バスアミド微粒剤はコメリで価格と効果や使い方のガス抜き

農家の土壌消毒に欠かせないバスアミド微粒剤。コメリでの購入価格や在庫確認の方法、効果を最大化する使い方、失敗しないガス抜きの期間や手順、太陽熱との併用効果まで徹底解説しますが、準備は万全ですか?

バスアミド微粒剤のコメリ

バスアミド微粒剤コメリ活用ガイド
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コメリでの価格と規格

20kgなどの業務用規格の価格相場と、店舗での取り置きサービスの活用法。

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効果的な散布と手順

耕起から被覆、ガス抜きまでの正確なステップと、水分量の見極め方。

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ガス抜き失敗の回避

薬害を防ぐための期間設定と、簡易発芽テストによる安全確認の手法。

バスアミド微粒剤のコメリでの価格と店舗在庫

 

農業従事者にとって、土壌消毒剤のコストパフォーマンスと入手性は経営に直結する重要な要素です。大手ホームセンターであるコメリでは、プロ農家向けに「バスアミド微粒剤」を取り扱っており、特に大規模な圃場を持つ生産者にとっては頼れる存在です。一般的に、バスアミド微粒剤は家庭菜園向けの1kgや5kgの小袋から、プロ農家が使用する10kg、20kgの大袋まで幅広い規格が存在します。コメリのオンラインサイトや店舗在庫を確認すると、20kg入りの大袋は概ね30,000円~32,000円前後(税込)で販売されているケースが多く見られます。

 

参考)https://www.intandemly.com/3332231173

コメリで購入する際の大きなメリットは、店舗受取サービス(取り置き)が利用できる点です。バスアミド微粒剤は農薬取締法における「劇物」指定を受けているため、購入時には譲受書への署名や身分証明書の提示、印鑑が必要となる場合があります。通販で自宅へ直送してもらう場合、配送業者の規定により取り扱いが難しいケースや、送料が高額になることがありますが、コメリの「サイトで予約・店舗で受取」を利用することで、確実に在庫を確保しつつ、送料コストを削減することが可能です。特に土壌消毒のシーズン(春や秋)直前は在庫が流動的になるため、早めの予約注文が推奨されます。

 

参考)バスアミド微粒剤(1kg *): 農薬

また、コメリカードやビジネスカードを利用することで、ポイント還元や後払い決済が可能になる点も、経費管理の面で有利です。20kgを複数袋購入する場合、総額は数十万円に達することもあるため、還元率の良い決済方法を選ぶことは実質的なコストダウンにつながります。小規模なハウス栽培や特定の畝だけを消毒したい場合は、割高にはなりますが1kg規格(約2,200円前後)を利用するなど、圃場の規模に合わせて規格を選べるのも強みです。

バスアミド微粒剤の効果的な使い方と手順

バスアミド微粒剤の効果を最大限に発揮させるためには、ただ散布するだけでなく、事前の土壌準備から被覆までの手順を緻密に行う必要があります。この薬剤の主成分であるダゾメットは、土壌中の水分と反応してメチルイソチオシアネート(MITC)というガスを発生させ、そのガスが土壌の空隙に広がることで殺菌・殺虫・除草効果を発揮します。したがって、使い方の基本フローは「耕起・砕土」→「散布・混和」→「潅水(水分調整)」→「被覆」となります。

 

参考)https://www.greenjapan.co.jp/basamido.htm

参考リンク:バスアミド微粒剤の製品詳細と作用機作(グリーンジャパン)
まず最も重要なのが、事前の「丁寧な耕起と砕土」です。土の塊が大きいと、その内部までガスが浸透せず、センチュウや病原菌が生き残ってしまう原因になります。ロータリーを低速回転させ、可能な限り土を細かく砕くことが成功の第一歩です。次に散布ですが、10アールあたり20kg~30kg(作物や病害の種類により調整)を均一に散布します。手散布ではムラになりやすいため、散粒機を使用するか、手袋を着用して慎重に行います。微粒剤であるため、粉立ちが少なく吸入のリスクは低いですが、マスクと保護メガネの着用は必須です。

 

参考)https://www.greenjapan.co.jp/basamido_qa.htm

薬剤を散布した後は、直ちに土壌と混和します。このとき、深さは15cm~20cm程度を目安にします。浅すぎると深層の病害虫に届かず、深すぎるとガス濃度が薄まってしまいます。混和後は、土壌水分を適正に保つために潅水を行います。土を握って団子ができ、指で押すと崩れる程度の水分量(圃場容水量の60%程度)が理想です。水分が不足するとガス化が進まず、効果が出ないばかりか、後々のガス抜け不良(薬害)の原因となります。最後に、ガスを逃がさないよう速やかにビニール(ポリフィルム)で被覆します。ビニールは厚さ0.02mm~0.03mm程度のものを使用し、隙間がないように端を土でしっかり押さえることが肝心です。

 

バスアミド微粒剤のガス抜き失敗を防ぐ期間

土壌消毒において最も恐ろしいのが、ガス抜き不足による作物の「薬害」です。バスアミド微粒剤を使用した後に苗を定植したり種を蒔いたりした際、枯れてしまったり生育不良を起こしたりするのは、土壌中にMITCガスが残留していることが主な原因です。これを防ぐためには、適切な被覆期間とガス抜き期間を設けることが絶対条件となります。

