仕上げ工程は、荒茶をそのまま製品にするのではなく「見た目・香味・均一性」を整えるために工程を組み直す作業で、選別が中核になります。特に篩(ふるい)は、茶葉を大きさ・長さで揃えて後工程の選別精度を上げる“下ごしらえ”として機能します。
篩を先に入れる理由は単純で、粒度がバラけた状態のまま色彩選別に入れると、落下姿勢・流速・重なりが不安定になり、検出もエア排除もブレやすいからです(結果として「取り逃し」か「過剰排除」に寄りやすい)。
現場でありがちな失敗は、異物混入の苦情が出たときに色彩選別機の設定だけを追い込んで、篩の目詰まり・網の破れ・投入の偏りなど“前段”を見落とすことです。篩の健全性を戻すだけで、色彩選別の排除率と歩留りが同時に改善するケースがあります。
✅チェックポイント(篩まわり)
風による選別(風選)は、比重差や浮遊特性の違いを使って、軽い部分(例:粉っぽい部分、毛葉、雑味につながりやすい軽量物)や、見栄えを悪くする木皮などを分ける工程として位置づけられます。
狭山茶の工程説明でも、篩の後に「風による選別」を入れ、比重の軽い雑味要因や木皮を除去するとされており、風選は“味と外観の安定化”に直結する工程です。
意外に見落とされがちな点として、風選の出来が悪いと色彩選別機の負担が増えます。粉・毛葉が多いまま光学(色彩)へ入ると、センサー窓やシュート周辺が汚れやすく、結果として誤検出が増え、排除品が増えて歩留りが落ちる方向に働きます。
🌪️風選の調整の考え方(現場向け)
参考)循環式風力選別機
色彩(光学)による選別は、茶葉と茎などの「色の違い」を検知し、圧縮空気で対象だけを吹き飛ばして除去する方式が古くから確立されています。
例えば、服部製作所の歴史資料では、振動フィーダから落下した茶葉を光センサーが検知し、白い茎が通過したときに空気弁を開き、圧縮空気で除去する構造が説明されています。
また、仕上げ工程の説明でも「色彩による選別」で白っぽい茎茶を選別するとされており、色彩選別は“最終外観の決め”に強い工程です。
🔍色彩選別で失敗しやすい点(導入・運用の盲点)
参考:茶葉の仕上げ工程の中で、篩→風→色彩→火入れという流れがまとまっている(工程設計の確認に有用)
https://www.yokotaen.com/seizou/
近年の茶葉向け装置は、色の違いだけでなく、近赤外など複数のカメラ特性を使って「同色系の異物」や「透明に近い異物」まで狙う方向に進んでいます。
例として、茶葉用光学式異物除去装置の紹介では、緑茶専用機が近赤外カメラで葉緑素の無い異物を検出し、透明異物検出カメラで透明異物を除去する、といったカメラ役割分担が示されています。
このタイプの発想は、現場で問題になりやすい「色だけでは判別しにくい混入(透明片・同系色の異物)」に対処するためで、クレームリスク(異物混入)を下げたい工場ほど検討価値が上がります。
🧪導入前に確認したい仕様(異物除去系)
参考)茶葉用光学式異物除去装置『UDS-FM』
参考)https://mono.ipros.com/company/detail/2002307/category/57697/
検索上位では“選別精度”や“機械の性能”が強調されがちですが、現場で効くのは「前処理(篩・風選)」と「清掃設計(汚れにくさ/掃除しやすさ)」の組み合わせです。
理由は単純で、色彩選別の基本構造が“検知して圧縮空気で弾く”方式である以上、粉や毛葉が多いとセンサー周りや流路が汚れ、検知と排除の再現性が落ちていくからです。
そこで、設備投資の優先順位を「高性能機への入替」だけに寄せず、(1)篩の健全化、(2)風選の安定化、(3)圧縮空気の管理、(4)清掃導線の改善、の順で詰めると、少ない投資で“歩留りを守りながら品質を上げる”着地が狙いやすくなります。
🧹運用改善の具体例(すぐ効くもの)