レビゾールと殺菌剤とDMIとフレキシパワー

レビゾール(メフェントリフルコナゾール)の特徴を、DMIとしての作用、低感受性菌への安定性、登録内容や使用時期の考え方まで農業現場向けに整理します。耐性菌管理や散布設計の勘どころも押さえたいのでは?

レビゾールと殺菌剤

レビゾールの要点(現場向け早わかり)
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DMIの新規有効成分

レビゾール(一般名:メフェントリフルコナゾール)はDMI(ステロール生合成阻害)系で、果樹中心に防除設計へ組み込みやすい新しい選択肢です。

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低感受性菌に安定

特徴の「フレキシパワー」により、DMI低感受性菌に対しても安定した効果が得られる点が訴求されています。

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登録とラベルが最優先

適用作物・使用回数・収穫前日数などは登録内容に依存するため、必ず最新ラベルと農薬登録情報提供システムで確認して運用します。

レビゾールのDMIと作用機構(ステロール生合成阻害)

レビゾールは、一般名メフェントリフルコナゾールの殺菌成分で、DMI(脱メチル化阻害)系に分類されます。
DMIは、病原菌の細胞膜に重要なエルゴステロールの生合成過程(C14位の脱メチル化)を阻害することで生育を止め、結果として防除効果を発揮する仕組みです。
同じ「アゾール系」と一括りにされがちですが、レビゾールは“イソプロパノール・アゾール”という新しい構造上の位置づけが示されており、既存DMIと同一視しない方が散布設計でズレが起きにくいです。

レビゾールのフレキシパワーと低感受性菌への安定効果

レビゾールは立体構造を柔軟に変化させることで標的酵素への結合が強い、という「フレキシパワー」が特徴として説明されています。
この性質により、DMI低感受性菌に対しても安定した効果が得られる点が製品特長として明記されています。
現場的には「効く・効かない」を一回の散布結果で断定せず、散布タイミング(予防寄りか、感染後寄りか)とローテーション設計、発病圧(降雨・萌芽期・展葉スピード)をセットで見て評価するのが安全です。

レビゾールの適用作物と登録(ベランティーフロアブル)確認ポイント

日本での具体的な運用は、レビゾール34.9%を含有する殺菌剤「ベランティーフロアブル」が一つの軸になり、農薬登録(例:登録番号24778)として整理されています。
植物防疫の解説では、2023年10月18日付で新規に農薬登録を取得したこと、果樹類を中心に各種病害に効果を示したことが記載されています。
登録内容は更新や適用拡大があり得るため、作物名・適用病害名・希釈倍数・使用時期・使用回数(本剤/有効成分の総回数)を、必ず農薬登録情報提供システムの個別ページで突合してください。
参考:登録情報(作物・使用回数・使用時期の確認に有用)
農薬登録情報提供システム「ベランティーフロアブル」

レビゾールの使用時期・希釈倍数・散布設計(ローテーションの実務)

たとえば植物防疫の表では、りんご等で希釈倍数8,000倍、収穫14日前まで、使用回数(本剤・成分総回数)などが整理され、運用条件は「数字で縛られる」ことが分かります。
この種のDMIは、病気が見えてから慌てて連打するより、感染前~感染初期の予防寄りでローテーションに組み込み、系統の異なる薬剤と交互に使う方が、結果的に失敗が減ります(回数制限と耐性管理の両面で合理的です)。
また「希釈倍数のミス」は効き不足・薬害リスク・コスト増を同時に招くので、タンク容量に対する原液量は希釈早見表や計算表で毎回固定化し、現場メモ(例:500L、8,000倍=原液62.5mL)として残す運用が効果的です。

レビゾールの安全性・環境と現場の盲点(独自視点)

ラベルには、製品が「普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)」であることや、防除作業時の保護具(不浸透性手袋、長袖・長ズボン等)が明記されています。
一方で、現場の盲点になりやすいのが「剤の分類」と「SDS上の危険有害性」の切り分けで、普通物でも目への重篤な損傷・刺激などがSDSに示される場合があるため、ゴーグルや洗眼・洗浄動線の整備は軽視しない方が安全です。
さらに意外と見落とされるのが“散布者のばく露”より“調製者のばく露”で、薬液調製(計量→投入→攪拌)でミストや飛沫を受ける場面が多いので、調製スペースの風向・水場・手袋の交換タイミングまでルール化すると事故が減ります。
参考:有効成分の作用機構や環境評価の前提(作用機構・物性・評価の読み解きに有用)
環境省資料「メフェントリフルコナゾール 評価対象農薬の概要」