サブソイラーの中古市場において、価格相場は非常に幅広く変動しますが、一般的に実用可能な状態のものは10万円から30万円程度で取引されることが多い傾向にあります。
新品のサブソイラーが数十万円から高機能なものでは100万円近くすることを考慮すると、中古農機具としての需要は極めて高く、特に春や秋の耕起シーズン前には品薄になることも珍しくありません。
価格を左右する最大の要因は、メーカー(スガノ農機などが人気)、爪(シャンク)の本数、そして振動機能の有無です。
単純な構造の1本爪(1連)タイプであれば、5万円から10万円程度で見つかることもありますが、3本爪(3連)以上の大型トラクター向けモデルや、振動装置付きのモデルは価格が下がりにくく、20万円以上の予算を見ておく必要があります。
ヤフオクなどのネットオークションを利用する場合、特に注意が必要なのが「送料」の問題です。
サブソイラーは重量がある鉄の塊であり、パレット輸送が必要になるケースがほとんどです。
本体価格が安くても、遠方からの送料を含めると地元の農機具店で購入するのと変わらない、あるいは高くなる可能性があります。
そのため、基本的には「引き取り限定」の出品を狙うか、近隣県からの出品に絞って検索することが、総額を抑えるための重要なテクニックとなります。
また、ネットオークションでは「現状渡し」が基本であり、写真では判別できない不具合(フレームの微細なクラックや可動部の固着など)が隠れているリスクも考慮しなければなりません。
出品者に対して、保管状況(屋内か屋外か)や最終使用時期などを質問欄で確認し、誠実な回答が得られるかを判断基準にすることも大切です。
特に、離農による出品などの場合はメンテナンスが行き届いている掘り出し物がある一方で、長期間放置されてサビが進行しているものも多いため、サビの深さやボルトの固着具合を拡大写真等で入念にチェックする必要があります。
サブソイラーの落札相場・落札価格 - Yahoo!オークション(過去の取引価格の推移や現在の出品状況を確認できます)
参考)Yahoo!オークション -「サブソイラー」の落札相場・落札…
中古のサブソイラーを選ぶ際に最も致命的な失敗となり得るのは、所有しているトラクターの馬力と作業機の適合サイズを見誤ることです。
サブソイラーは土中深く(30cm〜50cm以上)に爪を食い込ませて硬盤層を破砕するため、他の作業機と比較しても極めて大きな牽引力を必要とします。
馬力が不足していると、トラクターがスリップして前に進まないだけでなく、エンジンやトランスミッションに過度な負荷がかかり、トラクター自体の寿命を縮める原因となります。
一般的に、サブソイラーのシャンク(爪)1本あたりに必要な馬力は、土壌条件にもよりますが20〜30馬力が目安とされています。
したがって、1本爪のサブソイラーであれば20〜35馬力クラスのトラクターで対応可能ですが、2本爪であれば40〜60馬力、3本爪であれば60馬力以上のトラクターが必要になるケースが一般的です。
また、単にエンジン馬力だけでなく、トラクターの「重量」と「駆動方式」も重要な要素です。
軽量なトラクターでは、いくら馬力があってもタイヤが空転(スリップ)してしまい、十分な深耕作業ができません。
このため、サブソイラーを使用する場合は四輪駆動(4WD)のトラクターがほぼ必須条件となり、さらに必要に応じてフロントウェイトを追加して前後の重量バランスを調整する必要があります。
中古市場では、前の所有者がどのような馬力のトラクターで使用していたかという情報が記載されていることがあるため、それを参考にしつつ、メーカーの適応表を確認することが確実です。
特に、輸入車のトラクターや旧型モデルの場合、ヒッチの規格(3点リンクのカテゴリーⅠやⅡなど)が合わない可能性もあるため、馬力だけでなく取り付け部の規格確認も怠ってはなりません。
無理をして大きなサブソイラーを購入してしまい、結局使えずに手放すというケースは少なくないため、余裕を持った馬力設定での選定を強く推奨します。
スガノ農機 製品情報(各モデルの適応トラクタ馬力や重量などの詳細スペックを確認できます)
参考)サブソイラの中古が安い!激安で譲ります・無料であげます|ジモ…
中古サブソイラーの状態を見極める上で、最も注目すべき消耗部品は「爪(チゼル/弾丸)」の摩耗具合です。
サブソイラーの先端に取り付けられた爪は、硬い心土を破砕するために常に強烈な摩擦にさらされています。
中古品の場合、この爪が摩耗して丸くなっていたり、極端に短くなっていたりすると、土への貫入性能が著しく低下します。
先端が鋭利でなければ、トラクターが必要とする牽引力が増大し、燃費が悪化するだけでなく、意図した破砕効果が得られません。
購入時には、爪の交換が必要かどうかを判断し、交換が必要な場合はその部品代(数千円から数万円)も購入予算に含めて考える必要があります。
一部の古いモデルでは、交換用の爪が既にメーカー供給停止となっている場合もあるため、消耗品の入手性は必ず事前に確認しておきましょう。
さらに、サブソイラーには大きく分けて「固定式(ノンストップ含む)」と「振動式」の2種類が存在し、それぞれ中古購入時のチェックポイントが異なります。
