コンボルブリンは、アサガオの種子成分として知られる「ファルビチン」と並んで、摂取により激しい下痢や嘔吐、血圧低下などを起こし得る成分として紹介されています。
同様に、アサガオ種子の毒として腹痛・下痢・嘔吐などが起きることがまとめられており、農作業中の「誤食」「子どもの遊び」「家畜・ペットの拾い食い」まで含めてリスク評価が必要です。
特に現場で厄介なのは、「食用作物の毒」と違って“観賞用・雑草由来の混入”で事故が起きる点で、収穫物への混入だけでなく、休憩中の手指汚染→口へ、という経路も現実的です。
農業従事者向けの注意点として、症状が消化器症状中心になりやすい情報が出回る一方、動物では大量摂取で神経症状が起こり得る旨も示されているため、畜産・放牧・牧草地周りでは「食べさせない設計」を優先した方が安全です。
参考)犬猫に毒性を示す植物
誤食が起きた場合は「様子見」で済ませず、摂取した可能性がある部位(種子か根か等)と量、発症までの時間を記録し、医療機関・獣医への情報提供に繋げるのが現場対応として重要になります。
参考)https://digioka.libnet.pref.okayama.jp/detail-jp/id/ref/M2022041311350036701
コンボルブリンは、ヒルガオ科植物に特徴的に含まれる樹脂配糖体の一つとして研究されており、同じヒルガオ科でも種・部位によって含有のされ方が異なります。
たとえば和漢薬情報では、アサガオ(牽牛子)の「種子」には樹脂配糖体ファルビチンが約2%含まれ、別種のノアサガオでは「根」に樹脂配糖体コンボルブリンを含む、と整理されています。
つまり、同じ“アサガオ系”の見た目でも、危険部位が「種子中心」なのか「地下部中心」なのかがズレる可能性があり、現場教育では“植物名だけ”でなく“部位セット”で覚えるのが実務的です。
また、一般向け資料でも、コヒルガオに強い下痢を起こさせる配糖体毒としてコンボルブリンが根に含まれる旨が触れられており、耕起・抜根・畦畔管理で根を触る作業が多い圃場ほど注意点になり得ます。
参考)http://www.dainippon-tosho.co.jp/newsletter/files/p_observation2.pdf
ヒルガオ科はつる性で繁茂しやすい種もあり、雑草としての厄介さと“化学成分としてのリスク”が同時に存在するのが、農業現場では見落とされがちなポイントです。
樹脂配糖体はヒルガオ科に特徴的な成分群で、研究成果報告書では大きく「ヤラピン」と「コンボルブリン」の2タイプに大別されると説明されています。
同資料では、樹脂配糖体がオキシ脂肪酸・単糖・有機酸から構成されるグリコリピッドであること、そしてコンボルブリンが“アシル化配糖酸のオリゴマー”と推定される一方で単離例が難しい状況にも触れています。
この「単離・同定が難しい」という事情は、現場で“何mg入っている”のような数値管理がしにくい背景にもなり、危険度評価を成分濃度ではなく「植物・部位・混入経路」で組み立てる必要性に繋がります。
さらに、コトバンクの解説では、薬用にするヤラッパ根の有効成分としてコンボルブリンが主成分に挙げられ、瀉下剤として用いられることが示されています。
参考)convolvulinとは? 意味や使い方 - コトバンク
この「薬にもなるが、扱いを誤れば強い作用が出る」という二面性は、農業従事者が安全教育を行う際に説得材料になりやすく、単なる“危険植物”として片付けるより理解が進みやすい側面があります。
農作業で問題になりやすいのは、(1)作物への物理的混入、(2)刈草や残渣への混入、(3)種子の飛散・落下による翌年以降の持ち込み、の3経路です。
とくにアサガオ類は種子が小さく、乾燥後にこぼれやすいので、圃場周辺・資材置場・収穫物仮置き場の「掃き掃除の頻度」が事故確率を左右します。
またコヒルガオ等では根に毒性成分がある旨が示されているため、抜根・耕起で露出した根を「そのまま放置して乾燥→細断→飛散」させない運用(回収・集積・適切な処分)が合理的です。
実務で使えるチェックリストとしては、次のように“人の動線”に結びつけて設計すると定着します。
参考)http://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1405
・🧤 手袋:除草・刈払い後は交換または洗浄し、休憩前に手洗いを必須化する。
・🚰 手洗い:圃場と休憩場所の間に手洗い導線を作る(携帯水・洗浄剤でも可)。
・🧺 選別:収穫物に「つる・種子・根片」が混じる作型では、選別工程を一段増やす。
・📛 表示:アサガオ類・ヒルガオ類が多い圃場は、危険植物として掲示し新人教育に組み込む。
検索上位では「人の誤食」中心で語られがちですが、農業現場では家畜・作業犬・地域猫など“人以外の口”が存在する点が盲点になりやすいです。
統合獣医系の情報では、アサガオ類が複数の毒性化合物(リゼルグ酸、コンボルブリン等)を含み、犬猫で嘔吐・下痢、さらに大量摂取で神経症状が起こり得る旨が示されています。
このため、畜産・牧草・放牧に関わる場合は、単に除草するだけでなく「柵」「採食させない動線」「刈草の一時置き場を動物が触れない場所へ」など、圃場設計で事故確率を下げる考え方が有効です。
また、ヒルガオ科の樹脂配糖体は研究面では医薬品開発の“シーズ”として扱われる一方、現場では“混入すると下痢を誘発し得る”という方向で問題化しやすく、同じ成分でも立場で価値が逆転します。
このギャップを利用し、社内研修では「医薬にもなるほど作用が強い=だから管理が必要」という説明にすると、単なる注意喚起より納得感が出やすいのが実務上のコツです。
研究として樹脂配糖体(ヤラピン/コンボルブリンの分類や構造研究)の背景を押さえたい場合。
KAKEN研究成果報告書:ヒルガオ科に特徴的な樹脂配糖体(ヤラピン/コンボルブリン)や構造研究の到達点がまとまっている
参考)https://kaken.nii.ac.jp/en/file/KAKENHI-PROJECT-16K08306/16K08306seika.pdf
現場での誤食リスク(症状の目安)を手早く確認したい場合。
アニコム損保:植物由来毒の概説として、アサガオ種子の毒成分(ファルビチン/コンボルブリン)と症状が整理されている