張ったガットは3ヶ月で3ポンド下がります
バドミントンのガットテンションとは、ガットをラケットフレームに張る際の強さを示す数値で、ポンド(lbs)という単位で表されます。この数値が高いほどガット面は硬く張られ、低いほど柔らかくなるという仕組みです。現在のバドミントン界では20ポンドが標準的なテンションとされており、この基準値からプレーヤーの筋力や技術レベルに応じて調整していくのが一般的な考え方となっています。
テンションが高いほど打球面は硬くなるため、シャトルとの接触時間が短く球離れが良くなります。その結果、スマッシュなどの攻撃的なショットでスピードが出やすく、コントロール性能も向上するのが特徴です。一方で、硬い打球面はシャトルの飛びを抑える効果があるため、十分なパワーがないプレーヤーが使うと奥まで飛ばせず力んでしまう原因になってしまいます。
初心者の方には18~20ポンド程度の低めのテンションがおすすめです。低いテンションはガット面が柔らかく、ストリングの弾力を利用してシャトルを飛ばせるため、まだ筋力やスイングスピードが十分でない段階でも楽にプレーできます。ガットが沈み込むことでシャトルを捉えやすくなり、基本的なショットのメカニクスを習得しやすいというメリットもあります。
つまり低テンションが基本です。
中級者になってバドミントンに慣れてきたら、20~23ポンド程度のやや硬めのテンションに移行するタイミングです。この段階では基本的なフォームが身につき、ある程度のスイングスピードも確保できるようになっているため、テンションを上げることでスマッシュやドライブの威力を高められます。中級者のままずっと低いテンションで続けていると、シャトルの飛びすぎでコントロールが難しくなったり、スピードが出ないと感じたりする場面が増えてくるでしょう。
上級者や体格のしっかりした高校生以上のプレーヤーには、23~27ポンド程度の硬めのテンションが適しています。プロやS/Jリーガーレベルになると、男性では30ポンド以上、女性でも28ポンド以上で張る選手も珍しくありません。例えば桃田賢斗選手は34ポンドという非常に高いテンションで使用しており、これは確実なコントロールと球速を両立させるための設定と言えます。
高テンションなら打球速度が増します。
ただし、テンションは高ければ良いという単純なものではなく、プレースタイル、筋力、ラケットの特性、ガットの種類などが複雑に絡み合って最適値が決まります。攻撃的なプレーを好むなら高めのテンション、守備的で粘り強いプレーなら中程度のテンション、コントロール重視なら低めのテンションといった具合に、自分のプレースタイルに合わせた調整が重要です。筋力が強くラケットを高速で振れる人ほど高テンションのメリットを活かせますが、速く振れない人が無理に高テンションにすると期待外れの結果になってしまいます。
バドミントンストリングのテンション選びの詳細な解説(アルペングループ公式サイト)
ガットの太さ(ゲージ)は、バドミントンのプレーに大きな影響を与える要素です。バドミントンガットの太さは、最も細いもので0.60mm、最も太いもので0.75mm程度まで幅があり、この0.1mmの違いでも打球感や耐久性が大きく変わってきます。一般的には0.60~0.65mmが細め、0.65~0.67mmが標準、0.68~0.70mmがやや太め、0.71mm以上がかなり太めという分類になります。
細いガットの最大の特徴は、高い反発性能とスピン性能です。細い糸は断面積が小さいため、シャトルがガットに当たったときの沈み込みが大きくなり、それだけ反発力も高まります。また、ガット同士の可動域が広いため、シャトルに回転をかけやすくなり、コントロール性能も向上します。
打球音も高く爽快感があるのが魅力です。
初心者の方には、力が弱くても飛距離を出しやすい0.60~0.65mmの細いガットがおすすめと言えます。
一方で細いガットの欠点は耐久性の低さです。細いガット同士は摩擦が大きく、激しいラリーではすぐに毛羽立ったり切れたりしてしまいます。特に細いガットを高いテンション(22ポンド以上)で張ると、耐久性がさらに低下するため、頻繁に練習する上級者は張り替えコストが高くなってしまう点に注意が必要です。
太いガットは耐久性に優れています。
太いガット(0.68mm以上)は、耐久性と安定感が大きなメリットです。断面積が大きいため摩擦に強く、激しいプレーでも長持ちします。また、ガット面全体の剛性が高くなるため、打球の安定性が増し、ミスヒットしても大きく飛び方が乱れにくいという特性があります。ただし、反発力は細いガットに比べて劣り、シャトルを飛ばすのにより多くの力が必要になります。打球音も低めになるため、爽快感を求める人には物足りなく感じられるかもしれません。
