条件が明確に示されています。
具体的には、洗浄水の温度は30℃以上、かつ原料卵の温度より5℃以上高くすることが要点で、これは卵内部への吸い込み(温度差・圧力差による浸入リスク)を抑える考え方とセットで運用されます。
さらに、洗浄水・すすぎ水に関する消毒や水管理の考え方も、衛生管理要領として具体的に整理されています。
参考(洗浄水温度・消毒液濃度の基準がまとまっている)
厚生労働省:卵によるサルモネラ食中毒の発生防止について(洗浄水温度の基準)
参考(選別包装施設の衛生管理要領:洗浄水温・次亜塩素酸ナトリウム濃度など)
卵選別包装施設の衛生管理要領(PDF)
「洗浄水温を守っているつもりでもズレる」落とし穴は、原料卵の温度が季節で変わる点です。


参考)https://www.jz-tamago.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/E05_3_3.pdf

冬場の原料卵が低温になっていると、洗浄水温の設定値だけ固定しても“卵温との差”が十分でないことがあり、基準の考え方(卵温より高く)に立ち返って管理すると安定します。mhlw+1​
また、井戸水利用などでは水質検査を含む管理が手引書に示されており、水側の衛生がボトルネックになり得ます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000481716.pdf

洗卵選別機の清掃性とHACCP記録

洗卵選別機は「洗えるか」ではなく「毎日、短時間で、同じ品質で洗えるか」が稼働率と事故率を左右します。
HACCPの考え方を取り入れた手引書では、洗卵ブラシの取り外し洗浄・機内の洗浄消毒など、作業終了後“毎回”実施し記録する例が示されています。
GPセンターの一般衛生管理基準でも、洗卵機内の毎日の清掃・記録、さらに洗浄水温を1日複数回測定して記録する、といった管理の具体例が挙げられています。
参考(GPセンター向け:日々の清掃・温度測定・記録の考え方が具体的)
日本卵業協会:GPセンター 一般衛生管理基準(PDF)
ここで“意外に差がつく”のが、清掃そのものよりも「清掃しやすい構造」と「外した部品の置き場・乾燥・再組立ての導線」です。food-town+1​
たとえば、小型機の紹介では、主要パーツを工具なしで外して水洗いできるといった清掃性が強調されており、こうした設計思想は人手不足の現場で実効性が出やすいです。


参考)共和機械株式会社

記録についても、紙でもデジタルでも良いので「温度」「濃度(使う場合)」「洗浄実施」「異常時の処置」を同じフォーマットで残すと、引継ぎと教育コストが下がります。nichirankyo+1​

洗卵選別機の給湯・電気容量の現実

洗卵選別機は本体だけ買っても動かず、給湯(温度・流量)と電源(容量)の条件が合わないと、能力が出ないか、衛生基準の運用が破綻します。
メーカー例では、洗卵選別包装システムで給湯が「55~60℃で8L/min」といった条件が提示され、さらに電気容量として三相200V・単相100Vの併用など具体値が示されています。
この種の数値は「標準仕様の参考値」「仕様により異なる」とされることが多いため、導入時は現場の既設設備(ボイラー能力・給湯配管径・電力契約)と突合し、追加工事費を先に見積もるのが安全です。
現場のチェック項目(抜けやすい順)

  • 給湯:連続運転で温度が落ちないか(貯湯式か瞬間式か、配管ロスはどうか)。
  • 電源:三相200Vが必要か、増設や契約変更のリードタイムはどれくらいか。
  • 排水:油脂・汚れ・殻片の扱い、床勾配、詰まり対策(清掃導線とセット)。
  • エア:必要量がある機種では、コンプレッサの容量とドレン処理も要確認。

「能力を上げたいから大きい機械」だけで考えると、給湯・電源・排水で詰まり、結局は低速運転になることがあります。

逆に、インフラ整備を含めて最初に“安定稼働の条件”を作ると、衛生管理(温度管理・清掃頻度)を守りながら処理量も伸びやすくなります。mhlw+1​

洗卵選別機の独自視点:キャリアカップ洗浄の盲点

洗卵選別機の衛生で見落とされがちなのが、卵そのものではなく「卵が触れる搬送側」の汚れです。
一部の機種では“全自動キャリアカップ洗浄”の搭載が特徴として挙げられており、従来難しかったキャリアカップの洗浄を打ち出しています。
この視点が重要なのは、卵殻表面の汚れを落としても、搬送部品に汚れや水分が残れば、次ロットへ汚れを受け渡す経路が残るためで、清掃対象の設計範囲が広いほど安定運用に寄与します。
現場でできる“独自対策”としては、次のように「機械の機能」と「運用の工夫」をセットにします。


  • 搬送部品の洗浄:キャリアカップやガイド部の洗浄・乾燥を工程として固定化する。

    参考)洗卵選別包装システムSKY-Gシリーズ

  • 乾燥の考え方:濡れた部品は汚れが付着しやすいので、洗った後の置き場(送風・排水・棚材質)を整える。
  • 教育:新人に「卵を洗う」ではなく「ラインを汚さない」発想を教える(記録とセット)。nichirankyo+1​

導入検討では、パンフレットの“処理能力”よりも、「キャリアカップや機内の洗浄を、毎日無理なく回せる構造か」を優先して確認すると、後から効いてきます。kyowa-machinery+1​




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