ハイドロポニクスと水耕栽培と養液栽培とNFTとDFT

ハイドロポニクスを水耕栽培・養液栽培として現場導入する際、NFTやDFTの選び方、培養液管理(pH・EC・溶存酸素)、根腐病リスクまでを一気に整理します。どこから改善すると失敗が減るでしょうか?

ハイドロポニクスと水耕栽培

ハイドロポニクス現場導入の要点
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方式を先に決める(NFT/DFT)

根の酸素環境と停電時のリスクが変わるため、栽培規模・設備冗長性とセットで選びます。

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培養液はpH・EC・溶存酸素

pHやECに加え、見落とされがちな溶存酸素(DO)が根傷みや根腐病に直結します。

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根腐病(ピシウム)を設計で減らす

衛生(パネル洗浄)・水温・pH運用・曝気などを「運用の頑張り」ではなく仕組み化します。

ハイドロポニクスの養液栽培の基本


ハイドロポニクスは、土を使わずに植物に必要な栄養素を溶かした培養液(養液)で育てる「養液栽培」の考え方を中心にした水耕栽培です。
土壌が持つ「保水・緩衝・微生物相」を設備と管理に置き換えるため、栽培成否は品種選定よりも“根域環境を一定に保つ設計”に左右されやすいのが特徴です。
現場感覚で言うと、ハイドロポニクスは「肥料を与える」ではなく「根が吸いやすい状態(pH・EC・DO・水温)を維持する」仕事に変わります。
参考:養液栽培の培養液pHの目安(5.5~6.5)など、基礎となる培養液管理の考え方
農林水産省 PDF:13 養液栽培の培養液管理

ハイドロポニクスのNFTとDFTの違い

NFTは培養液を「薄い膜」で流し、根の一部を空気に触れさせて酸素を取り込みやすくする方式で、根域の酸素不足が起きにくい一方、流れが止まると根が乾きやすく停電・故障の影響を受けやすいとされます。
DFTは根が養液に浸かる時間が長くなりやすく、溶存酸素が不足すると根腐れ(根傷み)に繋がりやすいため、曝気や循環などで酸素を確保する設計が重要になります。
「軽量で省養液」のNFT、「水量が多く緩衝が効く」DFTという単純比較で決めず、停電対策(非常電源、予備ポンプ、液面維持)まで含めて方式を選ぶのが事故を減らす近道です。
参考:NFTは薄く循環させ根が酸素を取り込みやすい、という方式説明
ナッパーランド:NFT水耕の特徴

ハイドロポニクスの培養液管理のpHとEC

養液栽培では培養液の最適pHは5.5~6.5が目安で、pHが低すぎるとCa・Mg・Kの沈殿による欠乏、高すぎるとFe・Mn・P欠乏が出やすいとされています。
つまりpHは「数字合わせ」ではなく、微量要素やリン酸の吸収不良を未然に防ぐための“栄養素の可給態コントロール”です。
ECは総濃度の指標として便利ですが、作物の吸収で培養液組成はズレていくため、ECだけで安心せず、更新タイミングや原水(重炭酸など)の影響も含めて運用設計するのが現場では効きます。
参考:養液栽培はEC管理が基本で、原水の重炭酸などがpH安定に関係する、という実務寄りの説明
大規模施設園芸・植物工場 共通テキスト(PDF):養水分吸収と培養液処方

ハイドロポニクスの溶存酸素と根腐れ

pH・ECと並んで重要なのが溶存酸素(DO)で、根が水中にあるシステムでは通気が根の健全な発達に不可欠で、DOは5mg/L以上が望ましいとされています。
ただし温室などで水温が上がると酸素の溶解度が下がり、根の呼吸(酸素消費)は増えるため、夏場ほど「DOが落ちやすいのに必要量は増える」という逆風が起きます。
曝気(エアポンプ)、攪拌、あるいは化学的手段(過酸化水素やオゾン)などでDOを維持する手段が紹介されており、方式(NFT/DFT)に関係なく“酸素の供給ルート”を設計段階で確保しておくと、根腐れの連鎖を止めやすくなります。
参考:水耕栽培で見落とされがちなDOと、5mg/L以上が望ましいという目安
ハンナ:水耕栽培養液の溶存酸素測定(事例)

ハイドロポニクスのピシウムと低pHの独自視点

水耕栽培の根腐病ではピシウム菌が問題になり、広島県の資料では培養液pHを4.0~4.5で管理することで、収量低下を伴わずに根腐病菌の遊走子形成を抑制し、伝染を抑えられる可能性が示されています。
ここが意外なポイントで、「養液の最適pHは5.5~6.5」という一般論だけで運用すると、病害が出たときに打ち手が“薬剤か全量更新”に偏りがちですが、病害局面ではpHを戦略的に振る(短期運用で病原の活性を落とす)という発想が取れます。
もちろん作物側の耐性・養分吸収との兼ね合いがあるため、いきなり全系統で低pHに寄せず、①発病初期の限定区で検証、②根の褐変と新根発生、③微量要素欠乏の兆候、をセットで観察しながら“病害対策用の運用レンジ”を別枠で持つと、現場の再現性が上がります。
参考:水耕ネギ根腐病で、培養液pH4.0~4.5管理により伝染抑制の可能性を示した公的資料
広島県 PDF:水耕ネギ根腐病の伝染を抑える培養液の低pH管理法
(本文は農業従事者の実務を想定し、方式選定→培養液(pH/EC/DO)→病害の設計対策まで、ハイドロポニクスの運用で事故になりやすい順に深掘りしました。)




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