同じテンションで張ったとしても、ガットの太さによって打球感は大きく変わります。例えばシャトルのスピードを重視する場合は、細いガットを高いテンションで張る必要がありますが、この組み合わせは耐久性が最も低くなります。耐久性を重視したい場合は、太いガットを低いテンションで張る方が長持ちしますが、反発力やコントロール性能はある程度犠牲になります。通常、細いストリングは反発性が高いため高いテンション(22~24ポンド)で張るケースが多く、より細い糸を高テンションで張るほど耐久性は低下していく傾向があります。
逆に細い糸を低いテンション(18~20ポンド)で張ると、シャトルがガットに当たった後の沈み込みが非常に大きくなるため、力のない方でも楽に球を飛ばすことが可能になります。この組み合わせは初心者や女性プレーヤーに特に適した設定と言えるでしょう。
結論は自分の優先順位次第です。
バドミントンガットの太さと特性の詳細(スポーツショップトークス)
バドミントンのガット張りでは、縦糸と横糸で異なるテンションをかける技術が広く採用されています。一般的には横糸を縦糸よりも10%程度(約2ポンド)高く張るのが標準的な方法とされており、多くのメーカーもこの張り方を推奨しています。例えば縦糸を20ポンドで張る場合、横糸は22ポンドで張るという具合です。ただし、最後の5本程度は縦糸と同じテンションに戻して張り上げることで、ラケットの原型を保つように調整します。
横糸のテンションを高くする最大の理由は、ラケットのフレーム形状を維持するためです。バドミントンラケットは楕円形をしており、縦糸と横糸の長さが異なります。縦糸は長く、横糸は短いため、同じテンションで張ると横糸の方が実際にかかる張力が強くなってしまいます。そのため横糸を意図的に高めに張ることで、縦横のバランスを取り、ラケット全体の形状を適切に保つことができるのです。
形状維持が一番の目的です。
この張り方には打球感の向上という副次的な効果もあります。横糸のテンションが高いとショットのスピードが増し、パワーを持ったショットが打ちやすくなります。一方、縦糸のテンションが高い場合は、ショットのコントロールが向上し、ボールの回転もかけやすくなる特性があります。この縦横の特性の違いを利用して、自分のプレースタイルに合わせた微調整が可能になります。
ただし、すべてのプレーヤーに横糸を高くする張り方が適しているわけではありません。コントロール重視のプレーヤーや繊細なタッチを求める方は、縦横同じテンション(イーブンセッティング)の方が扱いやすいと感じる場合があります。イーブンセッティングは面全体の反発が均一になるため、シャトルの飛び方が予測しやすく、ネット前の細かい技術を使う際に有利になることがあります。
また、近年では縦横で異なる種類のガットを組み合わせる「ハイブリッド張り」という手法も注目されています。例えば縦糸に反発力の高い細いガットを使い、横糸に耐久性の高い太いガットを使うといった組み合わせです。この方法では、それぞれのガットの長所を活かしつつ短所を補完できるため、より細かいカスタマイズが可能になります。
張り方でプレーが変わります。
縦横のテンション設定や張り方は、自分の打球感やプレースタイルの好みによって試行錯誤していくことが大切です。最初は標準的な「横糸+2ポンド」から始めて、そこから1ポンド単位で調整していくことで、自分にとって最適な設定を見つけることができるでしょう。
バドミントンガットの縦横テンションの科学的解説(姫路ガット張り専門店note)
バドミントンのガットは消耗品であり、張った瞬間から少しずつテンションが低下していきます。練習量にもよりますが、だいたい3ヶ月経つと約3ポンド程度テンションが落ちてしまうのが一般的です。特に半年から1年経過すると、最初のテンションから5~8ポンドほど下がることもあり、これは例えば25ポンドで張ったガットが17~20ポンド程度まで緩んでしまう計算になります。東京ドーム1個分の面積が約4.7ヘクタールですから、ガット面の緩みはそれに匹敵する大きな変化と言えるでしょう。
テンションが下がると打球感がフワフワして鈍くなり、シャトルのコントロールが難しくなります。また、ガットの反発性能も失われるため、同じスイングでもシャトルが飛ばなくなり、無意識に力んでしまうことで手首や肘を痛める原因にもなりかねません。さらに打球音も高い金属的な音から低く鈍い音に変わっていくため、気持ちよくプレーできなくなってしまいます。
3ヶ月が限界ということですね。
ガットの張り替えタイミングは、一般的には「切れるまで張り替えない」という方が多いようですが、これは最適なアプローチとは言えません。ガットの劣化は張り上げた直後から始まっており、プレイ回数に関係なく性能は下がっていきます。頻繁にプレーする人なら1~2ヶ月に1回、あまりプレーしない人でも最長3ヶ月を目安に張り替えることが推奨されます。プレー時間にして20~30時間前後が寿命の目安と考えると良いでしょう。