被覆期間(消毒期間)は地温によって異なります。地温が20℃以上の暖かい時期であれば7日~10日程度で十分な殺菌効果が得られますが、15℃前後の涼しい時期は14日以上、10℃以下の低温期には20日~30日以上の期間が必要です。被覆期間が終了したらビニールを除去し、いよいよ「ガス抜き」の工程に入ります。まずは耕うん機などで土を軽く混ぜ、土壌中に閉じ込められたガスを大気中に放出させます。この際、最初に薬剤を混和した深さよりも深く耕さないように注意してください。未消毒の下層土を表層に持ち込んでしまうと、再汚染の原因になります。

ガス抜きの期間は、通常3日~7日程度ですが、これも気温や土壌水分に大きく左右されます。安全を期すために、必ず「簡易発芽テスト(生物検定)」を行うことを強く推奨します。方法は簡単です。消毒した土と、未消毒の土(庭の土など)をそれぞれ密閉できる容器(広口ビンやタッパー)に入れます。その中に水で濡らした脱脂綿を置き、発芽の早い「カイワレ大根」や「レタス」の種を蒔いて蓋をします。2~3日置いて、消毒した土の方だけ発芽しなかったり、根が茶色く変色していたりする場合は、まだガスが残っています。双方が同じように元気に発芽すれば、ガス抜き完了のサインです。このひと手間を惜しまないことが、失敗を防ぐ最大の防御策です。

 

バスアミド微粒剤の土壌水分と地温の重要性

多くの農業従事者が土壌消毒に失敗する際、その原因の多くは「土壌水分」と「地温」の管理不足にあります。ここでは、なぜこの2つの要素がそれほどまでに重要なのか、化学的なメカニズムから深掘りします。バスアミドの有効成分ダゾメットは、それ自体には殺菌力はありません。土壌中の水分と接触し、加水分解することで初めて殺菌成分であるガス(MITC)に変化します。つまり、土壌が乾燥しすぎている状態(パサパサの土)で散布・混和しても、ガスが発生せず、薬剤がそのまま残留してしまうのです。これが「効かない」原因の筆頭です。逆に、後から雨などで水分が供給されると、予期せぬタイミングでガスが発生し、定植後の作物に深刻な薬害をもたらします。

 

参考リンク:バスアミド微粒剤のQ&Aと技術資料(日本曹達)
一方、「地温」はガスの拡散スピードと消失スピードを支配します。地温が高いほどガスの発生と拡散が活発になり、土壌の隅々まで消毒効果が行き渡りやすくなります。しかし、地温が低すぎる(10℃以下)と、化学反応が極端に遅くなり、いつまで経ってもガス化が終わらないという現象が起きます。また、一度ガス化した成分が分解・消失するのにも温度が必要です。低温期に無理に使用すると、いつまで経ってもガスが抜けきらず、定植スケジュールが大幅に遅れるリスクがあります。

理想的な条件は、地温が15℃以上あることです。もし低温期に使用せざるを得ない場合は、ハウスを閉め切って地温を上げたり、透明マルチを使用して太陽熱を取り込んだりする工夫が必要です。また、土壌水分については、単に「湿っていればいい」ではなく、土壌の粒子間に適度な水分膜がありつつ、ガスが通るための空気の隙間も確保されている状態(有効水分域)がベストです。過湿状態(ドロドロの土)では、今度はガスが水に阻まれて拡散できず、消毒ムラが発生します。この「水分と温度のバランス」をコントロールすることこそが、プロの土壌消毒テクニックと言えます。

 

バスアミド微粒剤と太陽熱消毒の併用効果

最後に、検索上位の記事ではあまり深く触れられていない、しかしプロの現場で非常に有効な「バスアミド微粒剤と太陽熱消毒の併用処理(体系処理)」について解説します。これは、薬剤の化学的な力と、太陽熱による物理的な熱処理を組み合わせるハイブリッドな消毒方法です。特に、夏場にハウスを休ませることができる作型(イチゴや促成ナスなど)で絶大な効果を発揮します。

 

参考)バスアミド微粒剤処理と太陽熱消毒の併用によるイチゴ, ナスの…

具体的な手順としては、まず通常通りバスアミドを散布・混和し、適度な水分を含ませます。ここまでは通常処理と同じですが、被覆する際に透明ビニールを使用し、ハウスを密閉して長期間(20日~30日以上)放置します。こうすることで、バスアミドから発生したMITCガスが土壌中のセンチュウや病原菌を弱らせ、さらに太陽熱による高温(40℃~50℃以上)が追い打ちをかけて死滅させます。薬剤単体では死滅しにくい深層のセンチュウや、耐久体を持つ病原菌に対しても、熱が加わることで防除価が飛躍的に向上します。

 

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/ktpps1954/1998/45/1998_45_243/_pdf/-char/ja

また、この併用療法には「ガスの分解を早める」というメリットもあります。高温状態が続くことで薬剤の分解が促進され、ガス抜きにかかる時間が短縮されたり、残留リスクが低減されたりする効果が期待できます。さらに、雑草種子に対する効果も高まります。バスアミドは元々除草効果も持っていますが、熱処理を加えることで硬実種子の休眠覚醒を促し、発芽直後に枯死させる作用が強化されます。コストはかかりますが、連作障害が深刻化している圃場や、難防除病害(青枯病や半身萎凋病など)に悩んでいる場合は、この併用処理を検討する価値は大いにあります。

 

 




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