振動式サブソイラーは、PTO(動力取り出し装置)からの動力を利用して爪を上下または前後に振動させることで、より少ない牽引力で強力な破砕効果を発揮します。
小馬力のトラクターでも深い耕起が可能になるメリットがありますが、中古で購入する場合は機械的なリスクが高くなります。
振動を生み出すためのカムやギアボックス、ユニバーサルジョイントなどの駆動部分にガタつきや異音がないか、オイル漏れがないかを厳重にチェックする必要があります。
一方、固定式は構造がシンプルで壊れにくいというメリットがありますが、石などの障害物に当たった際に機械を守るための「シャーボルト(安全ボルト)」の状態を確認する必要があります。
シャーボルトの取り付け穴が長年の使用で広がって楕円形に変形していると、ボルトが頻繁に折れる原因となり、作業効率が著しく低下します。
振動式を選ぶか固定式を選ぶかは、所有するトラクターの馬力と、メンテナンスの手間をどれだけ許容できるかによって決定すべきですが、中古初心者の場合は構造が単純な固定式の方がトラブルのリスクは低いと言えます。
中古トラクター購入時のポイント(作業機とのマッチングやメンテナンスの重要性について解説されています)
参考)中古トラクター購入時のポイント3選 - 農機具通販ノウキナビ
日本国内の中古農機具市場において、サブソイラーの代名詞とも言える圧倒的な人気を誇るのが「スガノ農機」の製品です。
「白農機」として親しまれているスガノ製のサブソイラーは、土の反転性や破砕効果の高さ、そして耐久性に定評があり、中古市場でも高値で取引されています。
スガノ製品を選ぶ最大のメリットは、部品供給体制の良さにあります。
農機具は数十年単位で使用されることも珍しくありませんが、スガノ農機は比較的古いモデルであっても、爪やボルト、消耗部品の供給を継続しているケースが多く、安心して長く使い続けることができます。
中古で購入した後、摩耗した爪を交換しようとした際に「部品がない」という事態に陥るリスクが、他メーカーや無名ブランドに比べて格段に低いのです。
他にも、ニプロ(松山)やコバシ(小橋工業)といった大手メーカーのサブソイラーも中古市場には多く流通しています。
これらのメーカーも信頼性は高いですが、スガノ農機が土作り機器に特化したメーカーであるのに対し、ニプロやコバシはロータリーやハローなどの駆動系作業機に強みを持っています。
それぞれのメーカーで、爪の形状や破砕のメカニズムに細かな違いがあります。
例えば、特定の土壌条件(粘土質や礫質土など)に特化したオプション爪が用意されているかどうかも、メーカー選びのポイントになります。
中古市場で探す際は、単に「サブソイラー」という名称だけでなく、型式を検索してメーカーの公式サイトや取扱説明書を確認し、自分の圃場の土質に合った特徴を持っているかをリサーチすることが重要です。
また、人気メーカーの製品はリセールバリューが高いため、将来的に離農や買い替えで手放す際にも、ある程度の価格で売却できるという経済的なメリットも見逃せません。
スガノ農機株式会社(「土の館」など土作りに関する情報や製品カタログが充実しています)
多くの中古農機具ガイドでは、爪の減りや外観のサビについては言及されますが、サブソイラー選びで意外と見落とされがちなのが「フレーム(枠組み)の歪み」と、それによる「心土破砕効果の不均一化」です。
サブソイラーは、地中の石や硬盤層に強烈な力でぶつかりながら進む作業機です。
過去の所有者が、過度な速度で作業を行ったり、地中の巨大な石にヒットした際に無理やり牽引したりした場合、肉眼では分かりにくいレベルでメインフレームやマウント部分が歪んでいることがあります。
フレームが歪んでいると、複数のシャンクがある場合、それぞれの爪が入る深さが均一にならず、左右で破砕効果にムラが生じます。
これは、圃場全体の排水性を均一に改善するというサブソイラー本来の目的を損なう重大な問題です。
購入前の現物確認が可能であれば、平坦なコンクリートの上にサブソイラーを置き、左右の爪の高さや角度が揃っているか、また3点リンク取り付け部のピン穴が左右対称の位置にあるかをメジャーで計測することをお勧めします。
さらに、独自視点として「シャンク(爪の支柱部分)の側面摩耗」にも注目してください。
通常、交換可能な先端のチップ(爪)だけを気にしがちですが、硬い土壌で長期間酷使されたサブソイラーは、チップの後ろにあるシャンク本体の側面が土との摩擦で削れて薄くなっていることがあります。
シャンク自体が薄くなると強度が落ち、作業中に突然折損する事故につながる恐れがあります。
また、シャンクの側面が摩耗して流線型が崩れていると、土の抵抗が増し、心土を「割る」のではなく単に「切る」だけの状態になり、期待するような亀裂が土中に走らず、排水性改善効果が半減してしまいます。
「心土破砕」は、単に溝を掘るだけでなく、周囲の土に亀裂を広げて空気と水の通り道を作ることが目的ですので、シャンクの形状が保たれているかは、作業品質に直結する重要なチェックポイントなのです。
プロが教える農機具の選び方(中古機械の整備状況や選び方の基準について専門的な視点で解説)
参考)新品?中古?レンタル?プロが教える、農機具の選び方