ナビゲーション(navigation)は英語としては「航海・航行」などの意味を持ち、位置を把握し、ルートを計画し、たどるという活動そのものを指します。Weblio辞書でも、navigationを「自身の位置を正確に把握し、ルートを計画し追跡するプロセス」と説明しています。
この原義がビジネスに入ると、「どこにいるか(現状)」「どこへ行くか(目標)」「どう行くか(手段)」をセットで扱う言葉になります。つまり“ナビ”は単なる表示物ではなく、意思決定を迷わせないための設計思想です。
農業の現場に置き換えると分かりやすいです。たとえば、同じ農産物でも「直売所に出す」「飲食店へ卸す」「ECで売る」では、必要な規格・ロット・梱包・出荷頻度が変わります。ここで「判断の順番」が曖昧だと、現場は毎回迷い、ムダが増えます。
ナビゲーションは、こうした迷いを先回りして減らし、行動をそろえるための“道順の設計”です。
Webの世界でのナビゲーションは、ユーザーがサイト内をスムーズに移動するためのメニューやリンクなどの機能、と整理されます。代表例がグローバルナビゲーションで、「主要ページへのリンクをまとめたメニュー」であり、サイト全体の構造を案内する意味合いがあると説明されています。
重要なのは、ナビゲーションが「構造」と「導線」を同時に扱う点です。構造は全体像(何がどこにあるか)、導線は移動(どの順に辿ると目的に早いか)です。
農業従事者向けに“ビジネスの導線”として考えるなら、次のように整理できます。
✅構造(全体像を一目で分かるようにする)
✅導線(迷わず次の行動へ進めるようにする)
ポイントは、導線は「現場で実際に起きる順番」に合わせることです。机上の理想ではなく、発生頻度が高い分岐(例:欠品、雨で収穫延期、運送遅延)を前提にすると、導線が現実に強くなります。
UX(ユーザー・エクスペリエンス)は、製品やサービスが簡単にナビゲートでき、効率的であることなどを含めて、ユーザーのニーズと期待を満たすことを目的にすると説明されています。つまり、ナビゲーションはUXの中核要素です。
農業ビジネスのUXは、Webサイトだけでなく、取引のしやすさ・問い合わせのしやすさ・納品の安定感など、体験全体に広がります。
たとえばBtoB(飲食店・小売)でありがちな“体験の詰まり”はここです。
これらは結局、相手の時間を奪い、購買を止めます。反対に、ナビゲーション設計が良いと“選びやすく、頼みやすい”体験になります。
意外と見落とされがちですが、現場の“新人教育”もUXです。新人が迷わず動ける手順・ラベル・置き場表示は、社内ユーザーに対するナビゲーションであり、結果として出荷品質のブレを減らします。
Web運用の観点では、グローバルナビゲーションはユーザーの利便性を高めるだけでなく、運営側にもメリットがあるとされ、重要ページへ戦略的にユーザーを誘導する導線にもなります。さらに、グローバルナビゲーションによって主要ページに内部リンクを集めることで、検索エンジンに重要なページを伝えやすい、という説明もあります。
つまり、ナビゲーションは「読者の迷いを減らす施策」であると同時に「重要ページに評価を集める施策」でもあります。
ただし、農業系サイトでありがちな失敗が2つあります。
対策はシンプルです。PLAN-Bの解説では、グローバルナビゲーションのメニュー数は最大12項目、可能であれば7項目までに絞ることが推奨されています。また、専門用語や造語を避けて分かりやすい言葉を使うこと、日本語ユーザー向けなら日本語表記を推奨する趣旨も述べられています。
農業のサイトなら、まずは「商品」「買い方」「出荷日」「農園について」「お問い合わせ」など、購入・検討に直結する項目を優先し、細かい情報は下層で整理すると強い構造になります。
参考:グローバルナビゲーションの役割(サイト構造の提示、導線、SEO)
https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/48479/
検索上位の文脈はWeb中心になりがちですが、農業では「物理ナビゲーション」が売上と安全に直結します。ここでのナビゲーションは、看板や矢印だけではありません。“人の迷い”が起きる場所を先に潰す設計です。
たとえば、次の3つは地味ですが効きます。
意外なポイントは、「ベテランの頭の中にあるナビ」を外に出すだけで、ミスが目に見えて減ることです。ベテランは無意識に“最短ルート”を知っていますが、仕組みに落とさない限り新人は再現できません。
ナビゲーションを“見える化”すると、属人化がほどけ、ピーク時の混乱(繁忙期の出荷、台風前の前倒し収穫など)に強い現場になります。
参考:ナビゲーションの語義(航海・航行/ルート計画と追跡のプロセス)
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%8A%E3%83%93%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3