交換時期を判断する具体的なサインとしては、以下のような症状が挙げられます。まずシャトルの飛びが明らかに悪くなったとき、これは反発力が低下している証拠です。打球音が鈍くなったときも劣化のサインで、本来の高い打球音が出なくなります。打球感がいつもより硬いと感じたり、逆に柔らかすぎると感じたりするのも、テンションバランスが崩れている証拠です。
ガット表面の変化も重要なサインです。縦糸と横糸が重なる部分に窪みができたとき、これはガット同士の摩擦で削れている状態で、すぐに切れる可能性が高まっています。ガットに変色や退色が見られたときも、素材が劣化している証拠です。また、ガットの毛羽立ちが目立ってきた場合も交換のタイミングと考えて良いでしょう。
週3回以上の練習なら1ヶ月です。
張り替えの最適なタイミングを逃さないためには、ガットを張った日付をラケットに記録しておくことをおすすめします。スマートフォンのメモアプリやカレンダーアプリに張り替え日を登録しておけば、次回の張り替え時期を把握しやすくなります。また、季節の変わり目(3ヶ月ごと)に張り替えるというルールを決めておくのも、管理しやすい方法です。
ガットが1年間切れなかったという方もいますが、これは必ずしも良いことではありません。切れないということは使用頻度が少ないか、テンションが極端に低い可能性があります。1年間放置されたガットは、見た目には問題なくても内部で劣化が進んでおり、本来の性能はほとんど失われています。このような状態でプレーを続けると、技術の向上を妨げるだけでなく、怪我のリスクも高まってしまいます。
1年間ガットを張り替えなかった場合の詳細な影響(姫路ストリング専門店)
バドミントンのガットテンションは、季節や気温によって調整が必要になります。これはガットの素材特性が温度変化の影響を受けやすいためです。冬場の寒い時期はガットが収縮して硬くなりやすく、同じテンションで張っても夏場より打球感がカチカチに感じられます。逆に夏場はガットが伸びやすく柔らかく感じられるため、季節によって最適なテンションが変わってくるのです。
具体的な調整の目安としては、冬場は通常のテンションから2ポンド程度下げることが推奨されます。例えば普段24ポンドで張っている方なら、冬は22ポンドに下げるという具合です。これは寒さでガットが伸びづらくなり、張力が実質的に高くなってしまうためで、そのまま高いテンションで使い続けるとガットが切れやすくなるだけでなく、ラケットフレーム自体にも過度な負荷がかかってしまいます。
冬は2ポンド下げが基本です。
高すぎるテンションは、ラケットの破損リスクを大幅に高めます。ガットは高いテンションで張り上げることになるため、ラケットフレームに常に大きな負荷がかかり続けます。上級者ほどガットのテンションが高いため、ラケットがその強度に耐えられず、フレームにヒビが入ったり折れたりするケースが増えてきます。特にダブルスでパートナーのラケットとの不慮の接触や、床との接触の際に、ガットのテンションが高すぎるとラケットを破損する確率が高まってしまうのです。
ラケットの適正テンションを超えて張る「オーバーテンション」は、メーカー保証の対象外となる場合がほとんどです。各ラケットには推奨テンション範囲が記載されており、一般的には18~29ポンド程度の幅で設定されています。この範囲を超えて張ると、ラケット全長が短くなる(通常675mmのところが672mmになるなど)といった変形が起こり、フレームの強度が著しく低下します。
ラケット破損を防ぐためには、まず自分のラケットの適正テンションを確認することが第一歩です。ラケットのシャフト部分やフレームに記載されている推奨テンション範囲を守り、その範囲内で自分に合った設定を見つけることが重要です。また、ラケットに小さなヒビや傷がないか定期的にチェックし、異常があればすぐに使用を中止することで大きな破損を防げます。
適正範囲を守れば安全です。
季節変化に対応するもう一つの方法として、複数のラケットを使い分けるアプローチもあります。夏用に高めのテンション、冬用に低めのテンションで張った2本を用意しておけば、季節ごとに張り替える手間が省け、常に最適な状態でプレーできます。この方法は張り替えコストは増えますが、ラケットの寿命を延ばし、怪我のリスクを減らせるというメリットがあります。
温度管理も重要なポイントです。冬場に屋外や車内などの寒い場所にラケットを長時間放置すると、ガットが極端に収縮して切れやすくなります。体育館に入る前に、ラケットを室温に馴染ませる時間を取ることで、急激な温度変化によるガット切れを防ぐことができます。また、夏場の高温多湿な環境での保管も避け、できるだけ涼しく乾燥した場所で保管することがガットの寿命を延ばすコツです。

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